映画「隠し砦の三悪人」あらすじと感想【ネタバレあり】スター・ウォーズ誕生
三船敏郎さん主演の黒澤明監督作品です。
この作品で千秋実さんと藤原釜足さん演じる百姓コンビが、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクター・C-3POとR2-D2のモデルになっています。
キャラ造形だけではなく「命を狙われている姫を守る」というストーリー展開からも、いかに影響を与えたかがよく分かります。
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あらすじ
秋月領と山名領とで激しい戦が繰り広げられ、山名の勝利で終わった。
戦に参加したものの何も成果を挙げられず、不貞腐れながら村に帰る百姓の太平と又七だが、ケンカをして別々の道を歩いて行く。
太平が選んだ道では、秋月と同盟を結んでいる早川領にある村へは関所が築かれてしまい真っ直ぐに帰ることができなくなった。
そして又七は、町中で「秋月家の後継・雪姫を捕らえた者は金5両」というお触れを目にした。
居所を教えるだけでも金3両である。
目を輝かせる又七だが、山名の武士たちに追われて落城した秋月家の地下に無理やり入れられる。
そこで太平と再会した。
隠し財産の金を掘れ、と命じられるが、数百人はいる他の仲間たちと共に一斉に逃げ出す。
数人が銃で撃たれて亡くなる中、二人は途中の窪みに身を隠して怯えていた。
しかし銃撃も収まり、敵がいないことを確認して、二人は山の方に向かう。
そして野宿のために拾った薪から、秋月の紋章が入った金塊が現れた。
驚くふたりは、他にも金塊入りの薪を拾い、どちらも自分が独り占めしようとまたケンカになる。
そこへ屈強な男が現れた。
彼は秋月家の侍大将・真壁六郎太だという。
ふたりの帰宅ルート・今いる秋月領から一度敵の山名領に入って早川領に抜ける、というアイディアを気に入った六郎太は、ふたりに薪を運ばせる。
山の中に入ると、気の強い女性と遭遇。
追いかけ回すが、六郎太に牽制されてしまった。
彼女こそが賞金首になっている雪姫であり、六郎太はお家再興のため彼女と金塊を守って早川領に向かっているのだった。
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感想
三船アクションの凄さよ… ( ﾟДﾟ)
全速力で疾走する馬を、両手放しで乗ってます。
その後に続く、藤田進さん演じる田所兵衛との戦いでも、二人ともオーラ全開の緊迫感。
たっぷり尺を取って重そうな槍を振り回していました。
全体的にコミカルな中だからこそ、中盤のこのシーンはピリッと引き締めて映画の質を高めていますね。
そのコミカル担当・太平と又七。
何かにつけてケンカしたり仲直りしたり、またケンカしたり… という凸凹コンビです。
モデルになったとはいえ、C-3POとR2-D2とは毛色がちょっと違っています。
だって二人ともうるさいんだもんw
無口でクールなR2とはえらい違いです (ドロイドだから当たり前)
六郎太に対しても「おめぇ、ふざけんな！」と反発していたくせに、ピンチになると「兄貴ぃ～」と泣きつくヘタレ。
しかも従順に見せかけといて、隙あらば金塊ガメて逃げようとしたり、雪姫を襲おうとしたり…
余りなことに六郎太から一回、ビンタされてしまいました。
「三悪人」のタイトルどおり、小悪党なんだけど、なんか憎めないコンビです。
最後は二人そろって牢屋に入れられ、またもや「あの世でも仲良くしてくれよな～」「もちろんだよ～」というやり取り。
で、こういうこと言った後は必ず醜い理由でケンカするのですが、最後にはもらった小判を「お前持ってろよ」「いやいや、お前が持ってろよ」と仲良く分け合う気持ちを持つ大人に成長。
見ているだけでニヤニヤしてしまうキャラたちでした。
上原美佐さん演じる雪姫の、腹から声を出しているだけの一本調子な演技と、そのわりに聞き取りづらいキンキン声だけは参りましたが… (;^ω^)
雰囲気は合っていますし、彼女が助ける村娘の役どころもいい感じです。
ストーリーもアクションもユーモアも良い、楽しい娯楽作でした。
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