映画「そんな彼なら捨てちゃえば?」あらすじと感想【ネタバレあり】
女優ドリュー・バリモアが製作総指揮に名を連ねている群像劇型のロマンティック・コメディです。
袖振り合うも他生の縁、という感じでソフトにリンクしている人たち同士の恋愛模様を、豪華キャストで見せていっています。
新品価格 |
新品価格 |
あらすじ
ステキな恋愛がしたいけれど、いつも空回って上手くいかない恋愛ベタのジジ。
会社の同僚ジャニーンの紹介で不動産エージェントのコナーとデートする。
ジジなりに恋愛ルールの会話術を駆使して好感触!
と思ったが、家まで送ってもらうこともなく、レストラン前で解散となった。
ジジと別れてすぐ、コナーは片思い中の女性アンナに電話する。
コナーは会いたいと伝えるが、スーパーで買い物中のアンナはお断りする。
レジで順番を待っていると、ベンという男性がアンナに順番を譲ってくれた。
音楽業界にコネがあると知り、歌手になりたがっているアンナはベンに俄然興味を持つ。
彼もアンナに惹かれるが、ベンはジャニーンの夫だった。
そんなベンの友人ニールは7年も同棲している彼女ベスがいますが、結婚したい彼女に反してニールは結婚に煮え切らない態度をとる。
ベスはジジとジャニーンの同僚であり、ときおり恋バナに花を咲かせていた。
アンナの友人メアリーはネットで相手を探す雑誌編集者。
ゲイ雑誌のため同僚もゲイばかりで男性心理にはイマイチ乏しい。
待てど暮らせどコナーから連絡が来ないため、ジジは意を決してコナーの行きつけのお店だというバーに行ってみた。
そのお店の経営者兼バーテンのアレックスは、恋愛ルールを知り尽くしている遊び上手な外道フェミニスト。
ジジは彼から今日はコナーは来ていないと聞いてガッカリして帰ろうとするが、思い詰めているジジを放っておけないアレックスは、ジジの知らない「男性心理」について指南する。
それ以来アレックスはジジの恋愛相談カウンセラーになった。
こうして僅かな繋がりを持っている彼ら・彼女らの、ハッピーエンドを目指したそれぞれの恋愛模様が映し出されていく。
新品価格 |
感想
コナーから電話がこなくて焦れているジジは、紹介してくれたジャニーンに相談します。
デート中の会話だって上手くやったし、電話番号だって交換してあるし、感触は絶対に悪くない!
それなのになぜ電話が来ないの… と思い悩むジジに、ジャニーンもコナーが何を考えているのか分からず、「大丈夫。きっとそのうち連絡がくるわよ」と慰めます。
コナーから連絡がなく5日。
だけどジャニーンは、ベンとの初デートのあと、彼は11日間も連絡なしだったにもかかわらず結婚して円満な家庭を築いているのです。
だから自信がありました。
この映画の冒頭は、小さな女の子が同い年くらいの男の子にいじめられるところから始まります。
母親に泣きついたところ、その母親から「あの子があなたをいじめるのは、あなたのことが好きだからよ」と教えられることこそが、女性の恋愛がうまくいかなくなる諸悪の根源として提示されているのです。
好きな子に意地悪する、というのは定説にはなっているのですが、本当にそうなのか。
いじめている子本人の真意を確認しないままポジティブ解釈を押し付けてしまう。
この幼少期の刷り込み効果が大人になってからの恋愛にも影響が出てしまい、男性に冷たくされてもそれを「自分のことが好きだからだ」と勘違いしてしまうわけですね。
そして周りの女友だちも、男性心理が手に取るように分かる人などそうそういないので、やはり勘違いした方向に慰めてしまう。
「大丈夫。彼もきっとあなたのことが好きよ」と。
彼がとっている言動を見極めて「あ~、これは脈無しだな」と分かる女性もいますが、友人への慰めに「あの人アナタに興味持ってないよ」と正直にズバリとはなかなか言いづらいものです。
ジャニーンは実は、ベンが彼女のことを好きかどうかよく分からないうちに押せ押せでアプローチして結婚まで持っていた夫婦だったため、彼女も男性心理が分かっていません。
だからジジに希望を持たせるようなことを言ってしまっているのですね。
ジジはこの後、電話が来ないなら会いにいってやる、とコナー行きつけのバーに出向いてアレックスに「君に興味がないから電話してこないんだよ」と一刀両断されてしまいました。
現実をしっかり見ずに都合のいいポジティブ・シンキングで恋愛に躓いている女性たちには、こうしてはっきり言われるショック療法が効くのかもしれません。
ポジティブ・シンキングは本来悪いことではなく、おいしいネタとして軽く流すときは有効です。
しかし行き過ぎたプラス思考には「ポリアンナ症候群」という名称がつけられており、現実逃避や、嫌われているのに気づかずに相手に付きまとってしまう弊害も生んでしまいます。
真剣な恋愛では、空想と紙一重のポジティブ・シンキングはNGです。
現実的に彼・彼女を手に入れるためには、苦い現実を味わって相手の真意をきちんと知らなければ先に進めなくなります。
別れを決意したり不倫だったり…
全員十人十色な恋愛をしていますが、目指すところは「幸せな結末」以外に他なりません。
そのために皆、七転八倒しながらも前に進んでいこうとします。
ラストでひとり釈然としない結末になったのは、どっちつかずの態度になって前を向こうとしなかったベンだけでした。
ベンと離婚したジャニーンは心機一転してスッキリした顔をしていました。
不倫関係にあったアンナも本格的に歌手の道を目指してクラブで歌います。
こちらも不倫を清算したおかげで憑き物がとれたような表情で生き生きしているようです。
他の人たちもケンカしたり傷ついたり、紆余曲折がありながら最後には自分たちの納得いく結末に収まって幸せになります。
ラストのナレーションでは「幸せな結末は前に進むこと、そして望みを捨てないこと」とジジが観客に伝えて映画は幕を閉じます。
“諦める” は選択肢のひとつではあるけれど、まだ逆転のチャンスがあるうちは最後まで戦うことを推奨しているんですね。
現状を打開したい、という気持ちが人間に知恵をつけさせ、精神を強くさせるものだと思います。
コナーに見切りをつけてアレックスと上手くいったジジのように、その相手との恋愛は諦めても「誰かと恋をすること」自体は諦めなければ、きっと次の恋愛相手が現れます。
観ていてリアリティがすごくあると感じていましたが、原作は恋愛指南書なんですね。
納得しましたし面白かったです。
新品価格 |
他ドリュー・バリモア出演作品
「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」あらすじと感想【ネタバレあり】
映画「炎の少女チャーリー」(1984年版) あらすじと感想【ネタバレあり】
映画「E.T.」あらすじと感想【ネタバレあり】空前絶後の大ヒット作
他ベン・アフレック出演・関連作品
映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」あらすじと感想【ネタバレあり】違法な救いか遵法な虐待か
他ジェニファー・コネリー出演作品
「ラビリンス / 魔王の迷宮」あらすじと感想【ネタバレあり】
他スカーレット・ヨハンソン出演作品
「それでも恋するバルセロナ」あらすじと感想【ネタバレあり】から騒ぎな恋に虚脱感
他クリス・クリストファーソン出演作品
映画「ガルシアの首」あらすじと感想【ネタバレあり】悪銭身に付かず
映画「ブレイド」あらすじと感想【ネタバレあり】極東アジアの違いをきっと分かってない
他ジャスティン・ロング出演作品
映画「ダイ・ハード 4.0」あらすじと感想【ネタバレあり】ついに頭髪ゼロ
ジェニファー・アニストンはこちらでも活躍
新品価格 |