映画「用心棒」あらすじと感想【ネタバレあり】時代劇の粋に酔いしれる
黒澤明監督×三船敏郎主演コンビの最高傑作と謳われる痛快娯楽時代劇です。
仲代達矢さんが三船さんの前に立ちふさがります。
名バイプレーヤー東野英治郎さんが狂言回し的な役割を演じます。
 |
新品価格 |
あらすじ
殺風景な宿場町に、ひとりの流浪人がやってきた。
飯屋に入ろうとしたところで、番屋から出てきた十手持ち・半助が声を掛けてきた。
用心棒の口利きをする、という。
一方は女郎屋の清兵衛一家。もう一方は宿屋の丑寅一家。
このふたつのヤクザ勢力が争っている現状で、どちらか選べというのだった。
浪人は丑寅一家の前まで行って挑発されるが、様子だけ見て踵を返す。
飯屋に入ると、閑古鳥が鳴いている店の主人は無料で飯を食わせてくれた。
すると隣から釘を打つ音が鳴り響く。
隣の桶屋は最近、棺桶を作るようになり景気がいい。
この町でヤクザ組織が二分されている事情を飯屋から聞き、その殺伐とした状況を気に入った浪人は、この町に腰を据えることにした。
浪人は清兵衛一家に出向き、自分を用心棒にどうだ？ と売り込む。
そして腕前を披露するため、丑寅一家の若い衆を三人、斬り伏せた。
渋る清兵衛から五十両で用心棒を承諾するが、清兵衛と妻りんは、抗争が済んだら自分を殺すつもりでいることを盗み聞きする。
素知らぬ顔で戻り、清兵衛に名前を聞かれた浪人は、窓から見える桑畑を見て「桑畑三十郎」と名乗った。
そして清兵衛は、昼のうちから丑寅一家に殴り込みをかけると宣言。
丑寅一家の方も迎え撃つ準備を整えており、先陣を促された三十郎だが、土壇場で用心棒を降りる。
そして丑寅一家にもそう伝えて、火の見櫓で高みの見物を決め込んだ。
双方へっぴり腰で対峙する中、八州廻りが来たために解散となった。
抗争で互いに大ダメージを与えてこの町を平和にしようと考えていた三十郎の思惑は外れてしまった。
八州廻りが滞在中、丑寅の弟・亥之吉とりんが飯屋にやってきて、どちらも三十郎を自分のところの用心棒に雇おうと小競り合いを見せつける。
さらには丑寅自身がやってきて、三十両で雇うと申し出たが、清兵衛にも話を持ちかけてみてそれから決める、と三十郎はもったいぶった。
八州廻りも去り、また抗争が始まると思いきや、両一家が手打ちになったと聞いて三十郎は焦る。
 |
新品価格 |
感想
かっこいいですねー！
吹きすさぶ木枯らし。
舞い踊る落ち葉に翻る着物の裾。
その中を、ひとり歩く浪人の姿に、時代劇の粋を感じます。
そして腕を袖の内側に隠し、懐から手を出して顎を撫でたり胸を掻いたり…
清潔感がある動作ではないのですが、なぜかカッコいい。
時代劇の主役はこうでなければ！ と思わせます。
この仕草は洋画では見られない、日本ならではのカッコよさですね。
手打ちと聞いて三十郎が焦った理由は、さらにデカい抗争になることを予想してのことでした。
博打打ち同士の仲直りとは、結果そういうことになるものなんだそうです (・∀・)ﾍｰ
これを考えたのは丑寅一家の末の弟・卯之助。
ウサギを名前にしていて、飯屋なんて「ウサギの皮を被った山犬だ」と言ってましたが、仲代達矢さんです。
誰もウサギなんて思いません。思うわきゃない。
ウサギの皮を被っても山犬だと丸わかりの卯之助はずっと旅に出ていて帰ってきたばかり。
何処に行っていたか分かりませんが、舶来品の銃を常に懐に忍ばせており、事あるごとに見せびらかしている危険人物です。
三十郎の嫌な予感は的中し、清兵衛一家と丑寅一家は互いに人質を取る姑息なケンカに発展。
清兵衛一家に人質に取られていた女性おぬいは、丑寅のバックに付いている造酒店主人の情婦です。
情婦なんだけど、元は農夫の妻で、幼い息子と三人で慎ましく暮らしていたのを、美貌のために目をつけられてしまった女性でした。
気の毒なこの家族を助けたことで三十郎は丑寅一家のリンチに遭います。
このリンチしてる俳優さん、観ている間ずっとジャイアント馬場さんと勘違いしていました… (;^ω^)
「殴る」というセリフを聞いて「いやいや、あなたの得意技は “蹴り” でしょ。十六文キック忘れてないわよ」とか思ってたんですが、別人だと知って驚きです。
そして三十郎の奸計で丑寅一家が清兵衛一家を潰しましたが、三十郎はリンチに遭い、世話になった飯屋が捕まってクライマックスです。
刀が武器のため近接戦闘オンリーの三十郎が、卯之助の飛び道具相手に苦戦するかと思いましたが、意外とアッサリ片がつきました。
卯之助、撃ち慣れてなかったみたいです (￣▽￣)
この町の悪を一掃して去って行く三十郎。
最後までカッコいいーー！
 |
用心棒 4Kリマスター 4K Ultra HD Blu-ray [Blu-ray] 新品価格 |
他 黒澤明 監督作品
映画「羅生門」あらすじと感想【ネタバレあり】底にあるのは所詮エゴ
映画「七人の侍」あらすじと感想【ネタバレあり】少年漫画の原形っぽい映画の教科書
映画「隠し砦の三悪人」あらすじと感想【ネタバレあり】スター・ウォーズ誕生
他 三船敏郎 出演作品
映画「西鶴一代女」あらすじと感想【ネタバレあり】流されてジェットストリーム
映画「柳生一族の陰謀」あらすじと感想【ネタバレあり】寄り目で大見得ラストシーン
他 東野英治郎 出演作品
映画「女優 須磨子の恋」あらすじと感想【ネタバレあり】恋は人を弱くする？
他 山田五十鈴 出演作品
「疑惑」あらすじと感想【ネタバレあり】“別れのワイン” はぶっかけ合い
他 仲代達矢 出演作品
映画「鬼龍院花子の生涯」あらすじと感想【ネタバレあり】父娘関係を考えさせる任侠物
映画「女王蜂」あらすじと感想【ネタバレあり】いじめられっこ金田一の功績
他 司葉子 出演作品
「獄門島」あらすじと感想【ネタバレあり】依頼を果たしてないぞ金田一
|
新品価格 |
