映画「グランド・ブタペスト・ホテル」あらすじと感想【ネタバレあり】
2014年に公開されたオールスターキャストで織りなすサスペンス・コメディです。
主人公を演じるレイフ・ファインズを中心に、主役級の俳優たちが続々と現れては爪痕を残していっています。
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あらすじ
今は亡き作家が1985年に書いた作品。
その内容は、若い頃に静養のために訪れたホテルで聞いた物語を書き記したものだった。
アルプスの山頂にあるグランド・ブタペスト・ホテルに逗留していた1968年。
かつては栄華を誇ったこの格式高いホテルも、今やすっかり寂れて廃墟のようになっていた。
数少ない宿泊客は全員おひとり様。
その中で、作家は気になる佇まいの人物を見つけた。
身なりの良い小柄な老人で、深い孤独と憂いを抱えているのが一目でわかった。
コンシェルジュに訊くと、このホテルのオーナーでズブロフカ(架空の国名)いちの大富豪のゼロ・ムスタファ氏だった。
がら空きの自分のホテルに来たときは、必ず狭い使用人部屋に泊まるのだという。
翌朝ムスタファ氏から話しかけられて、作家はその日の夕食を彼と一緒にとることになった。
そして彼の物語を聞く。
1932年。
格調高く、多くの従業員が忙しく働いていたこのグランド・ブタペスト・ホテルは、富裕層が何人も上客として泊っていた。
このホテルで最初のコンシェルジュだったグスタヴは有能な人物で、テキパキと一切を取り仕切る。
彼は金持ちの老婦人たちの夜のお供もしており、彼女たちからの寵愛も受けていた。
これもまたグスタヴが与える最高のおもてなしである。
そこへゼロは見習いロビーボーイとしてこのホテルに雇われた。
グスタヴから教え込まれ、完璧に仕事をこなすようになってきたゼロはグスタヴに気に入られる。
このホテルのオーナーは謎の人物で、毎月代理人の弁護士コヴァックスがやってきて帳簿の確認をしていた。
ある日、上客のひとりマダムDがルッツ (架空の地名) にある自宅で亡くなった、という新聞記事が出ていた。
折しも戦争が始まりそうで、国境に戦車が配置されたタイミングである。
それにも関わらず、グスタヴはゼロを連れて弔問に向かった。
案の定、汽車が国境に差し掛かると憲兵隊が乗り込み、彼らのコンパートメントにもやってきて通行証を見せるように言ってくる。
移民のゼロの通行証は不審を抱かれ、ゼロが連れて行かれそうになるとグスタヴは真っ向から抗議。
ふたりとも憲兵に押さえつけられるが、上官のヘンケルスがそこへやってきた。
子供の頃にグランド・ブタペスト・ホテルでグスタヴに可愛がられた彼は、グスタヴたちを解放し、ゼロに特別通行許可書を出してくれた。
マダムDの邸宅・ルッツ城では、すでにマダムの親類縁者が集まっていた。
コヴァックスが遺言執行人として彼らの前に立ち、マダムの遺言を読み上げていく。
そこで「少年と林檎」というホイトル (架空の画家) の名画がグスタヴに贈られると知り、マダムの長男ドミトリーは激怒する。
グスタヴたちは私室の壁に掛けられていた「少年と林檎」を、ドミトリーたちに知らせずに持ち帰ることにした。
マダムの秘書セルジュが、絵画を包む際に極秘の書類をその中に忍ばせる。
かくして、ホテルに戻り絵画を隠して安心したところでヘンケルスたちがホテルにやってきた。
マダムDの殺人容疑でグスタヴは逮捕されてしまう。
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感想
なんというか、チャカチャカした映画です。
スラップスティック・コメディの名作「地下鉄のザジ」を観たときも同じこと思ったんですが…
話の展開も登場人物たちの動きも、せわしない。
せわしないんだけれど、ホテルマンの性でキチンとドアを閉めたり、所作が紳士的だったり、とぼけたコミカルさがあります。
ザジと違って不条理感はなくストーリーはちゃんとしています。
だからこそ、ちょっと目を離すとすぐ話に置いて行かれてしまう緊張感がありました。
疲れていたりして、のんびり映画を観たい、というときには向いていない作品かもしれません(;´∀`)
でも色彩や調度品、小道具なんかは綺麗で可愛い♪
山の麓の町にあるお菓子屋さん「メンドル」で働くアガサとゼロが恋仲になって結婚するのですが、彼女が作るお菓子が色鮮やかで見た目に楽しい。
そしてこのお菓子、拘置所に入れられたグスタヴの脱獄に一役買います。
中に小型ハンマーを仕込んで差し入れしているんです。
可愛いし、一見ミニケーキに見えるから検査もパス。
やっぱり可愛いは正義 (・∀・)
脱獄には成功しますが、コヴァックスもセルジュも、ドミトリーが雇った探偵兼殺し屋のジョプリングに殺されてしまいます。
ショッキングなシーンもあるので、油断してると危険です。
心臓が口からまろび出そうになりました (;´Д`)
この展開からマダムを殺したのはドミトリーだと分かるのですが、推理や伏線などはまったくないので、ミステリーとは言い難い作品ですね。
疑いも晴れて大団円なのですが、その後グスタヴもアガサもゼロを残して亡くなったところまで語られ、それが1968年のゼロことムスタファ氏に暗い影を落とします。
そして作家も亡くなっている現在までも作中では描写され、コメディなのですが、物寂しさを残して映画は終わりました。
諸行無常を感じさせるラストです。
でもエンドロールは最後まで観てみてください。
後半からギター (?) をモチーフにした可愛らしい小物の絵が随所に出てきて、最後には髭面のロシア人らしきキャラが音楽に合わせて踊ります。
このコミカルな踊りにクスッとなって、観終わった後は明るい気持ちになれました。
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