映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」あらすじと感想【ネタバレあり】
「斜陽」のヒットから「人間失格」を執筆するまでの太宰治の人生を小栗旬さん主演で描いた蜷川実花監督作品です。
小栗さんを取り巻く女性たちを、宮沢りえさん、沢尻エリカさん、二階堂ふみさんが演じました。
出番は少ないですが、藤原竜也さんや高良健吾さんなども出演しています。
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あらすじ
過去4度も自殺や心中を試み、そのたび生き残ってきた作家・太宰治。
妻の津島未知子のお腹には三人目の子どもがいる。
しかし太宰には、太田静子という愛人がいた。
彼女の書いた日記を次回作「斜陽」のモチーフにするためだ。
「恋と革命に生きる」と言って憚らない静子の情熱は太宰を魅了するが、その圧倒的な熱量は彼を繋ぎ止めておくことはできなかった。
太宰は妊娠した静子から距離を置き、作家仲間と訪れた居酒屋で知り合った山崎富栄に急速に惹かれていく。
富栄もまた太宰に運命を感じて激しく愛し合った。
出産も終え、三人の子育てをひとりで奮闘している未知子は「ヴィヨンの妻」のモデルだと周囲から見られ、彼女の知らぬところで褒め称えられる。
正妻の賛辞は愛人である静子や富栄には耳の痛いものだった。
「斜陽」は発売されるやベストセラーとなり、その祝賀会の席で臨月の静子は太宰に無視されていることを哀しみ、付き添いで来た弟は太宰を睨みつける。
そんな静子に富栄は話しかけた。
女二人、男たちの喧騒から離れて中二階の座敷に移ると、またヴィヨンの妻談義が始まった。
自分の女性関係を非難されていると感じた太宰が怒りで立ち上がると、静子の弟もまた愛人である姉から離れて正妻の元に戻った太宰に突っかかる。
富栄が正妻に味方する形でとりなしたが、静子は愛人としてのプライドを見せつけて悠然と微笑むのだった。
やがて静子は女の子を出産。
その子が太宰との子供だと知らなかった富栄はショックを受けて取り乱す。
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感想
高校の時、国語の授業で「富嶽百景」を読まされました。
正妻・未知子との結婚を決めた経緯を描くエッセイです。
太宰作品の中では明るい方ではありますが、結婚写真の太宰さんはなんともつまらなそうな顔をしていたと記憶しています。
授業では、その作品に伴って太宰さんの生涯も習わされ、随所に「自殺・心中未遂」が現れるので、4回目にはとうとうクラス中が爆笑してしまいました。
本人は真剣に悩んでいたろうに、あまりに回数が多いために「死ぬ死ぬ詐欺」の「かまってちゃん」と見られてしまったようです。
そんな情けない太宰さんの姿を映し出しているこの映画。
太宰さんの周りには、賢夫人の未知子、勝ち気な静子、ヤンデレ富栄が取り囲んでいます。
三者三様の彼女たちは、太宰さんへの接し方も、心の哀しみの出し方もそれぞれに違っています。
本当に、よくこのタイプがまったく違う三人と同時進行していたものだと、呆気にとられました。
顔立ちは整っているけれど、いつもつまらなそうな顔をしていて厭世観を漂わせている太宰治に女が途切れないことが、ずっと不思議でした。
が、小栗さん演じる太宰さんはなんか色気があって、女性への接し方が「こりゃモテるわ」と思わせるリアリティがあります。
強引に来たかと思えば「困ったな~」と言いながら引いて行く。
実は死にたがりのヤンデレ富栄に「死ぬ気で恋… してみる?」と煽ってくる悪い男です。
ちなみにこのセリフの「恋」の後の間が長すぎて、最初「死ぬ気で来い」かと思いました。
どっちの意味でも煽ってる感じだけど (;´∀`)
いずれにしても太宰さん、浮気のくせして本気の恋愛仕掛ける厄介さ。
甘ったれのかまってちゃんが仕掛ける恋愛ゲームはクセが強い。
そのため女たちはみんな泣くことになりました。
富栄は太宰さんの胸に飛び込んでワンワン泣けますが、未知子は子供たちに泣き顔を見せまいと一緒に遊ぶことで隠します。
このときの未知子の演技… 宮沢さん上手いです。
この映画、中心の4人が全員演技上手いから、見ごたえあるんですよね。
2時間あっという間で面白かったです。
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