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映画「そして、デブノーの森へ」あらすじと感想【ネタバレあり】

2023/06/01
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

2007年公開のフランス・イタリア・スイス合作映画です。

秘密を抱えた主人公をダニエル・オートゥイユ、彼に絡んでくるミステリアスな美女を  “シャネルのミューズ”  アナ・ムグラリスが演じています。

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あらすじ

一切の顔出しをしない謎の作家セルジュ・ノヴァク

その正体であるダニエルは、図書館で行なわれたセルジュに関しての公聴会をこっそり見に行って奇妙な感覚になる。

まるで死人のことを聞いているようだ

そんな感想を持ちながら、ここ数日泊まっていた父の家に帰宅する。

届いていた郵便物を渡されて開封すると、中から一枚の古ぼけた写真が出てきた。

モノクロで、寄り添い合う男女のツーショットで、男性は笑っている。

しかし女性の顔はペンで塗りつぶされていた。

手紙はなく、誰が何の目的で送ってきたのか分からない。

しかしダニエルは、男性の顔に見覚えがあった。

 

ニコレッタの連れ子ファブリツィオの結婚式に参列するため、ダニエルはナポリ行きのフェリーに乗船した。

そこで知り合った若い女性ミラと意気投合したダニエルは、下船して一緒のタクシーに乗り込み、一晩一緒に過ごす。

翌朝目覚めるとミラはいなくなっており、ダニエルは結婚式に急ぐ。

遅れてやってきてニコレッタに睨まれるが、座って一息ついた。

しかし花嫁の顔が見えた瞬間、それが昨夜一緒にいたミラだったと分かり驚愕する。

 

落ち着かない気持ちのまま二次会に参加し、ファブリツィオからミラを紹介される。

初対面のフリをして挨拶を交わした。

身寄りのないミラが結婚式に招待したのは、親友のエヴァだけだと聞く。

かなり仲が良さそうだった。

 

新婚旅行から戻ったミラは、ダニエルに何度も連絡を取り、関係を続けようと迫る。

口では断るダニエルだが、ミラの魅力は抗いがたく結局彼女の目論見通り不倫関係に嵌っていった。

そんな二人の関係を知っているエヴァは、ダニエルを精神的に陥落させる行動の指針をミラに与えていた。

ミラがエヴァと共謀して仕掛けている罠にダニエルは気づかず、秘密の過去を暴かれてゆく。

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感想

ロケ地選びが俊逸です。

いきなり何だ、この感想。

と、自分でも思うのですが、とにかく屋外のシーンのほとんどで「この風景すごくいい…(∩☆∀☆)∩」と見惚れました。

演出効果のために、すごい土砂降りのシーンも2度ほどありますが、それすらも絵になるロケ地が選出されています。

もちろんカメラワークなども良いからですが。

ダニエルの仕事場なんかも「ここで仕事したい」と思える場所です。

森の中のバンガローのようで、壁一面の大窓の向こうは豊かな緑で覆われています。

静かで、リラックスしながら、すんごい仕事捗りそう。

ダニエル、そこ貸してくれ。

 

ストーリーはわりとベタなサスペンスで終始していたと思います。

テンポはいいのでサクサク観れました。

ダニエルがセルジュ・ノヴァクとして発表したデビュー作は盗作だった、というのが軸になっています。

そして盗作された人の娘がエヴァ。

単純な復讐劇ではありますが、ちょっと捻りを加えてあります。

というのも実はミラとエヴァは正体を取り換えていて、義理の嫁であり愛人になったミラこそが本物のエヴァ。

彼女の親友のエヴァが本当はミラでした。

ん~…… なんかあんまり意味がある行動ではないですね。

観客を驚かせたかったんだろうけど、ミラかエヴァの立場になってみると「あたしたち、なんで入れ替わったんだっけ?」と疑問に思う瞬間が来そうです。

別にエヴァはエヴァのまま、ミラはミラのまま、でも計画に差し支えはなかったと思うんですよねぇ。

まあ所詮は若いお嬢ちゃんたちが浅知恵で余計な演出を加えちゃった、ってことかな、と納得しました。

 

盗作疑惑も作家の正体も世間に露見させ、脅迫によって現金も受け取り、ニコレッタに不倫を見せつけて…

エヴァたちはダニエルを追い詰めていきます。

でもダニエルに悲愴感はありません

どこか淡々としていて、一連のことが他人事であるかのような醒めた印象を受けます。

追い詰められているはずなのに精神的に安定しているふうに見えるから、感情移入することなく、終始客観的になってしまいました。

演じているダニエル・オートゥイユは、追い詰められて発狂するような演技もできる人なんだけどなぁ、と思っていましたが、ラストで納得しました。

盗作ってわけではなかったんですね~。

厳密には盗作かもしれないけれど、主人公はダニエルをモデルに書かれていたし、作者本人(エヴァの父親)が「君の名義で発表してちょ」と頼んでいた、というわけで…

ダニエルが持っていた過去の秘密には、単純な盗作というのではなく、こんな立派な名分があったから醒めていたわけね。

でも結局他人が執筆したものに変わりないからバツが悪かったってことですね。

 

で、こんな醒めたダニエルですが、自殺します

ここはちょっと Σ(゚Д゚)えっ! ってなりました。

そしてダニエルは、デブノーの森にある墓地に埋葬。

エヴァの父親もここで眠っています。

邦題はこのラストを示唆していたんだ、と分かる、上手いタイトルです。

ちなみに原題は「欲望の代償」(らしい)

B級サスペンス丸出しのチープ感溢れるタイトルを、よくぞ変えてくれました。

 

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