映画「肉体の冠」あらすじと感想【ネタバレあり】愛した男たちは散ってゆく

ジャック・ベッケル監督、シモーヌ・シニョレ主演のノワール映画です。
「情婦マノン」のセルジュ・レジアニが共演です。
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あらすじ
娼婦のマリーは、情夫のロランが所属しているギャングや娼婦仲間たちと湖畔遊にあるバルにやってきた。
そのとき、ロランの知り合いレイモンが、偶然会った友人マンダを皆に紹介する。
マンダは以前刑務所に入っていて、そこでレイモンと知り合ったのだが、今は真面目に大工の仕事をしているという。
一目でマンダを気に入ったマリーは、彼をダンスに誘った。
ロランはいきり立つが、レイモンが取り成す。
一曲踊り、互いに好感を持つが、ロランの嫌がらせにマンダはサッサと退散することにした。
マンダが帰ると、ロランはマリーの横っ面を張った。
翌日、ギャングのリーダー・フェリックスがその話を聞いてマリーを呼ぶ。
ロランの味方のフリをしているが、実はフェリックスはマリーを自分のものにしたがっていた。
彼に興味がないマリーは、マンダの勤め先に顔を出した。
マンダに片思いしている親方の娘が水を差すが、両想いになっているふたりの距離は縮んでいく。
しかし、ついにロランの怒りが頂点に達したことで、フェリックスの立ち合いのもと、マンダとロランの決闘が酒場裏で行われた。
そしてマンダがロランを殺して勝利。
だが、マンダがその場から離れた直後、警察がやってきてロランの死体を発見する。
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感想
この映画は、長いことずっと観たかった作品なんですよ~。
やっと念願かなって観ることができましたー♡
男に媚びないシニョレのカッコよさ… シビれます。
相手が裏社会の男であろうと、毅然として、腰に手を当て、流し目で余裕の笑みを浮かべる。
娼婦のスレた部分と、貴婦人のようなプライドの高さが見て取れるマリーの佇まいから目が離せなかったです。
たとえギャングのボス (フェリックス) からの強引な呼び出しでも、余裕の表情で「ナイフはある?」と聞き、脅すように折り畳みナイフを見せられても平然と受け取って机にあるチーズを切る。
悠然とチーズを口に入れる仕草に「アンタなんてちっとも怖くないわよ」と強がりでもなく本心から思っているのが伺えます。
凛としていて、矜持を持った女性の雰囲気が、たまらなくいいですね~。
でも、フェリックスは確かにちょっと、部下からも舐められている感じの人でしたけど (;^ω^)
ギャング相手でも怖がることないマリーですが、マンダにはメロメロで弱い部分が垣間見えます。
いや、弱いというより甘えてるって感じかな?
愛情をまっすぐに向ける、可愛げがある女性の面を出していました。
こんなファム・ファタールだから、男たちは三つ巴の戦いになってしまい、破滅の人生に向かいます。
決闘の後、マンダはレイモンの勧めてくれた、酪農家の老婦人が一人暮らししている一軒家に、マリーを連れて逃亡。
束の間の平和が訪れましたが、レイモンがロラン殺害の犯人として逮捕されたと聞いてパリに戻りました。
そして警察に自首して、すぐさま刑務所に移送されます。
無実なのにレイモンも釈放されず、一緒の馬車に。
そこでレイモンの逮捕はフェリックスの奸計だったと知りました。
度胸の女マリーが辻馬車で刑務所に先回りし、マンダとレイモンは警察官たちを突き飛ばして辻馬車を奪って逃げます。
レイモンは撃たれて死亡。
マンダはフェリックスに復讐を果たしますが、そのためギロチンにかけられてしまいました。
建物の2階からマンダの処刑を見守ったマリー。
彼女を愛した男たちは皆いなくなります。
沈痛な面持ちながらも、彼女は長生きしたのだろうな、と思います。
情熱的な恋をしても、決して男性に寄りかかる生き方はしない女性と、そんな彼女を愛した男たちの悲劇。
無常感がありつつ、映画としては満足感のある作品でした。
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