映画「女は女である」あらすじと感想【ネタバレあり】ゴダール式ミュージカル・コメディ
アンナ・カリーナを主演に起用したジャン = リュック・ゴダール監督の長編三作目です。
彼女を取り巻く男性を、ジャン = クロード・ブリアリとジャン = ポール・ベルモンドが演じました。
ジャンヌ・モローがカメオ出演しています。
あらすじ
ストリップ・バーでシンガーをしているアンジェラは、恋人のエミールと同棲中である。
エミールの友人アルフレッドにしょっちゅう言い寄られているが、エミール一筋のアンジェラは相手にしない。
子供が欲しいアンジェラはエミールにそう言ってみる。
しかしまだ身を固める決心がつかないエミールにその気はなく、アンジェラはムクれてしまう。
ケンカが多くなってきたふたりの仲はこじれていき、エミールのほうからアルフレッドにアンジェラと子供を作るように言ってみたり、アンジェラは故郷のデンマークに帰国するとまで言い出す。
平行線の状況にムシャクシャしてしまい、アンジェラはアルフレッドと、エミールはアンジェラの同僚と寝てしまう。
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感想
他愛無い話ではあるんですが、雰囲気や行動がキュートなため、ゴダールにしては観やすい映画だと思います。
子供が欲しい・まだ早い、でケンカするアンジェラとエミールですが、深刻なものではなく、お互いに拗ねてたりふくれてたりする程度で、暴力を振るったりはしていないので、観ているほうは「可愛いな」とニヤニヤ。
「もう口きかない」と宣言しても、言いたいことがあれば本棚から数冊抜き出して、辛辣な言葉を相手に見せる、という子供みたいなケンカ。
このシーンのときのアンジェラのヘアスタイルが、縦ロールをハーフツインテールにしていて幼さがあるんですよ。
そこへフロアランプを日傘のように持って本棚までトコトコ行くから本当に可愛らしい。
部屋の装飾にしても、キッチンはカントリー風で棚にギンガムチェックの布を見えるように敷いてジャムなどの瓶を並べていたり、リビングにはアールデコ風のドレッサーが置いてあったり、小物使いに目を走らせました。
担当したのは「シェルブールの雨傘」でもセンスを発揮した美術スタッフ、ベルナール・エヴァンと聞いて納得しました。
60年代らしいレトロでキュートなセンスが光っています。
アンジェラの普段のファッションも可愛く、エミールが「チェック柄のスカートは似合わない」と言っていましたが、いや、そんなことなかった。
マゼンタ色の薄手のセーターにとても合っていましたよ。
柄もだし丈もちょうどいい♡
ストーリー云々よりも、こういう可愛いセンスを楽しむ映画だと思いました。
ゲリラ撮影だったみたいで、数分に渡る街中を行きかう人達の映像では大勢の人たちがカメラをガン見していました。
当時のパリの日常風景が楽しめます。
ゴダールでは珍しい明るい作風の今作、実はかなり好きな映画です。
再見してまた好きになりました♪
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