映画「黒いチューリップ」あらすじと感想【ネタバレあり】アラン・ドロンの一人二役
主演のアラン・ドロンが一人二役を演じた冒険活劇映画です。
「花咲ける騎士道」「華麗なる対決」のクリスチャン = ジャックが監督。
原作はアレクサンドル・デュマ (大デュマ) ですが、大幅に変えてあります。
今回はドロンの吹き替え声優だった野沢那智さんの没後5年の節目に販売された4Kデジタル版で視聴しました。
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あらすじ
フランス革命の勃発が間近に迫っていた頃。
「黒いチューリップ」と名乗る義賊が、国外に逃げようとする貴族の馬車を襲っては金品を強奪する事件が多発していた。
憲兵隊長のラ・ムーシュは、必ず犯人を捕まえるように突き上げを食らっている。
そこで一計を案じ、偽装作戦で「黒いチューリップ」を引き寄せた。
馬車から出てくる憲兵たちとの戦いになり「黒いチューリップ」はラ・ムーシュとの一騎打ちで頬に傷を負った。
相棒ブリニョールと共に隠れ家に戻った「黒いチューリップ」は仮面を外し、傷の手当てをする。
その正体は伯爵のギヨーム。
貴族ながら王政に反発し平民の味方をしているのである。
しかし顔の傷は深い。
このままでは伯爵として社交界に出た途端にバレて捕まってしまう。
そこでギヨームはブリニョールに頼んでパリから双子の弟を連れてきてもらった。
弟のジュリアンはギヨームと瓜二つだった。
違いは顔に傷がないことだけ。
元々平民寄りのジュリアンは「黒いチューリップ」が兄だと知って誇らしい。
ギヨームはジュリアンに替え玉を頼んできた。
リモーニ公爵のパーティーに、ギヨームとして参加するように言われたジュリアン。
公爵夫人はギヨームと不倫関係にある、とも聞かされて驚くが、兄のために出席することにした。
しかし町の広場で馬が言うことを聞かなくなり、必死にしがみつくジュリアンを民衆は大笑い。
皆ギヨームだと思っているので、普段スマートな彼の無様な姿が珍しいのだ。
ついに落馬してしまい、膝をすりむいてしまったジュリアンに花嫁姿の女性が駆け寄った。
これから自身の結婚式にも関わらず、カロリーヌというその女性はジュリアンの手当てをしてくれる。
ギヨームのフリをしているジュリアンだが、一目でカロリーヌに心惹かれるのだった。
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感想
吹き替えのせいもあるのでしょうか…
60年代とはいえ、ナレーションやセリフ回しにとても古さを感じます。
「太陽がいっぱい」よりも後の作品というのが、ちょっとにわかに信じられないくらい古臭い (;・∀・)
まずそんな印象を持ちました。
ですが冒険活劇らしさに満ちています。
黒づくめの衣装のドロンが愛馬を駆り剣をふるい、BGMは活気があり、アンリ・ドカエの撮影が映えてます。
ヒロインのカロリーヌも剣術の心得があるので見せ場を作ってました。
しかしジュリアンが「黒いチューリップ」として捕まります。
彼を助けようとしたギヨームが絞首刑になったのは意外でした。
ジュリアンが助けに来ないなんて……!
ヒーローなら刑執行のギリギリで助けんかい!
そういうベタな演出があってこその活劇だと思うのに~。
兄を助けられなかったのに、その後に「俺が本物の黒いチューリップだー」と仮面剥いで場をかき乱して復讐したつもり。
そしてヒロインと笑い合ってダンスしながらフェードアウトするラストに、ちょっと肩透かしを食った気分になりました。
兄ちゃんが刑死したばかりの人とは思えない… うん、まあ所詮は作りものだからね、という気持ちです。
面白くなかったわけではないけど、まあこんなもんかな、って思う作品でした。
兄が死なない展開のほうがより娯楽として楽しめたと思います。
それにしてもこの「黒いチューリップ」といい、「花咲ける騎士道」の主人公の名前 (原題もこれ) “ファンファン・ラ・チューリップ” といい、チューリップには騎士に関係した花言葉でもあるのかしら、とちょっと調べてみたら、三人の騎士に求婚された女の子の名前がチューリップちゃん、という逸話があるんですね (・∀・)ヘー
騎士道とチューリップは繋がりがあったんだ、と初めて知りました。
ちなみに私の誕生日もチューリップが誕生花だと初めて知りましたが… 色は「まだら」。
まだら…… ヤダー! この言葉のおどろおどろしさがヤダー!
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