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「ラブリーボーン」あらすじと感想【ネタバレあり】

2022/06/19
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

ピーター・ジャクソン監督によるファンタジックなサスペンス作品です。

当時まだ新人だった主演のシアーシャ・ローナを、マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチらのベテラン勢がサポートしています。

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あらすじ

1973年。

14歳のスージー・サーモン父と母、そして妹と弟が一人ずついる5人家族の長女。

誕生日プレゼントにカメラをもらって以来、いろんな被写体を撮りまくる。

将来は動物写真家になって野生動物をたくさん撮りたいと夢見ていた。

もうすぐクリスマス。

別居している祖母と一緒にショッピングモールで、片思い中の男子レイを見かけてときめく。

うっとりとレイを見つめているスージーに、気味悪い視線を送っている男がいたことに彼女はこのとき気づいていなかった。

 

12月6日。

この日はフィルムの使い過ぎを咎められ、月1本までと決められて面白くない。

母の手編みの帽子を強制的に被らされたことも不満だった。

映画鑑賞クラブが終わった後、友人と一緒に帰る約束だったけれど、友人は彼氏と一緒に帰ってしまう。

仕方なく一人で帰り支度をしていたところで、憧れのレイに話しかけられて舞い上がった。

実はレイもスージーのことが気になっていたのだ。

スージーが取り落とした本の中にスッと手紙を差しはさむレイ。

土曜日にデートしようと誘われ、OKしたスージーは夢見心地で学校を後にした。

学校裏手のトウモロコシ畑を歩きながら、本をカバンに仕舞おうとしていたら、レイが挟んだ手紙が風で飛ばされた。

追いかけるけれど捕まえられない。

近所に住むハーヴィという男に出くわし、彼も捕まえようとするがダメだった。

手紙は高く舞い上がってしまい、スージーは諦めた。

そこでハーヴィは、スージーをトウモロコシ畑にこっそり作っていた秘密基地のような地中の部屋に誘う。

 

そしてスージーは殺された

 

彼女は天国に行くことを躊躇し、自分の死により崩壊していく家族、大好きなレイ、そして自分を殺したハーヴィの動きを、あの世とこの世の狭間から見つめていく。

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感想

スージーの父の趣味は、瓶に入った帆船模型を作ることです。

なぜそんなに作るのか聞くスージーに、父は「いろいろ学べるからだよ」と答えます。

趣味を持つことは、一度始めたことを最後までやり遂げる力を養うことにつながるのだというのです。

そして失敗してもまたやり直す粘り強さも養われるとも言います。

継続力

飽きっぽい私には耳が痛い言葉です。ヒーッ。

しかし趣味であれば、誰にも頼まれなくても没頭して続けることははできますよね。

なにしろ楽しくてやっているのですから。

だから趣味が仕事になると、楽しいから継続できる&集中できる、ということで成功しやすい、という図式ができるんですね。

スージーの父も粘り強く継続力のある人ですが、のちにそれが裏目に出ます

犯人探しにのめり込んでしまうのです。

どんなに妻や刑事が止めても諦めません。

あいつも怪しい、こいつも怪しい、と疑いまくり、証拠や資料集めに奔走します。

今まで作ってきた模型を壊しまくり、まるでこちらが新たな趣味になったかのような憑りつかれぶりです。

まあ、当たり前かもしれないですけどね… 切ないな。

証拠があったわけではないけれどハーヴィが犯人だと確信したときも、この粘り強さによりハーヴィを付け狙い、復讐しようとしますが罠にかかってしまいます。

粘り強い根性というのは、とても良い特性です。

それは趣味で養えるのですから、楽しみながら身に着けていくのが一番良いと思います。

しかしやはり物事には良いと悪いの両面があって、その根性を出す場面を間違えると痛い目に遭います。

諦めきれないと思うことでも、周りをよく観察して引くことも知らないといけないのだな、ということなのでしょうね。

 

一方、スージーの母は、娘が殺された日から彼女の部屋に入らなくなりました。

ショックが大きいなか、支えるよと言ってくれた夫もやはり感情を抑え続けることが出来ず、精神的にかなり不安定になった様子でスージーを思い続けています。

家庭内は一変し、母方の祖母が仕切り直しにやってきてくれますが、「部屋に入らないようにしても現実は変えられない」と母を窘めます。

母はあまりにも辛い感情、そして状況から逃げたくてスージーの存在自体を忘れようとしていたのです。

しかし家族は、夫をはじめスージーのことを忘れさせてくれない。

そのことに耐えられず、ついにはペンシルバニアにある家を出て遠く離れたカリフォルニアの果樹園で働き始めます。

同僚たちに子供の人数を聞かれても、「2人」と答えて、スージーは最初からいなかったかのように振舞います。

スージーという娘はいない。

だから子供が殺害されたなんていう経験はしていない。

現実を捻じ曲げようと必死に思いこもうとしたのですね。

まるで空想の世界に逃げ込むように。

こうやって、今にも壊れそうな自分の心を守ろうとしたのかもしれません。

ある日突然、自分の子どもを奪われた。

想像を絶する辛さだと思います。

現実を直視したくない、と目を背ける気持ちも理解ができます。

私もたぶんきっと、そうなる。

しかし月日が経ち、果樹園で忙しく働いているうちに気持ちも落ち着いたのでしょう。

最後には家に戻り、ようやくスージーの部屋に入ることができました。

穏やかな表情で死を受け入れ、生きていた痕跡を見つめ直します。

どんなに辛いことも時間が解決してくれる。

よく言われているセリフですし、本当にそうだと思います。

ただ、いつまで続くのか先も見えず、その間どう過ごせばいいのか…

当人にも周囲にも難しいところです。

逃げてもいいけれど、結局逃げ切れるものでなく、受け入れるしか方法はないのかもしれません。

果樹園で働きだした母のように、家にいると考えてしまうから…と外に働きに出る人もいます。

そうした他のことに没頭することで落ち着きを取り戻し、徐々に受け入れられるようになってくるのでしょう。

そして思い出に昇華させていくのだと思います。

 

この映画は、一つの殺人がどれほど大勢の人間に影響を与えるのかを丁寧に描写しています。

それぞれの心にスージーは残っており、弟はときおり彼女の存在を感じ取ります。

妹も、すでに数年経っているにも関わらずハーヴィに疑念を抱き、危険を冒してスージー殺害の証拠を手に入れます。

レイも、スージーは死んだと知りつつも約束したデート場所に行き、来るはずのない彼女を待っていました。

そして手紙を偶然拾った霊感少女のルースと友人として付き合い始めます。

ルースもスージーを感じたり、姿が見えたりしていました。

ハーヴィだけは歪んだ感情でスージーのことを忘れていません。

そんな彼ら全員の心の再生を見つめるスージーもまた、死してなお心の成長を遂げていきます。

生前は「憎い」という感情を知らなかったのに、死んでからその感情に突き動かされそうになります。

しかしハーヴィに殺されたのは自分だけではなく、他の犠牲者たちの穏やかな表情にスージーもすべて忘れて天国に行く決心を固めました。

 

サスペンスではあるのですが、基本静かなトーンで進んでいく作品です。

人物たちの内面に焦点を充てているからかもしれません。

そしてジャクソン監督だけあって、自然の風景が壮大で美しかったです。

この風景が心象描写と重なっているから、切なくも美しいストーリーになったのだと思っています。

 

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