映画「ニノチカ」あらすじと感想【ネタバレあり】ぜいたくはステキだ
エルンスト・ルビッチ監督のロマンティック・コメディです。
クール・ビューティーの鉄面皮に見られていたグレタ・ガルボが大爆笑したため「ガルボ、笑う」と新聞記事になったことは有名。
ラスト近くにベラ・ルゴシが登場しました。
脚本にはビリー・ワイルダーも参加しています。
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あらすじ
パリの高級ホテルにやってきた三人のロシア人・イラノフ、コパルスキー、ブリヤノフ。
豪華な内装に目を奪われ、政府が用意した安ホテルは止めてこちらに宿泊することにした。
貿易委員の彼らは、帝政貴族たちから没収した貴金属類を売りさばきにやってきている。
それらが入ったバッグを入れられる金庫はロイヤルスイートルームにしかないと聞いて、その部屋に決めた。
客室係が部屋を整えている最中にイラノフは宝石商メニシエに商談の電話を掛ける。
客室係はその電話に耳を傾け、大公妃スワナ伯爵夫人のジュエリーもあると知って急いで外出した。
彼の正体は亡命貴族のラコーニン伯爵。
同じく亡命しパリにいるスワナ伯爵夫人の元へ行き、彼女のジュエリーが売却されようとしていることを伝えにきたのだ。
夫人はすぐに取り戻そうといきり立つが弁護士はアテにならない。
そこで彼女の愛人レオン・ダルグー伯爵が「自分に任せろ」と申し出る。
レオンがホテルに着くと、三人はメニシエに買い叩かれていて売る決断が出来ずにいるところだった。
レオンは、その宝石類は不当に没収されたものだとして、委任状を差し出す。
売却や移動を禁じる訴えを起こし、訴状を確認したメニシエは、判決が出るまで保留と言って帰ってしまった。
抗議の声を上げる三人に、レオンは贅沢を味わらせる。
彼らが高級シャンパンで酔って騒いでいる間、レオンは貿易委員長ラジーニンに彼らの名前で電報を打った。
売却は差し止め命令が出ているため、利益は折半とするのが妥当である、という内容である。
そしてすっかり贅沢三昧に慣れた三人の元にラジーニンからの返報が届いた。
交渉は中止となり、三人の権限は撤回。
代わりに特別全権使節がパリに来る、と聞いて三人は大いに慌てる。
そして使節であるバリバリの共産党員ニノチカ・ヤクショーバがやってきた。
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感想
贅沢は敵、という考え方が浸透しているニノチカは、三人が慌てて譲ったロイヤルスイートを見ても「無駄が多い」と考え、年老いた人が執事やポーターなどの労働をしていることを「あり得ない」と思っています。
荷物も自分で持ち運び、服装も質素。
食事もホテルのルームサービスより労働者向けレストランで注文するなど、徹底的に資本主義に反発している女性です。
そんな彼女に享楽的でナンパなパリジャン・レオンが接近。
ガッチガチで笑顔を見せない彼女だからこそ、意地でも笑わせてやる、と笑い話をいくつも披露しますが、全部空振りに終わりレオンも溜息をつきます。
難攻不落なカタブツ女性をナンパな男性が落としにかかる。
王道の展開で、どうやって彼女を落として恋愛に持ち込むのか、が観ている側の興味を惹かれるものですね。
果たしてニノチカを落とせるのか、と思っていたら、意外にもレオンが椅子からズッコケたことで大爆笑し、そこからスルスルッと上手くいくようになります。
頑張って口説くより、ちょっと恥ずかしいドジで釣れるとは… ナンパ師のレオンとしては不本意でしょうけど、結果オーライってことで。
カッコつけるより素を見せたほうが恋愛はスムーズにいくのでしょうね。
一度落ちたら、もうレオンのペースです。
ニノチカも三人と同様、贅沢のすばらしさを知ってしまいました。
モスクワに戻ってからも、周囲の目を気にしつつ三人を自宅に呼んでオムレツ・パーティーなんてやってしまいます。
オムレツww かわいいwww
何しろ食料も配給制で卵も決められた数だけですものね。
ささやかな贅沢は背徳の味で ウマー♪
てなわけで、ニノチカちゃん笑いっぱなしです。
そしてレオンからラブレターも届きますが…
検閲により本文は塗りつぶされていて読めませんでした。
共産党員に恋は難しい。
でもレオンは諦めません。
今度はコンスタンチノープルに派遣された三人のお目付け役として、またもやニノチカが行くことになりました。
そこで待っていたのはレオン。
ここで彼女は三人と同様、ロシアには戻らず資本主義国で恋と贅沢を享受する生活を選びます。
うん、そうよね。
質素なのも悪くないけど、それを強制されるのはイヤだし、自分の好きなものを自由に手に入れられる贅沢ってステキよね♪
ボンビーだけど、共産主義国家に生まれなくて良かった、と改めて思いました。
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