映画「ゴッドファーザー」あらすじと感想【ネタバレあり】血は水よりも濃し
フランシス・フォード・コッポラ監督の代表作にして名作です。
主演のマーロン・ブランドがアカデミー賞主演男優賞に選ばれましたが受賞を拒否したことでも有名ですね。
彼の後を引き継いでドンになる息子役を、まだ新人だったアル・パチーノが抜擢され一躍有名になりました。
他にジェームズ・カーンやロバート・デュバル、ダイアン・キートンなどが重要な役柄を演じます。
主題曲はニーノ・ロータ作曲の「ゴッドファーザー 愛のテーマ」で、こちらも有名です。
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あらすじ
1945年。
ニューヨークの五大ファミリーの一角であるイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」のドン、ヴィトー・コルレオーネの娘コニーの結婚式が華々しく行われた。
賑やかなガーデンパーティーをよそに、ヴィトーは長男で後継者のソニー、養子で相談役に重用しているトム・ヘイゲンらと共に執務室にいた。
馴染みの葬儀屋から、娘を凌辱しておいて軽い罪で済ませている男たちを殺してほしい、と頼まれる。
ヴィトーは難色を示すが、葬儀屋が自分を「ゴッドファーザー」と呼びファミリーへの忠誠を誓ったことでその依頼を受け入れた。
この仕事は、幹部で暗殺に長けているクレメンザに一任する。
新郎新婦を囲んで家族写真を撮ろうとするが、三男のマイケルがまだ来ていない。
彼だけはファミリーの仕事には関わらず、戦争の英雄になった。
この先もヴィトーの望み通り堅気の世界で活躍する予定である。
ようやくマイケルが恋人のケイを伴ってやってくるが、ヴィトーたちはまた執務室で仕事中だった。
殺し屋のルカからの忠誠を受け、俳優で歌手のジョニーから映画出演の手配を頼まれる。
ジョニーの件はトムが任され、後日ジョニーの出演をさんざん突っぱねるプロデューサーの愛馬の首を、就寝中の彼のベッドに入れることで脅して承認させた。
宴もたけなわとなり、無事家族写真も撮り、ヴィトーとコニーのラストダンスで結婚式は終わった。
新郎のカミロをファミリーに入れることは、ヴィトーは拒否している。
麻薬ビジネスに手を染めているソロッツォという男がコルレオーネ・ファミリーと手を組みたがっていた。
この男のバックにはタッタリア・ファミリーがついている。
しかし麻薬を毛嫌いしているヴィトーは、会談の席でキッパリと断った。
そのことで恨みを買い、ヴィトーはタッタリアの襲撃を受けて瀕死の重傷を負う。
マイケルが見舞いに行くと、見張りがひとりもいない。
危機を察したマイケルはヴィトーの病室を移し、案の定トドメを刺しに来たタッタリアの部下たちを、居合わせたパン屋との協力でやり過ごす。
しかしタッタリアと繋がっている悪徳警部に殴られ、この男とソロッツォを殺す覚悟を決める。
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感想
子供の頃、両親と一緒に観ていて、マフィアのシノギのこととか「わかんない。つまんない」と思っていたところで馬の生首シーンが飛び込んできて悲鳴上げて泣き出して視聴を断念したことがある映画です。
さすがに大人になってグロにも少しは耐性がつき、裏社会のことも映画や漫画やゲームなんかで少しは分かったつもりにもなってきたので、この名作を再び観てみることにしました。
すごく面白かったんですね…
三時間があっという間。
無駄はないけど丁寧な描き方で、堅気のマイケルがドンになるまでの変容がスムーズです。
大学を卒業し国のために戦功を立て、真面目に生きるつもりでもヴィトーの血を一番色濃く受け継いでいたのはマイケルだったのだと納得がいきます。
まさに血は水よりも濃し、ということで環境が揃えばヴィトー同様の冷酷さや計算高さが表面に現れ、でもファミリーを大切にする情の深さも持ち合わせていました。
裏切りと粛清の応酬。
それに翻弄される周囲。
当事者だけではない人間ドラマの濃さに、思いっきりのめり込みました。
アポロニアが殺されてケイに再び言い寄るマイケルの変わり身の速さには引きましたけど。
何をシチリア島での結婚をなかったもののように振る舞ってんだか。
そして当時まだ50歳前だったマーロン・ブランドの貫禄。
老いて弱った演技でもドンとしての威厳を醸しだすあたり、やはり演技では天才というか器用な人だと感じます。
どちらかというとドンパチするより重厚な雰囲気で進むのですが、ここぞというところでは過激なバイオレンス描写で息を呑ませる緩急が観客を引っ張る力になっていると思いました。
洗礼式という清廉で厳かなシーンの合間合間に血生臭いシーンを入れるセンス…
マフィアの怖さを際立たせている演出です。
一大叙事詩にふさわしい、すごい作品でした。
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