映画「泥棒成金」あらすじと感想【ネタバレあり】ヒッチ式ロマンティック・コメディ
ヒッチコック作品では常連のケーリー・グラントとグレース・ケリーが顔を合わせた、ロマンティック・コメディ味が強いサスペンス作品です。
風光明媚なリゾート地、南仏リヴィエラ (コート・ダジュール) を舞台に、英語とフランス語が飛び交うオシャレな映画でもあります。
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あらすじ
リゾート地に集まるセレブたちの宝石類が連日連夜に渡って盗まれている。
戦時中に暗躍した怪盗「キャット」の手口と同じことから、警察は元キャットのジョン・ロビーのところにやってきた。
ロビーは一度服役しているが、戦後はもう足を洗ってカンヌで悠々自適の生活を送っている。
今回のキャットは模倣犯の偽物だ。
ロビーは自分で捕まえようと、警察の手をすり抜けて昔の服役仲間たちが集まっているレストランにやってきた。
しかし彼らの目は冷たい。
支配人のベルタニによると、ロビーがまた盗みを始めたと皆思っていて、それに巻き込まれてまた刑務所に行くことになるかもしれない、と警戒しているという。
ロビーはベルタニに事情を話し、給仕係フサールの娘ダニエルにビーチクラブに連れていってもらう。
無事ビーチに着くとベルタニから連絡が入り、保険調査員のヒューソンを紹介された。
宝石が盗まれまくり、各々に払う保険金が馬鹿にならなくなって彼は困っているのだ。
手を結んだロビーとヒューソンは、ヒューソンの顧客リストの中から、次に狙われそうなスティーブンス母娘に近づいた。
ロビーは偽名を使い、材木商と偽って彼女たちと同席する。
宝石を盗まれても構わない、という母のジェシーのほうを気にかけるが、娘のフランシーが彼に興味を示しだしてきた。
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感想
意外と無駄なシーンを長々とみせるところが多くて、ちょっと冗長な印象を受けました。
ただ、すごく長いカーチェイスシーンは美しい風景をもっとよく見せたい、とか、仮装パーティーのゲストたちが入ってくるシーンなんかは、煌びやかな衣装をたっぷり見てもらいたい、という意図があったんだろうな、と思います。
確かに映画の楽しみはストーリーだけではないですから、冗長なのも悪くはないのかもしれません。
盗まれる宝石類や、食器が配されたテーブル、高級ホテルの外観・内装…
美しいものが多くて、それ見ているだけでも楽しいですものね。
そんな視覚的な楽しみを堪能できますが、ミステリーとしては弱かった。
偽物のキャットの正体を見たロビーが「やっぱりお前か」と言いますが、観ている側もそのセリフ言っちゃいます。
そのくらい分かりやすいです。
ヒッチコック作品だから、サスペンスもしくはスリラー、と構えそうですが、この映画はどちらかというと高級リゾートでのセレブな雰囲気を味わうためのコミカル作品、と見るほうが楽しめると思います。
ただ、グレース・ケリー演じるフランシーがものすごい危険運転をしながら山道を下るシーンがあるんですが、ケリー自身の死因が確か… と思い出してしまって笑えませんでした。
笑わせるつもりのシーンだったんだろうけど、時代が変われば笑いの質も変わるってことですね。
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