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映画「愛のむきだし」あらすじと感想【ネタバレあり】原罪と変態が混在中

2024/01/31
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

音楽ダンスグループAAAの西島隆弘さんが主演し、満島ひかりさん、安藤サクラさんらが、感情をむきだしにした圧巻の演技で盛り上げる作品です。

園子温監督らしい狂気に満ちたジェットコースター・ムービーですが、コミカルな風味に味付けしてあり、園監督にしては微エロ。

でもやっぱり家族と一緒に見られる代物ではないです (;・∀・)

キャストの配役も面白く、カルト教団の最高幹部を「ライチ☆光クラブ」の漫画家・古屋兎丸さんが演じており、撮影時の裏話がブログに書いてあって興味深かったです。

それと綾野剛さんが出ていたらしいのですが、分からなかったー!どこだーーっ!?

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あらすじ

クリスチャンの家庭に生まれたユウは、小学生のときに亡くなった母に「いつか自分だけのマリア様をみつけるのよ」と言われ、それ以来、母の言葉ともらったマリア像を大切にしてきた。

母が亡くなって父・テツは神学を本格的に勉強して神父になり、父子ふたり平和に暮らしている。

しかしある日、教会にやってきたカオリという女がテツに惚れ込んで怒涛の勢いでアプローチしてテツを陥落させた。

カオリのために教会に住むことは止め、隠れ家のような一軒家に引っ越す。

しかし結婚したいカオリは、神父のためできないテツに腹を立てて三か月で出て行ってしまった。

裏切られて心を壊したテツは、毎日ユウを懺悔室に来させて “今日の罪” を問う。

何もしていないことを告げれば「何かあるはずだ」と無理やり絞り出すように告白させられ、嘘をついても見抜かれてしまう。

追い詰められたユウは、少しずつ人のイヤがることをやり出し、罪悪感に心を重くする。

しかしテツは納得いかず、ユウを置いて一人教会に戻ってしまった。

見捨てられたユウは、地元の不良少年たちの仲間に入ってケンカや万引きなどの軽犯罪に手を染める。

そして毎日テツに会いに行き、嬉々として “今日の罪” を話すのだった。

しかしテツは興味がなさそうな顔をしている。

もっと罪を重ねなければ…

そう考えたユウは、仲間たちに相談してあるところを紹介してもらう。

そこは変態を追求する場所。

ユウはそこで盗撮を勧められ、技を磨く

メキメキと腕を上げ、ユウは盗撮行為そのものが面白くてたまらなくなる。

きっとテツも喜んでくれると思い、懺悔室でテツに報告すると、横っ面を張られて二度と来るな、と追い出された。

ユウはこれを父の愛だと思った。

もっと殴ってほしい。

追い出されて雨の中、盗撮した相手・コイケに、何故こんなことをするのか聞かれて「原罪を作るため」と無邪気に答えた。

コイケはユウに興味を持ち、以来こっそりとユウの周辺を探り、後をつけまわす。

一方、テツの元から去ったカオリは、女にだらしない男の家に転がり込んだ。

その男の娘・ヨーコは父を毛嫌いしており「男は敵だ」と思い込んでいる。

わざと見知らぬ男にケンカを吹っかけて叩きのめすことがヨーコのストレス発散だった。

ヨーコとカオリは気が合い、カオリが父と別れて出ていくとき、ヨーコも一緒についていくことにした。

ヨーコはカオリの娘、ということで押し通すことにする。

しかしカオリがテツとよりを戻し、家族になろうとしていることを知ってケンカになった。

怒って道を歩くヨーコは、タチの悪い男たちに囲まれた。

そこへ、仲間内での罰ゲームで女装して町を歩いているユウがその光景に出くわす。

男たちに布を被せられたヨーコを見て「自分のマリア様を見つけた!」と興奮する。

ユウはすぐにヨーコの助太刀に入り共闘した。

ヨーコに名前を訊かれたユウは、女装していることを思い出して “サソリ” と名乗る。

ユウが一目惚れしたヨーコは、サソリに恋愛感情を持ってしまった。

そしてテツが神父を辞めてカオリと結婚することになり、ヨーコがユウの妹になってしまう。

男嫌いのヨーコからは毛嫌いされ、その一方でサソリとして好意を持たれるなか、ある計画を持っているコイケも、ユウたち家族に近づいてきた。

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感想

ユウが盗撮魔になったきっかけは、テツに毎日 “今日の罪” を告白しなければいけないことからでした。

テツはなぜユウにこんなことをするようになったのか?

テツは神父でありながらカオリと同棲し、そして出て行かれてことで、 “姦淫” の罪を犯したことに恐れを抱きます。

自分は罪深い。

しかし人間はすべて罪深い。

清廉潔白な自分の息子だって罪深いに決まっている。

この思考がテツの心に出来上がってしまい、そして自分自身を責める代わりにユウに罪の告白をさせ、それを「許す」と言うことで自分の罪を許そうとするのです。

自分自身がしたことの “罪” と向き合うことが出来ず、代わりに他者を責める

これらは自分のイヤな部分を他人に見て、そこを責める行為なんですよね。

そして「許す」ということで自分を許そうとしています

だけど自分の罪は、結局自分で見て何とかするしかありません。

人になすりつけるのではなく。

そうした上で自分を許すことが出来ればいいですね。

 

約4時間の長尺作品です。

少々休憩も入れましたが、見ごたえはバッチリあります。

ユウは女装どきの姿を “サソリ” と名乗りますが、黒づくめにロングヘアー、サングラスにつば広帽子、という格好は、おそらく梶芽衣子さんが主演した映画「女囚さそり」シリーズからのインスパイアでは、と思います。

かなり面白いらしいですね。

クエンティン・タランティーノ監督も、このシリーズで梶さんの大ファンだとも聞いているし。

機会があったら見てみたい、と改めて思いました。



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