映画「ダ・ヴィンチ・コード」あらすじと感想【ネタバレあり】
名画の謎とキリスト教についての謎、そして歴史の謎を絡めて、宗教論争にまで発展させる一大ムーブメントを巻き起こしたダン・ブラウンのベストセラー小説の映画化作品です。
監督はロン・ハワード、主演はトム・ハンクス。
何度もコンビを組んでいる実力派のふたりでこの大作に挑みました。
続編「天使と悪魔」続々編「インフェルノ」でもタッグを組んでいます。
ヒロイン役は「アメリ」のオドレイ・トトゥ。
フランス語訛りの英語がなんか可愛かったです。
刑事役をやってもタフさより可愛らしさが出るのが彼女の特徴ですが、そこが魅力でもありますね。
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あらすじ
閉館後のルーブル美術館内。
必死に逃げる館長ジャック・ソニエールを、オプス・デイ (ローマ・カトリック教会の組織のひとつ) のシラスが追う。
しかしついに追い詰められたソニエールは銃撃を受けた。
ソニエールから必要な情報を得たシラスはその場を去るが、ソニエールは最後の力を振り絞って自らの血・自らの身体を使ってダイイング・メッセージを残す。
ハーバード大学教授で宗教象徴学を専門にしているロバート・ラングドンは、パリで講演会を行なっていた。
その後のサイン会で聴講者たちと言葉を交わしていると、フランス司法警察のファーシュが現れ、ラングドンに同行を願い出る。
殺害されたソニエールが「P.S.ラングドンを探せ」というメモを残していたのだという。
その日はソニエールと会う約束をしていたが、ラングドンはすっぽかされていたのだ。
ファーシュに連れられてルーブル美術館のソニエールの遺体を見させられると、ソニエールはレオナルド・ダ・ヴィンチの素描「ウィトルウィウス的人体図」を模した姿で横たわっていた。
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そこへ暗号解読官のソフィーがやってくる。
彼女はラングドンに電話をかけさせて、ファーシュに分からないようにメッセージを届けた。
ファーシュは専門家としてのラングドンの知識を借りたいのではなく、容疑者としてここに連れてきたのだ。
実はソニエールの孫娘だったソフィーは、あのメモはソフィーに宛てたものであり、ラングドンの協力を得るように伝えるものだとすぐに分かったのだ。
ここでファーシュにラングドンを逮捕させるわけにはいかない。
ラングドンが気づかないうちにポケットに入れられていたGPSを逆に利用してファーシュたちを美術館から離れさせたあとに、ふたりはソニエールの遺体の元に戻る。
彼の遺したメモに書いてあったフィボナッチ数列のアナグラムを読み解き、「モナリザ」に残された暗号文から「岩窟の聖母」の裏に隠されたロザリオを見つけた。
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百合の紋章が刻まれている。
ラングドンたちはファーシュ率いる警官隊から逃れてブローニュの森に入る。
ようやく腰を落ち着けたふたりは、今度はロザリオの謎解きを開始する。
一方、ソニエールから情報を得たシラスは、サン・シュルピス教会にやってきた。
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感想
ソニエールを殺したシラスは、自分の意志よりも、敬愛してやまないアリンガローサ司教の命令により人を殺していきます。
もともと家庭内で暴力をふるう父親を刺して刑務所に入り、そこで聖書を読んで信仰に目覚めていた時期にアリンガローサと知り合いました。
彼はシラスを引き取り教会で生活させてあげた恩人です。
ある日教会に強盗が押し入り、アリンガローサがケガを負います。
シラスは咄嗟に強盗たちを殺してしまうのですが、アリンガローサは「おまえは天使」と言うのです。
その言葉にシラス感激 ( ;∀;)
なにしろシラスは色素欠乏症 (アルビノ) のため、実の父親に「幽霊」なんて言われて虐待されていた青年なのです。
ただでさえ自分に居場所を与えてくれた恩人から “天使” なんて言われたら…
そりゃもう全幅の信頼を置くし、言うことはなんでも聞いちゃう盲目的な愛情も持ちますね。
心にトラウマを持っている人は警戒心が強くなり、なかなか人を信用できなくなる場合があります。
だけどそれを突き崩すのは、案外些細なことかもしれません。
それこそ “天使” のひと言だけとか。
そのひと言によって、全面的に信頼され慕われ、こちらの言うことは何でも盲信してくれるくらい懐いてくれるケースもあります。
また逆に、余計なひと言によって蛇蝎のごとく嫌われてしまうケースも。
言葉は重いものです。
簡単に発することができる分、失言はつい出てしまいます。
これによって普段考えていることがバレてしまうので、人柄がそこに出るのです。
人に慕われるか嫌われるかの境目は、その人が使う言葉から見える “真の人柄” によるものが大半ではないでしょうか。
そしてその人柄に惚れ込んだことで盲信的になって、それこそ殺人すらも崇高な行為だと思い込んでしまい、取り返しのつかないことをしでかす人もいるので厄介です。
それこそシラスのように。
心の琴線に触れる言葉をくれる人がいて、その人を信頼したとしても、盲信的にはならず、間違っていたらNOを言う勇気は持っていたほうがいいと思います。
ソフィーは幼い頃に両親と兄を亡くしています。
それでソニエールに引き取られて育つのですが、ある日両親の死に関連する書物をソニエールの書斎で見つけて読もうとしました。
そこをソニエールに見つかったとき、それまでに見たこともないほど恐ろしい形相で怒られ、机の上のものをぶちまけられて怖い思いをしました。
家族の死になにか秘密があるのならば知りたい、と思っていたソフィーは泣きだしますが、ソニエールはすぐに彼女を寄宿学校に入れて、その真相から遠ざけます。
実はソフィーの身を案じるあまりの行動でした。
大切に思うからこそ怒鳴ったり殴ったりして叱責することはあります。
特に親の場合。
しかし頻繁に怒るのは愛情や躾ではなく、自分の不満を相手にぶつけているだけの行為です。
むしろ愛情とは真逆になります。
DVをする人間は、殴りながら「お前を愛しているからだ」とのたまうときがあります。
言われたほうは普通「それはおかしい」と思うのですが、暴力に支配されてきている人は、その言葉を信じてしまいます。
愛情はむしろ「痛い思いをしたら可哀想」という可愛がる気持ちのものです。
痛めつけることは憎悪からきている、と思って早くその相手からは逃げるべきだと思います。
愛されている、ということは絶対にありません。
愛するがゆえの叱責は、過剰な暴力にはつながりません。
ソニエールもソフィーの身体には危害を加えませんでした。
未だ勘違いしてDVを甘んじて受けている人が勇気を出してくれたら、と願っています。
映画化される前から、その歴史を揺るがす壮大な謎解きに、特集番組が多く作られたり一般の人たちが論陣を張ったりと、大きな社会現象になりましたね。
当時、大ベストセラーで相当面白いと聞いていたので、私も翻訳本買おうかな、と思っていたのですが、洋書コーナーに置いてあったのを見て、つい背伸びして原書版を買ってしまいました (無謀すぎ)
しかも何故か「映画公開日までに読み切る!」と謎のチャレンジを自分に課し、なんとかノルマはこなしましたが、分からないところがあってもそのまま読み進めていたので、あまり楽しんで読めなかった記憶があります。
なぜイキがってこんなバカなことをしたのか… 後悔は残っています。
映画で補完できたから良かったけれど、だいぶ端折ってあるようなので、もっと時間に余裕ができたら今度こそじっくりと読んで、歴史や芸術の深みを味わいたいと思います。
とりあえず映画は結構楽しめました。
時間の関係でいろんなところがカットされたらしいけれど、この手の作品はスピード感が大切だと思うので、それはそれでいいんじゃないでしょうか。
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