映画「湯殿山麓呪い村」あらすじと感想【ネタバレあり】クズ人間たちの末路
永島敏行さん主演の角川映画です。
即身仏を題材に取ったミステリー作品で、実際に山形県の湯殿山には多くの即身仏が祀られています。
ヒロインを永島暎子さんが演じ、当時まだ中学生の仙道敦子さんも出演しています。
他、織本順吉さん、岩崎加根子さんなどベテランが揃いました。
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あらすじ
大学で教鞭をとっている考古学者の滝は、弥勒寺の地下に埋められている即身仏の発掘に興味を持っていた。
妻子持ちの滝だったが、愛人の淡路慶子を通じて彼女の父・剛造から発掘費用を出してもらえないかと期待する。
しかし発掘したい即身仏が幽海上人と訊いて剛造は援助を拒否。
剛造の妻・謡子の兄で、弥勒寺の和尚・道海も渋い顔をする。
少し前に、ミイラ化した手首が脅迫文と共に送られてきていたのだ。
その夜、淡路邸で滝は一泊する。
慶子の腹違いの妹・能理子の部屋からは、道海の小学生の息子・信也がモデルガンで悪さをしている音が聞こえてくる。
女中の三保は、焼却炉の火が消えていない、という能理子からの連絡を受けて火を消しに行く。
そして彼女は、入浴中の剛造にコップと水差しを持って行き、扉の前に置いておいた。
しばらくして、剛造の入浴時間が長いことに気づいた三保は、風呂場で声をかけるが応答がない。
不安になり謡子に連絡すると皆が集まり、鍵がかかっている扉を壊して中に入る。
剛造は、湯船の中で額に独鈷を突き刺されて殺されていた。
そして彼の肩にはミイラの手首が置かれていた。
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感想
金田一シリーズのような「ガッツリ推理」を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
一応、滝が探偵役のようで、犯人の指摘も彼がするのですが、積極的に推理・解決を図っているわけではないんですよね。
彼にとっては 発掘 > 殺人事件 なんで。
だいたい、探偵と呼ぶにはクズすぎる。
現場になった風呂場の外に落ちていたものが謡子の持っている睡眠薬だと分かるや、彼女を脅して発掘費用を出させてるし。
そもそも不倫男。
大学クビになって、酒乱になって、落ちぶれた慶子を探してアチコチに出没しては暴れ回って、迷惑極まりないったらありゃしない。
こういう人、そと出歩いてほしくないわぁ… ハウス！！
この映画、基本的にみんなクズなんですよ。
滝と不倫している慶子はもちろんのこと、昔々の幽海上人の即身仏も、実は修行を逃げ出して女性と駆け落ちしようとした彼を、周りの僧たちが無理やり閉じ込めたためになったものでした。
剛造・道海・あともう一人の伏原という、今回の被害者三人衆は、疎開してきた母娘に対して非道なことをしてきています。
その母娘の身内の男と謡子は不倫。
ふたりの間に生まれたのが能理子です。
そして【ネタバレあり】だからもう書いちゃうけど、犯人は能理子と信也。
自殺を図った信也は植物人間になり、彼氏が実は兄だと分かり、彼の子を宿した能理子は無理心中を図りました。
そして滝は慶子を殺してしまい…
みんなクズな内面に見合った末路を迎えてしまいます。
ミステリーとしてはかなり弱い作品ですが、おどろおどろしい雰囲気や “ざまぁ” はそこそこ楽しめると思いました。
あー… でも、ウジのドアップを長々と映す悪趣味さは辟易します。
グロ注意です。
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