映画「イン・ハー・シューズ」あらすじと感想【ネタバレあり】相手の立場になってみると見えてくる
2005年公開。
タイトルとなっているin one’s shoesは、「~の立場になる」という意味のイディオムです。
ですのでこの映画では、対照的な姉妹がそれぞれ、相手がこれまでに歩んできたような生き方に近づくことで、お互いのことを知るようになって和解していくストーリーを、「靴好き」という二人共通の趣味に絡めて展開していきます。
主演のキャメロン・ディアスの輝きが眩しいです。
あの屈託のない笑顔はどうしても目を引くので、引退したというのがすごく残念ですね。
(でも何かの続編とかあったら復活してくれそう)
「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督がメガホンを取り、製作には「エイリアン」のリドリー・スコット監督と「トップガン」のトニー・スコット監督の兄弟が名を連ねています。
いずれも男臭い作品を得意とする方たちですが、女性映画を撮る腕前も冴えていますね。
脇役たちの心情もわかりやすく、見ごたえのある作品です。
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あらすじ
フィラデルフィアの大手事務所に在籍している弁護士のローズは、上司のジムとの恋愛も好調な、しっかり者の女性。
ただ見た目には少々コンプレックスがあり、靴の収集が趣味だけれど、自分には似合わないから、と眺めるだけで履くことはしない。
そんな彼女の重荷になっているのが、妹のマギーだ。
美人でスタイルもいいのだが、生活態度も異性関係もだらしなく、仕事も長続きせず現在無職。
今日もバーで泥酔した彼女から電話があり、迎えに行く。
父の家まで送るが、元々マギーを嫌っている継母は、彼女が家に入ることを拒否。
ローズは仕方なくマギーを引き取った。
マギーが仕事を見つけられるようローズも尽力するのだが捗々しくない。
ローズはジムと共にシカゴに出張することを命じられた。
しかしシカゴに到着してみると、ジムは来られなくなり、代わりにサエない同僚のサイモンがローズを待っていた。
サイモンから食事の誘いなどあるが、ローズは塩対応でやり過ごした。
ローズの出張中に、マギーは実家の荷物を引き取りに行き、関係ない引き出しも物色して金目の物を探す。
そのとき、自分とローズに宛てた見覚えのないメッセージカードの束を見つけた。
母方の祖父母からのものだった。
中には子供の頃のマギーたちの誕生日やクリスマスをお祝いする言葉と、現金が入っている。
マギーはカードを持ち帰った。
そして犬のトリマーの仕事に就くが、帰宅の際ローズから借りている車がレッカーされてしまう。
同じ目に遭ったという通りがかりの若者ふたりに、一緒に車を取りに行かないか、と誘われてマギーはそれに乗った。
レッカー移動された車の置き場所まで来ると、それまで感じ良かった彼らはマギーを襲おうとする。
恐怖に駆られたマギーは必死に抵抗し、罰金を支払わないまますぐに車に乗り込んで逃げ延びた。
襲われたショックから一人でいるのが怖くて、勤務先のペットショップで預かっている犬を勝手に持ち出して家に連れて帰る。
翌朝、不本意だった出張から戻ったローズは、家中に出しっぱなし・脱ぎっぱなしの、物が散らかり放題の惨状に怒りが湧いてきた。
マギーの部屋に行くと、犬まで連れ込んでいた。
そこへ電話で呼び出しがあり、すぐさま事務所に向かわなければならなくなる。
外へ出たローズは、今度は自分の車に、違反車に取り付ける器具がタイヤについているのを発見して怒りを爆発させた。
自分が戻るまでに家中を片付けるように厳しく言い渡してローズは出かけて行く。
マギーが仕方なく片づけをしていると、ジムが訪問してきた。
マギーは怒られた腹いせにジムを誘惑。
ふたりでベッドにいる最中にローズが帰ってきた。
ローズは泣き喚いてマギーに、もう二度と自分の人生に関わらないで、と彼女を追い出した。
マギーはジムに援助してもらい、それでニューヨークに行こうとする。
しかしふとメッセージカードのことを思い出し、そこに書かれた住所から、祖父母の住むマイアミに行くことにした。
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感想
マギーを追い出した後、ローズはジムと顔を合わせることもイヤになり、事務所に長期休暇を申し入れます。
犬の散歩代行のバイトをしながら自由を満喫していると、サイモンに道で偶然声を掛けられました。
もともとローズに気が合ったサイモンは、すぐデートに誘います。
ローズは戸惑いますが、ジムとマギーに裏切られた寂しさも相まってOKしました。
デート先は高級すし店。ま…廻ってないわ… (;・∀・)
まだメニューを見てアレコレ迷っているローズを尻目に、サイモンはサクッと店員にローズの分まで注文します。
・・・・・( ゚Д゚)
…何すんじゃい。
あなたのオススメは美味しいのかもしれない。
相手の分まで注文することをスマートだと思ったのかもしれない。
でもね…
寿司ネタの好みには個人差があるんじゃーー!
サイモン・チョイスには私の好きなウニもイクラも入ってない(←関係ない)
ローズも少しムッとしながら「子供じゃないのよ」と口を尖らせます。
そうだ、そうだ。人が食べるもの勝手に決めるな。
しかしサイモンはヘラヘラ笑いながら「まあまあまあ、マジ美味いから食べてみてよ~」と、取り合いません。
(-皿-メ)シバイタロカ…
そして料理が来ると、今度は「ワサビを入れても美味しいよ」と、ローズのオテショ(醤油を入れる小皿)の醤油に勝手にワサビを溶いてしまいます。
だから何すんじゃーー!私はサビ抜き派だー!(←関係ない)
心が狭い私のサイモンの好感度は地の底まで堕ちましたが、ローズは「仕方ないわねぇ」という顔で笑って大人の対応をしています。
偉いなローズ。
姉妹の母はふたりが幼い頃に亡くなっています。
父は祖父母を姉妹から遠ざけ、自身は意地の悪い継母と再婚。
それぞれ寂しさを抱えますが、ローズが勉強に打ち込んで弁護士になった一方、マギーはアラサーになっても自分を甘やかしてくれる存在を必要としていました。
彼女には読書障がいがあり、そのため勉強そのものが出来ず就職活動も難航していました
マイアミに来て祖母の命令でケアセンターの仕事に就いたとき、盲目の元大学教授から本の朗読を頼まれます。
しかしマギーには読むことができません。
教授は彼女の障がいを見抜き、どんなに時間がかかってもいい、と言って朗読を促します。
たどたどしく一語ずつ読んでいく彼女の声を黙って聞き、感想を述べさせて「君は頭がいい」と褒めました。
おそらく初めて人から言われたのでしょう。
マギーはそれ以来、教授に本を読むことが楽しみになります。
マイアミに来てから彼女の男遊びは鳴りを潜めてきました。
学ぶ喜び、働く喜び、年配の人たちとの支え合う人間関係に充足感を感じることで、ローズがこれまで自分を支えてくれていたことへの感謝、そして裏切ったことへの申し訳なさが彼女の中に渦巻きます。
遅ればせながらも自分を理解して支えてくれる人がいたことに気づいたマギー。
そういう人と繋がっていくことで、たとえリア充と言われる存在ではなくても、心はかなり満たされると思います。
周囲を大切にすることは大事ですね。
マイアミの心地よい気候を感じながら、人生を見つめ直し人間関係を修復させる過程を丁寧に描く良作でした。
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