映画「ハリーの災難」あらすじと感想【ネタバレあり】秋深し4人は穴を掘る人ぞ
ヒッチコック監督のブラック・コメディです。
シャーリー・マクレーンのデビュー作になります。
後にチャーリーズ・エンジェル・シリーズのチャーリー役で有名になるジョン・フォーサイスや、1947年版の「三十四丁目の奇蹟」でアカデミー助演男優賞を受賞したエドモンド・グウェンが中心となって動きます。
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あらすじ
秋晴れの森の中で、4歳の少年アーニーは銃声を聞いた。
恐る恐る森を進んでいくと、スーツ姿の男性が仰向けで倒れていた。
アーニーは急いで帰宅する。
同時刻、同じ森の中、アーニーとは別の場所で狩りをしていた元船長のワイルズは、調子の悪さを自覚しつつも、せめてウサギくらいは捕れていないかと、自分が撃った方向に歩いた。
三発撃った。
一つは空き缶に当たり、二つ目は「狩猟禁止」の看板に当たっていた。
そして、先ほどアーニーが見つけた死体に遭遇。
額の弾痕を見て、自分が殺してしまった、と動揺する。
死体の懐を探り、身分証からこの男性はハリーという人物だと知る。
呆然と立ち尽くしていると、顔見知りのミス・グレブリーがやってきた。
彼女は死体を見ても平然としている。
それどころか、ワイルズを自宅に招待するのだった。
ミス・グレブリーが立ち去ると、今度はアーニーが母のジェニファーを連れて死体を見せる。
ジェニファーも全く動揺せず、ハリーの顔を覗き込んで「ハリー、あなた何してるの？」とだけ言い、何事もなかったかのようにアーニーと一緒に帰って行った。
彼女たちが去った後も、ワイルズは死体の監視を続けた。
歩きながら本を読んでいる医師は、死体に気づかず躓いて転び、それでも一瞥もくれることなく去って行く。
浮浪者はハリーの靴を盗んで行った。
その頃、森の近くの雑貨店では露店も出しており、そこで自作の絵を売ってもらっている画家のマーロウが新作の絵を持ってきていた。
さっぱり売れていないことを、店主のウィッグス夫人に言われてガッカリする。
そしてマーロウも森に行き、ハリーの死体を見つけた。
ついその死に顔をスケッチしていると、ワイルズが後ろから話しかけ、なぜか一緒に死体を埋めることになる。
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感想
奇妙な作品ですね～ (;^ω^)
森の中の死体を見て驚く人が誰もいない。
自分が殺したと思って「どうしよう」と困っているワイルズですら、監視の途中で居眠りする呑気さです。
そして自分がハリーを殺した、と思っていたのはワイルズだけではなく、ミス・グレブリーもそう思っていました。
ハリーは実はジェニファーの夫。
復縁を求めてやってきたところを、ジェニファーに殴られ、クラクラしていたところを、ミス・グレブリーをジェニファーと思い込んで迫ったら、今度は彼女に殴られる、という経緯のため、誰が殺人犯なのか分からなくなります。
自分かもしれないけど、自分ではないかもしれない。
たしかに心情的には、ちょっと安心して罪悪感が薄くなると思いますが… このジェニファー、マーロウ、ワイルズ、ミス・グレブリーの酷薄さがすごい。
なぜマーロウ？ と思いますが、実は彼、ジェニファーが好きなんですよね。
彼女に不利になる証拠は失くそうと奮闘します。
それもあって、ハリーの死体は何度も掘ったり埋めたりで、なんともぞんざいな扱われ方。
死者を冒涜しまくってますが、この映画ではそれが可笑しみを出しているので、目くじらを立てる気にはなれません。
それより、ウィッグス夫人の息子カルビンが保安官代理を務めているのですが、報酬が歩合制というのが引っ掛かりました。
犯罪を検挙することで報酬が発生する…？
それ、めちゃくちゃ冤罪が発生しそう (;´Д｀)
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