映画「さよならをもう一度」あらすじと感想【ネタバレあり】人の本性は変わらない
フランスの国民的作家フランソワーズ・サガンの原作を映画化。
イングリッド・バーグマンが、イヴ・モンタンとアンソニー・パーキンスの間で揺れる恋愛映画です。
新品価格 |
あらすじ
バツイチのインテリアコーディネーター・ポーラは、現在パリのアパートで自由な生活を楽しんでいる。
終業後、急いで帰宅して恋人のロジェとのデートの支度をするが、ロジェから電話がかかってきてキャンセルになってしまった。
落胆するポーラだが、互いにバツイチで結婚は望んでおらず、彼が他の女性とデートすることも自由だと認めている。
彼女ももう束縛は懲りていて、自由が一番だと公言しているのだが、女中のギャビーからは、男性側に都合がいい「不公平な自由」と苦言されてしまう。
デートは翌日となり、ふたりでドライブを楽しんだ後、ロジェから仕事を紹介してもらう。
翌朝、ポーラは紹介先の邸に出向いた。
旅行好きのアメリカ人未亡人ヴァン・デル・ベシュ夫人が、パリにいる間だけ滞在している邸である。
夫人に面通しする前に、息子のフィリップと顔を合わせた。
弁護士事務所で働いているが、仕事にやる気がないドラ息子である。
ポーラに興味を持ったフィリップは、夫人との打ち合わせを終えたポーラを待ち伏せていた。
車で職場まで送ってもらう道中、25歳のフィリップに対し40歳だと打ち明けると、冷やかしのような口笛を吹かれてしまった。
フィリップは食事に誘うが、ポーラは断る。
その夜、ポーラとロジェがダンスホールでデートしていると、フィリップもそこに来ており、二人のテーブルまでやってきた。
新品価格 |
感想
バーグマンが不倫に走るきっかけになったのって、メロドラマのヒロインばかりやらされていることが不満で、もっと社会派の作品に出演したい、という気持ちが募っていたときにロッセリーニの「無防備都市」を観たことが始まりなんですよね (・ω・)
だからその不満を持っている頃なのかな、と思ったら、ロッセリーニととっくに離婚していた1961年の作品でした。
あんなに嫌がっていたのに心境の変化があったのでしょうか。
ものすごくメロドラマです、この映画。
結婚は望まずロジェと関係も自由恋愛だと悟ったように言うポーラですが、実はロジェの浮気&デートのドタキャンには傷ついています。
そこへ言い寄ってくる若いフィリップに惹かれるのですが、これはこれでダメ男。
元から仕事にやる気がない上、ポーラと付き合いだしたら欠勤を続け、しまいには退職してしまいます。
ヒモになりたくてポーラに近づいたんじゃないかと邪推しちゃいますね。
そもそも会社にいるときから、社長相手に「ぼくは何のために生きているんだろう?」といきなり哲学語りだして、社長ドン引き。
しかも愛を語る。
これは… 社長の引きっぷりも含めて岡田あーみん作品に出てくるナルシストキャラに見えてきました!
苦悩するポーズや表情がもっと大げさだったら完璧です。
そしてストーカー。
ポーラの行く先々で待ち伏せ攻撃していて (「サイコ」のアンソニー・パーキンスだから余計に) 恐怖なのですが、この時代はストーキングが愛の証ってことで、ポーラもまんざらでもない表情を浮かべて受け入れます。
もっとも、顧客の息子さんでは強く拒絶することもできないですけど (;´∀`)
ちなみに顧客であるヴァン・デル・ベシュ夫人役のジェシー・ロイス・ランディスさん。
「北北西に進路をとれ」ではケイリー・グラントのお母さん、「泥棒成金」ではグレース・ケリーのお母さんを演じ、いずれもチャキチャキした肝っ玉母さんなんですが、今回の役が一番騒がしくて忙しないw
さてさて、浮気相手と続いているロジェと別れてフィリップと付き合うも、ダメヒモ男ということで魅力的に映らなくなってしまいました。
高級レストラン「マキシム」に、記念日だと言って連れてきたので、よくよく聞いてみると「退職したから」という身勝手ぶり。
そこではロジェも来ており、ダンスタイムで互いのパートナーに知られないようにこっそり手を握り合って、復縁の兆し。
ロマンティック演出なんだろうけど、姑息だな~ ( ̄▽ ̄)
結局、ロジェと元サヤで、ポーラはフィリップに別れを告げます。
子供みたいに拗ねるフィリップを、オカンのように諭すポーラ。
ほらほらほら~、そういう甘い顔するから都合のいい女になる~
そしてフィリップは外国へ行き、ポーラとロジェは再婚しました。
幸せな結婚生活のはずですが… なんと冒頭と同じことが起きます。
浮気者は浮気者のまま。
どんなに反省したと見えても、しょせん本性は変わらない。
そんな辛辣なラストに、恋愛の真理を突いているな、と感じました。
中古価格 |
他イングリッド・バーグマン出演作品
映画「ガス燈」あらすじと感想【ネタバレあり】ファッションも目を惹く心理サスペンス
映画「白い恐怖」あらすじと感想【ネタバレあり】ヒッチコックのサイコ・サスペンス
映画「カサブランカ」あらすじと感想【ネタバレあり】時が経ってもぶり返す感情
映画「オリエント急行殺人事件」(1974年版) 感想【ネタバレあり】
映画「誰が為に鐘は鳴る」あらすじと感想【ネタバレあり】長い3日間
映画「汚名」あらすじと感想【ネタバレあり】アブない美女は外せない
映画「秋のソナタ」あらすじと感想【ネタバレあり】バーグマン最後の映画出演作
映画「別離」(1939年) あらすじと感想【ネタバレあり】バーグマン渡米第一作目の不倫もの
他イヴ・モンタン出演作品
フランス映画「恐怖の報酬」あらすじと感想【ネタバレあり】脳裏にチラつくリンダの…
映画「愛と宿命の泉 Part.1 / フロレット家のジャン」あらすじと感想【ネタバレあり】
映画「愛と宿命の泉 Part.2 / 泉のマノン」あらすじと感想【ネタバレあり】
他アンソニー・パーキンス出演作品
映画「サイコ」あらすじと感想【ネタバレあり】BGMで心臓注意
他ジェシー・ロイス・ランディス出演作品
映画「泥棒成金」あらすじと感想【ネタバレあり】ヒッチ式ロマンティック・コメディ
映画パンフレット 追憶のラヴ・ロマンス・ウィーク 哀愁 めぐり逢い さよならをもう一度 心の旅路 中古価格 |
中古価格 |