映画「パリの灯は遠く」あらすじと感想【ネタバレあり】同じ名前で運命逆転
セザール賞作品賞&監督賞を受賞したジョセフ・ロージー監督のミステリー作品です。
主演はアラン・ドロン。
「セリーヌとジュリーは舟でゆく」のジュリエット・ベルト、「ジャッカルの日」のミシェル・ロンスダールが助演に回り、ジャンヌ・モローも少しだけ登場します。
あらすじ
1942年1月。パリもナチ占領下に置かれていた。
暗い世相のなか、美術商のロベール・クラインは恋人のジャニーヌと一緒に裕福な暮らしをしている。
彼は、国外に逃亡するユダヤ人たちが逃走資金用に売りにきた美術品を安く買い叩き、オークションで売りさばいているのだ。
しかしある日「ユダヤ通信」という新聞が彼の元に届く。
ユダヤ人同士の情報交換に使われている機関紙である。
なぜ純フランス人の自分のところに届いたのか分からず、ロベールは編集部に出向いた。
すると「ロベール・クライン」という同姓同名のユダヤ人がいることが分かった。
クライン氏のアパートに行ってみると、家主の中年女性が2人の刑事と話している。
刑事はどうやら姿をくらましてしまったクライン氏を追っているらしい。
家主がはじめロベールのことをクライン氏と間違えたため、刑事に疑いの目を向けられてしまった。
今は借り手を探している元クライン氏の部屋の内覧を頼み、部屋に入れてもらう。
彼が残していったものから、クライン氏は犬を飼っていることが分かった。
そして現像フィルムが本の間に挟まっていたので、ロベールは写真屋で現像を頼む。
そこにはサイドカーに犬を乗せた女性が写っており、彼女がクライン氏の恋人だと分かった。
翌日、またクライン氏と間違えられて配達された手紙がロベールに届いた。
フロランスと名乗る女性からのラブレターだった。
ロベールは彼女に会うことにする。
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感想
同姓同名のユダヤ人がいることで自分がその人だと間違われる恐怖。
そのためにフランス人である証明書を手に入れようと奔走するのですが、その過程でユダヤ人のクライン氏と会う必要ってないと思うんですよね。
ロベールがクライン氏を追う理由が分かりませんでした。
姿を見せないクライン氏ですが、ロベールを嵌めようとしている悪意はチラチラあったの…かな?
ユダヤ人狩りから逃れるためにロベールと入れ替わることを画策していたようなのです。
だから「ユダヤ通信」が届いたし、手紙も来ました。
最後の最後に、入れ替わりは成功。
釈放となるクライン氏に替わってロベールはアウシュヴィッツ行きの列車に詰め込まれて去っていきます。
友人ピエールの助力で逃げることができたはずなのに、クライン氏に会おうとしたことで破滅する皮肉。
何がしたかったのかな、ロベール…
会ってどうしようというんだろう、とずっと不思議でした。
反対にクライン氏は、足元を見られて美術品を買い叩かれて泣き寝入りした同胞たちの仇を討った (そのつもりがあったのかは不明だけど) 上に自由を手に入れて幸運でした。
皮肉の効いた面白いプロットだと思いますが、終始淡々としていて退屈だったことや、説明を省いているため分かりづらくなっている点もあり、残念ながらあまり楽しめませんでした。
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