映画「テルマ&ルイーズ」あらすじと感想【ネタバレあり】腹を括った女は強いのよ
1991年公開。
女性同士のバディもので、かなり有名な作品ではないでしょうか。
クライムものであり、ロードムービーでもあるし、女性映画でありながら男臭さがある。
いろんな要素を上手く重ね合わせた痛快な作品です。
スーザン・サランドンとジーナ・デーヴィスがW主演で、ふたりを追う刑事をハーヴェイ・カイテルが演じています。
ブラッド・ピットが初めて注目された作品でもあり、まだ20代のブラピの半ケツが拝めるお宝映像があります(*゚▽゚)=3ムハッ
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あらすじ
ウエイトレスをしているルイーズは、同棲している彼氏のジミーと喧嘩をしており、彼が出張に出ている間に親友のテルマと一緒に、プチ旅行で憂さ晴らしをする計画を立てていた。
専業主婦のテルマは、夫のダリルにまだその旅行のことを伝えていない。
ないがしろに扱われ、いつも卑屈な感じで夫に接してきたが、帰りが遅いことの正当化に仕事を盾に使い、専業主婦であることをバカにした物言いをされて腹を立てたテルマは、何も言わないままルイーズの迎えの車に乗り込む。
男ふたりがそれぞれ、がらんどうになった家に戻ったときには、女たちは楽しいバカンスを過ごしている、という算段だ。
行き先はルイーズの勤め先の社長が持っている、山の中のバンガロー。
山に言ったことがないテルマは、何を持って行っていいか分からず、とりあえずランプや拳銃を持っていく。
ふたりとも銃なんて撃ったことがないけれど、念のため荷物の中に入れておくことにした。
結婚以来ずっと旅行など行っていなかったテルマは、すぐに目的地に行くより、寄り道なんかもして旅行気分を味わいたい。
渋るルイーズを説得して、途中にあるバーに立ち寄ることにした。
強めのお酒を注文し開放感ではしゃぐテルマに、地元のナンパ師・ハーランという男が声をかける。
笑顔を振りまくテルマを諫めるように、ルイーズはハーランに厳しい視線を向けて離れさせた。
しかしハーランも、この程度の拒絶には慣れたもので諦めない。
ふたりにもう一杯ずつオゴって、テルマをダンスに誘う。
そしてルイーズが洗面所に行っている隙に、酔って視界が定まらなくなったテルマを外に連れ出した。
人気のない駐車場に来ると、ハーランは本性を表して嫌がるテルマを無理やり犯そうとする。
殴られて鼻血を出して泣き叫ぶテルマを押さえつけるハーランの首元に、銃口が突きつけられた。
ルイーズだった。
抵抗できなくなったハーランから解放されたテルマは、ルイーズの後ろに回り、ふたりは後ずさりながら、車に戻ろうとする。
しかしレイプが未遂になって腹の虫が治まらないハーランは、女性を侮蔑する言葉を言い募ってふたりを刺激する。
やめろと言われても止めずに、さらに言い続けるハーランに、怒りを抑えられなくなったルイーズは、発作的に引き金を引いてしまう。
弾丸は見事に心臓に命中し、ハーランは即死した。
パニックになったふたりは、急いで車に乗り込んで猛スピードで走り去った。
テルマが警察に出頭しようと提案するが、ルイーズは信じてもらえるわけない、と反発する。
バンガローには向かわず、ルイーズはメキシコに逃げることにした。
テルマはそれに付き合うか降りるか、決めかねている。
ハーランの遺体はすぐに見つかって警察が呼ばれた。
目撃情報があったため、ふたりの犯行であることと、車種が特定された。
担当警部のハルは、ふたりを追いながらも、救いたいと考えていた。
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感想
テルマもルイーズも、共にお互いの彼氏・夫には内緒でバカンスに出かけます。
喧嘩中だったり、ないがしろに扱われていたり、不満が溜まっていたふたりは、軽い復讐に「ざまあみろー♪」と爽快感を味わいました。
普段は家事をしたり、甲斐甲斐しく世話を焼いたりしていた自分たちが突然いなくなった。
さぞかし困ることだろう。
もしかしたら「愛想をつかして出て行ったんじゃ」と不安に駆られるかも…
そんな想像をしてふたりは大笑い。
彼らがそんな状況になっているなか、自分たちはバカンスを満喫するんだもんねー♡と言って、男たちにお灸を据えることにしたのです。
しかし現実は…
ジミーは確かに、帰宅したらルイーズがいなくなっていて心配していました。
でもダリルのほうは、特にテルマの不在に困った様子はなく、宅配のピザを食べながらテレビを観てグータラしている有り様です。
実際そんなものなんですよね(;^ω^)
いつも身近でいろいろと世話を焼いていると「この人は私がいないとダメなんだから」と思うようになり、自分がいなくなったら絶対に困るはず、と思い込んでしまいます。
というか、そうあってほしい、という願望が出てきてしまうようなのです。
だけど本当に自分がいなくなっても、世の中は便利なので、パートナーが困る、ということは、まずありません。
自分が必要とされていない、と傷つくかもしれませんが、いなくなってもパートナーはなんとか生きていくものなんです。
だから、いきなりいなくなって自分のありがたみを再確認させてやろう、と考えても思惑が外れることがあります。
相手は子供でもペットでもありません。
自立していることが当たり前の“大人”であるはずです。
何でもかんでもやってあげてありがたみを感じさせるより、むしろある程度ほったらかしにして、お互いに自立した関係であるほうがいいように思います。
楽しく気ままな女ふたり旅。
陽気に始まった旅行ですが、寄り道したい、というテルマの気まぐれから、思いがけず犯罪者となって逃避行に変わりましたが、その間ふたりは幾度となくケンカします。
急にその場で計画外のことを言い出して予定を狂わせる人物。
行動のペースの違い。
仕切りたがる人のごり押しと、そこに協調できない人との対立。
トラブルが起きたときの責任の所在。
友人同士の旅行には、こういったイヤな思いをすることが多々あります。
一緒に旅行に行ってケンカになり、もう友人を辞めた、という経験をしたり、見聞きしたりすることはないでしょうか?
日常では気が合う同士で楽しく過ごしていても、長く一緒にいる旅行では普段の姿がどうしても出ますし、意見の食い違いなどもあります。
楽しい旅行のはずなのに気を遣わないといけないところもあり、心身が消耗することも。
私自身、何度か友人との旅行で苦い経験をしたことがあり、今は日帰り以外の旅行は、家族かひとり旅、と決めています。
できれば気を遣わずとも足並みをそろえられる友人がいれば一番いいんですけどね。
そういう人とはなかなか巡り合えない(;´Д`)
主人公ふたりは、元々は犯罪などと縁のない普通の女性たちです。
しかし追い詰められたことで強くなり、もう、そんじょそこらの下品な男は返り討ちにするくらい逞しく成長していきました。
彼女たちが強くならざるを得なかった背景が分かるから、ハルは彼女たちに同情を寄せて助けたい、と思います。
本当は傍にいて寄り添ってやりたかったのでしょうね。
観ている側の人間の感情を代弁してくれているのがハルの役割です。
しかし二人にとっては、そのハルの同情すらもいりません。
ハーランを殺してしまってパニックになった最初の犯罪から、紆余曲折を経て、「メキシコまで逃げ切る。そのためには何でもやる」と覚悟を決めてからは、ふたりとも芯の通った人間だけが持つ迫力が出てきます。
「どんなピンチが来ても、絶対に乗り切ってやる」と決める心。
腹をくくった人間は強いです。
たとえそれが普段は弱っちく見えてバカにしている女性であってもです。
舐めるととんでもない返り討ちがやってきますので、ケンカを売るなら覚悟が必要。
この強さがあるからスカッとした爽快感がある、気持ちのいい作品に仕上がっています。
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