映画「アガサ・クリスティー ねじれた家」あらすじと感想【ネタバレあり】
クリスティー自身が、一番満足している作品と言った1949年の原作を、2017年に初めて映画化。
大富豪が殺害され、彼の豪邸で暮らすねじれた性格の登場人物たちの中から犯人を捜すフーダニットの作品です。
グレン・クローズが屋敷内の中心人物を演じ、テレンス・スタンプ、ジュリアン・サンズ、「X-ファイル」のジリアン・アンダーソンらベテランが揃い、そこに若手のマックス・アイアンズが探偵役を担ってます。
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あらすじ
23歳でイギリスに渡り、無一文からレストラン事業を興して一代で財を築いたギリシャ人大富豪アリスティド・レオニデスが死んだ。
毒殺を疑う孫娘のソフィアは、私立探偵のチャールズ・ヘイワードに調査を依頼した。
ふたりは昔カイロで知り合い恋人同士になったのだが、チャールズがソフィアに捨てられて別れている。
そのため心にまだ傷があるチャールズは断ろうとするが、事務所は火の車だ。
秘書に尻を叩かれる形で依頼を受けた。
レオニデスが亡くなったときに臨場したタヴァナー主任警部からまず話を聞く。
同じ警部だったチャールズの父とは友人で、ふたりは気心が知れていた。
検死によると、レオニデスは毒物を注射されて心臓発作を起こしたという。
糖尿病を患っていた彼はインスリン注射をしており、その薬液の中身がすり替えられていたのだ。
容疑者として疑われているのは妻のブレンダだ。
レオニデスは生涯で二度結婚している。
最初の結婚で息子ふたりを儲けるが、前妻は若くして死別。
後妻のブレンダは、レオニデスが年老いてから娶った元ダンサーで、かなり年齢差があった。
彼女を財産目当てと見て、息子たちは反発している。
長男のフィリップは女優のマグダを妻とし、ソフィアは彼らの第一子だ。
他に16歳の長男ユースタスと、12歳の次女ジョセフィンがいる。
チャールズとソフィアの交際を反対したのはフィリップである。
聞き込みをするチャールズに怒りをぶつける。
マグダはフィリップ脚本の舞台のことで頭がいっぱいだ。
ユースタスは完全に無関心で、逆にジョセフィンは事件について探り回りノートまで取るくらい興味津々である。
次男ロジャーと妻クレメンシーの間には子供はいない。
ロジャーは父から継いだ事業がうまくいっていなかった。
レオニデス亡き後、この屋敷の主人になったのが、前妻の姉であるイーディス・デ・ハヴィランドだ。
元々貴族だった前妻の屋敷なのである。
ジョセフィンの乳母も彼女の伝手で雇われている。
そしてこの屋敷にはユースタスの家庭教師ローレンス・ブラウンも同居。
彼はブレンダと愛人関係にある。
チャールズは全員に聞き込みをし、みなに動機やチャンスがあったと考える。
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感想
衝撃的なラストでした。
残された人たちがその後どうしたのか、などは一切描きません。
このフランス映画でよく見る「ぶった切りのラスト」になっているあたり、フランス人監督らしい手腕ですね。
こういう、観客にその後を想像させるショッキングを残したラスト、結構好きです。
犯人が最後まで分からなかったし、面白かったのですが、やっぱりツッコみたくなるところはあります。
ジョゼフィンのノートが途中でなくなり、ある人物によって隠されていたのをチャールズが見つけます。
非常に重要なことが書かれていたのですが…
なんで燃やさなかったんだろう。
そのノートさえなければ完全に証拠隠滅できていたはずなんですよ。
…今じゃなくても、いずれは真相を知ってほしい、という気持ちがあったのかなぁ。
ノート読むまでチャールズも真相が分かっていませんでしたからね。
(チャールズ、有能そうに見えないけど、本当に無能だったんだ)
まあ、このツッコミも後から疑問として湧いてきたものなので、観ている最中は気にせずに楽しめます。
大富豪の屋敷が舞台なので、相変わらず絢爛豪華な雰囲気があるクリスティー作品です。
今回のお屋敷はかなり広大で、数世帯が同居しているのですが、その家族によって部屋の雰囲気が違います。
一番ゴージャスな雰囲気があるのはマグダの部屋で、ピンクを基調にしたブレンダの部屋は家具もドールハウスみたいで可愛い♪
で、一番「いいなぁ」と思ったのがロジャー夫婦のリビングで、白を基調にして青の差し色がある清潔感。
実際に住んだら「汚すの怖え~」と思うだろうけど、理想的なリビングでした。
部屋とか家具・小物類とかに目がいって、チャールズの聞き込み情報をけっこう聞き逃しちゃった。テヘ
私、探偵向いてないわ~(;´∀`)
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