映画「素晴らしき哉、人生！」あらすじと感想【ネタバレあり】優しい気持ちになるクリスマスの奇跡
1946年製作のファンタジックなヒューマンドラマです。
監督はフランク・キャプラ。
実直な主人公を“アメリカの良心”ジェームズ・ステュアートが、悪役のポッターを有名芸能一家のライオネル・バリモアが演じています。
その昔、アメリカではクリスマスになるとこの映画がテレビで放映されるのが常だったそうです。
 |
素晴らしき哉、人生! デジタル・リマスター版 [Blu-ray] 新品価格 |
あらすじ
とあるクリスマス。
小さな町ベッドフォード・フォールズに、ジョージ・ベイカーの幸せを祈る声が続々と天界に届く。
だが彼は今夜10時45分に自殺しようとする。
そのことを知っている上級天使たちは、まだ翼がない二級天使のクラレンスにジョージを救うように申し付けた。
この仕事をこなせば念願の翼が手に入るので、クラレンスは大喜び。
上級天使たちはまず予備知識としてジョージの人生をクラレンスに教え始める。
ジョージは1919年、12歳のときに氷が張った湖に落ちた弟を助けた際に左耳の聴覚を失った。
アルバイトにはすぐ復帰できたが、勤めていた薬局の店主が薬の調合を間違えたことに気づくが即座に指摘できずに殴られてしまった。
だけど殴られながら真実を話すと、後悔した店主に感謝されて、このミスのことは誰にも言わずにおいた。
そして大人になり同級生たちが大学を卒業する頃、ジョージも学資が貯まって大学に行くことにする。
夢は建築士となって世界中を旅することだ。
弟の高校卒業パーティーに参加し、そこで美人に成長した幼馴染のメアリーと再会する。
いい雰囲気になったのだが、その夜、父が急死してしまった。
貯めた学資は弟の大学進学資金になり、ジョージは父の会社「住宅金融」を受け継いだ。
貧しい人たちに良心的な融資をして住む家を確保してやるこの会社は、多くの人から感謝される反面、この町を完全に牛耳りたい大富豪のポッターという老人には目の上のタンコブだった。
メアリーと結婚し子供たちにも恵まれ友人も多くいるジョージも、ポッターの執拗な嫌がらせや思いがけない不運に打ちのめされる。
そしてクリスマスの10時45分。
橋の上に立って川面を眺めるジョージの隣にはクラレンスが立っていた。
 |
新品価格 |
感想
人間万事塞翁が馬、ということわざがありますね。
誰の人生にも幸・不幸はあります。
不幸のどん底にいるときって、いま当たり前に手にしている幸福に気づくことができなくなります。
「生まれてこなければよかった」と嘆くジョージに、クラレンスは本当に「ジョージがこの世に生まれなかった世界」を見せました。
殺伐としたその世界を見て、自分が生まれた意味をジョージは思い知ります。
夢を叶えられず家業を継ぎ、ポッターによって窮地に立たされたけれど、彼が人生の中で撒いてきた “親切の種” は最後に花開くことになったのです。
クリスマスの奇跡として見せるラストシーンだけれど、実は奇跡は「自分がこれまでの人生で行なってきたこと」が実を結んだ先にあるものなのだと気づかされます。
家族を大切に。友人を大切に。周りの人に優しさを。
“当たり前” を幸せだと気づかせる作品です。
それにしてもメアリーの実家や結婚後のジョージの家の内装が豪華で素敵です(∩´∀｀)∩
どうやらメアリーがDIYでやった、という設定のようですが、アメリカン・カントリー風よりちょっと上流階級寄りの感じで洗練された印象でした。
クリスマスツリーもすごく豪華。
こういうところも見どころがある映画でした。
 |
素晴らしき哉、人生! デジタル・リマスター版 4K Ultra HD ブルーレイ[4K ULTRA HD Blu-ray] 新品価格 |
他フランク・キャプラ監督作品
映画「スミス都へ行く」あらすじと感想【ネタバレあり】“議事妨害” が正義の戦い
他ジェームズ・ステュアート出演作品
映画「フィラデルフィア物語」あらすじと感想【ネタバレあり】結婚前夜の恋のさや当て
映画「めまい」あらすじと感想【ネタバレあり】主人公を……殴りたい
メアリー役ドナ・リード他出演作品
クラレンス役ヘンリー・トラヴァース他出演作品
 |
 |
