映画「リバーズ・エッジ」あらすじと感想【ネタバレあり】自分より下がいることの安心感
岡崎京子さんの漫画原作を、行定勲監督で映画化した作品です。
主演は二階堂ふみさん。
他メインには吉沢亮さん、モデルのSUMIREさん、上杉柊平さん、森川葵さんなどがおり、共に朝ドラ「虎に翼」で法学生を演じた土居志央梨さんと安藤輪子さんが、主人公の友人役に配されています。
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あらすじ
高校2年生の若草ハルナは、大して好きでもない同級生・観音崎に、彼女扱いされていた。
しかし観音崎からのイジメで苦しむ山田一郎を、ハルナは陰ながら助けてサポートしている。
校舎裏で捨て猫たちの世話を一緒にするくらい、山田とは仲がいい。
ある日、観音崎からいつもより激しく暴行されて旧校舎のロッカーに閉じ込められた山田を助けたハルナは、山田から「見せたいものがある」と誘われる。
川べりの藪に連れてこられたハルナは、そこで白骨化した死体を見せられた。
息を飲むハルナに、山田はこれを宝物だという。
そしてこの死体の存在は、同じ学校の1年生でモデルをしている吉川こずえも知っているのだそうだ。
さらに山田は、自分がゲイであることもハルナに打ち明けた。
彼は1年生の田島カンナと付き合っているが、カモフラージュのためである。
その頃、ハルナの友人ルミは、ドラッグ欲しさに観音崎と関係を持っていた。
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感想
痛々しい青春もの… と思ってはいましたが、想像以上でした。
いじめられ、ゲイであることもひた隠しにしている山田と、人知れず摂食障害に苦しんでいる吉川にとって、死体は「自分よりも不幸」な存在として、あると安心できるものでした。
人間って、どうしても「自分より下がある」と思うことで安心しちゃう生き物なんですよね…
事故か事件か、はたまた自死か。
藪の中で誰にも知られずに朽ち果てた人の亡骸を心の拠り所にしていた山田と吉川でしたが、デマによってこの死体が人目に晒されるピンチが訪れます。
ハルナも手伝って死体を埋めましたが、もう山田も吉川も見ることができなくなりました。
宝物が見れなくなって心の安定を保てなくなった山田は、カンナが鬱陶しくなって酷い言葉と態度で彼女をフります。
カンナは、フラれた原因はハルナだと思い込み、攻撃を仕掛けてきます。
カンナ役、森川葵さんなんだけど、演技うまいですねー。
絶妙にウザいぶりっ子でメンヘラなカンナを、実際にいそうな感じで自然に演じていました。
演技に関しては土居志央梨さんも大したもので、まだ当時はこう言われていなかった「パパ活女子」のイケイケ風なビッチながら、妊娠に悩み、観音崎や姉に対して感情的に攻撃するルミをしっかり演じています。
何しろルミは二度殺されかかり、最後には精神を病んでハルナたち友人のことも多分分からなくなっている状態になる役どころ。
ハルナを焼き殺そうとして自分が焼死したカンナ同様、アップダウンの激しさに疲弊したのではないかと思います。
まあ、観音崎なんかもそうですが…
あーもー！観音崎だいっきらいーー！
お前なんて、ルミが言うように誰からも好かれとらんわーーー！！
コイツのザマァがなかったのが残念です (￣皿￣)
(演じている上杉さんは嫌いではないです)
意外な展開になって面白かったですが、合間にチョコチョコ入るあのインタビューは、ちょっと…
ラストにでもインタビュアーが顔出しして、インタビューをまとめた新聞なり、インタビュアー自身の考察なりでも出てくると思ったのですが、そんなこともなく。
質問もジャーナリストがするようなものではないので、余計な演出でしたね。
その点と、せっかくの吉沢さんの美貌がキノコヘアで台無しになっているのが残念でした。髪型大事。
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