映画「ユージュアル・サスペクツ」あらすじと感想【ネタバレあり】
ブライアン・シンガー監督の出世作になったクライム・サスペンスの傑作です。
この作品でケヴィン・スペイシーがアカデミー助演男優賞を獲得し、注目されるきっかけになりました。
他にもガブリエル・バーンやスティーブン・ボールドウィン、ベネチオ・デル・トロ、チャズ・パルミンテリなど、地味ながら良い俳優を揃えています。
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あらすじ
カリフォルニア州サンペドロの港に泊まっている船。
あちこちから火の手が上がり、数体の遺体が転がっている甲板で、元刑事のキートンは疲れ切った様子で体を投げだしていた。
そんな彼に近づいた男は “カイザー” と呼ばれ、キートンの覚悟を確認してから彼に向けていた銃を発砲。
垂らしておいたガソリンに火を落として、船を炎上させた。
翌朝、この事故で生き残った二人の内、片足に障害を持った男ヴァーバルが警察署に保護された。
保釈までの2時間、関税局特別捜査官のクイヤンが話を聞く。
クイヤンは、船から消えた9100万ドル分の麻薬の行方と、キートンの生死が気になっていた。
ヴァーバルの供述によると、事の起こりは6週間前。
ニューヨークで、銃を積んだトラックが襲撃されてヴァーバル含む5人の男が容疑者として逮捕された。
その内のひとりキートンのことは、クイヤンが逮捕している。
他には、忍び込みのプロ・マクマナスとその相棒フェンスター、爆薬のプロであるホックニーなど。
全員が前科者で、容疑は警察によるでっち上げだった。
5人まとめて留置室に入れられたとき、マクマナスは手を組んで事件を起こすことを持ちかけてくる。
レッドフットという人物からの依頼で、汚職警官が乗り込んだパトカーを襲って宝石を奪う、というものだった。
無事に任務を完了した5人はカリフォルニアに向かい、レッドフットに会う。
そしてレッドフットを介して、コバヤシという人物から新たな依頼が届く。
サンペドロ港に停泊している密輸船を襲撃せよ、とのこと。
コバヤシは、伝説のギャング “カイザー・ソゼ” の部下で、依頼はソゼからのものだといい、5人は動揺する。
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感想
ずいぶん昔に観てから、今回久しぶりに視聴しました。
この映画はラストで驚く仕掛けになっているので、二度目ではあまり楽しめないかも、と思いましたが、内容を忘れていたこともあってラストを覚えていても十分面白かったです。
あと、カイザー・ソゼという名称も、なぜか頭にずっと残っている不思議。
とはいえ、序盤はちょっと場面転換が激しくて分かりづらさを感じます。
現在のヴァーバルの取り調べシーンの他、現場を調べるFBI捜査官 → 重傷で生き残った人の話を聞く病院シーン。
そこに目まぐるしく進む6週間前からの回想シーン。
少しだけ観ていて疲れる構成になっているな、と思いました。
でも休憩入れてしまうと、腰が重くなってしまうのでなるべく一気に観たいところ。
ハイスピードで物語が進みますしね。
カイザー・ソゼの命令ということで及び腰になる5人は、この依頼を断ろうとしますが、身内に危険が及ぶことを示唆されて、仕方なく実行します。
キートンの場合は、妻である弁護士のイーディでした。
何も知らない彼女はコバヤシの事務所に引き抜かれ、いつでも殺せるという意志をキートンは見せつけられます。
固辞していたフェンスターは実行前に殺され、脚が悪いヴァーバルは陸地で待機。
残る三人が船に乗り込み殺戮を繰り広げますが、マクマナスとホックニーは死亡。
そしてキートンの死亡が分からないことから、クイヤンは彼がカイザー・ソゼであり、全ての黒幕だと結論付けます。
しかしラストは…
ヴァーバルの話に出てくる固有名詞が、悉く署長室の壁に貼られた書類やコーヒーカップの裏面に書いてあった文字から抜粋したもの。
作り話だと気づいたクイヤンがヴァーバルを急いで追いかけます。
しかし保釈されたヴァーバルの足運びは、次第にスムーズになっていき、迎えに来たコバヤシの車で走り去り、追いつけなかったクイヤンが徒労する姿で終わりです。
気弱な男のフリで捜査官を騙す大物カイザー・ソゼに、観客も振り回されていたというオチです。
ヴァーバルの話はどこまでが真実だったのか、検証・考察されている方も大勢いらっしゃるかと思います。
そういった楽しみを残しているところが、名作たらしめたのかもしれませんね。
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