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映画「アラビアのロレンス」あらすじと感想【ネタバレあり】肩書・英雄との引き換え

2023/09/17
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

アラブ独立闘争に尽力した実在のイギリス人将校を描くデヴィッド・リーン監督の大作映画です。

主演はピーター・オトゥール

他にアレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クインらがメインを張ります。

女優がまったく出てこない稀有な作品です。

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あらすじ

1935年。

退役軍人T.E.ロレンスは、故郷イギリスの田舎道でバイクを走らせていた。

しかし、自転車走行者を避けるためにハンドルを切った拍子に道を逸れてしまい転倒して死亡した。

葬儀には軍関係者が大勢集まり、新聞記者ベントリーもロレンスの人柄についてインタビューしていく。

すると、褒め称える人もいれば悪し様に言う人もいて、評価は様々だった。

生前の彼は、第一次大戦中にイギリス陸軍カイロ情報部に配属されていた。

変わり者のため態度が横柄で無礼に映り、将軍からの覚えはよくない。

しかしアラビア語が話せ、文化にも明るいため、将軍とフランス政府代理顧問のドライデンから、ファイサル王子に逢うように命令される。

アラビアは、イギリスの敵国ドイツと同盟を結んでいるトルコの圧政下に敷かれ苦しんでいた。

ファイサル王子は反乱軍の指導者なのだ。

翌日、ロレンスはベドウィンの案内人と共に砂漠を進む。

彼からラクダの乗り方を教えてもらい仲良くなるが、途中の井戸から水を飲んだことから、所有者であるハリト族首長アリによって案内人は殺される。

王子のところまで案内する、というアリの誘いを拒絶してロレンスはひとり砂漠を進んだ。

しばらくすると、ロレンスを迎えに来たブライトン大佐に見つけられ、王子がいるキャンプまで無事に来ることが出来た。

王子はロレンスを歓迎し協力体制に賛成するが、大砲がないことに不満を持ち、ヤンブーまで撤退することを臨んだ。

再会したアリも含む反乱軍の軍勢はヤンブーを目指す。

道中、ダウードファラージという二人の少年がロレンスの従者を申し出てきて、ロレンスは笑って受け入れた。

そしてヤンブーに辿り着くと、すでにトルコ軍に蹂躙された後だった。

戦況について一晩砂漠で考えたロレンスは、アカバ奪還を提案する。

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感想

中東情勢に詳しくないので、ところどころ理解が怪しくなっています。

でもストーリーにはちゃんとついていけます。

知識がなくても分かりやすいように脚本が構築されているためだと思います。ありがたや…

反乱軍の中でも、ハリト族の他、ハウェイタット族も後に加わるため一枚岩ではありません。

内部での諍いが頻繁に起こります。

日本は単一民族国家なので、こういう部族同士の反目ってあまり目にする機会はありませんよね。

複雑に思えますし、ましてや仲裁なんて一筋縄ではいかない気がして、かえって面倒なことになりそう…

もし自分がロレンスの立場だったら思いっきり腰が引けそうです。

仲介役をならざるを得なかったロレンスに、キツい試練が待ち受けました。

道中、ラクダから落ちて隊列に置いて行かれた人をロレンスは命がけで助けたのですが、他部族の物を盗んだ彼を処刑しなければいけなくなったのです。

ここでもう精神的に結構キていたと思います。

ただでさえ慣れない砂漠の縦断を何日も続けていた上で、仲間を自らの手で殺す。

おおぅ… 辛い。しかもまだ27歳の若さで…

そしてカイロに報告に向かう途中でダウードを亡くし、鉄道爆破に成功してもハウェイタット族は略奪のほうが主目的。

さらに鉄道を爆破させようとしてファラージが大けがを負い、敵に捕まって拷問を受けるよりは、とこれまたロレンスの手で殺すことに。

そしてドイツ軍からの拷問。

(実際のロレンスさんは新しい世界に目覚めたらしいですが)

もう完全にアラビアも砂漠も部族も何もかもがイヤになってしまいました。

ここまで精神的に追い詰められたら仕方ない、と思います。

明るかったロレンスが苦悩に満ちた表情ばかりするようになり、アリもずっと心配顔。

“英雄” って聞こえはいいけど、過酷なことを体験しないとだから、本人にとっては苦しい肩書かもしれないですね。

内容としては重いのですが、ロレンスがそうなるまでの過程は興味深いですし、映像も雄大で綺麗です。

巨匠スピルバーグが愛してやまないこの作品。

スピルバーグ作品がいかに影響を受けているかが見て取れます。

面白かったです。

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