映画「風と共に去りぬ」あらすじと感想【ネタバレあり】困難な人生に立ち向かう強さ
1939年に公開された、映画史上に燦然と輝く名作映画です。
南北戦争を背景にしており、近年では「人種差別」と批判の声も上がっています。
プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの妥協しない姿勢に、撮影は困難の連続だった、という裏話も有名ですね。
特に主人公スカーレットを演じる女優探し、そしてヴィヴィアン・リーを見つけた逸話。
それ自体がドラマのように語り継がれています。
監督はヴィクター・フレミング。
リー以外の主要人物を、クラーク・ゲーブル、オリヴィア・デ・ハヴィランド、レスリー・ハワードが演じました。
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あらすじ
ジョージア州タラの裕福な農園主の娘スカーレットは、お嬢さまらしい勝ち気でわがままな女性。
多くの男性にチヤホヤされているが、本当は幼なじみのアシュレーだけを一途に想っている。
しかしアシュレーはいとこのメラニーと婚約し、スカーレットは思い切って告白するが見事にフラれてしまった。
しかもその現場をレット・バトラーという、名家出身だが粗野な男に見られてしまい恥ずかしい思いをする。
アシュレーたちが結婚を発表してすぐに北部との開戦になり、男性たちは兵士として駆り出されることに。
そのときにメラニーの兄で、アシュレーの妹の恋人でもあるチャールズがスカーレットにプロポーズしてきた。
アシュレーへの当てつけに承諾するが、チャールズは戦場で病死する。
喪に服すのに飽きたスカーレットは、気晴らしがてらメラニーたちが住むアトランタへ行きレットと再会。
看護師として戦争負傷者の看護をするが、戦争が激化しアトランタは危険な状況になってきた。
出産したばかりで体調が悪いメラニーと乳飲み子、奴隷のプリシーとだけでの脱出は困難なためスカーレットはレットを頼る。
馬車を盗んできたレットの先導で戦火のアトランタを脱出し、タラに向かった。
途中レットは従軍するため馬車を降り、スカーレットたちは飢えと疲労に苦しみながらタラに到着するが、一面焼け野原で死体が転がっており、アシュレーの実家は砲撃の痕が残る廃墟となっていた。
スカーレットの屋敷は無事だったが、北軍の指令基地にされていたため家財道具も食料も家畜もすべて奪い取られており、しかも母は前日に病死してスカーレットは打ちのめされる。
畑に出て干からびた大根を口にするが吐いてしまい、突っ伏して嗚咽した。
しかし立ち上がり神に誓う。
「もう二度と飢えに泣きません。そのためなら何でもします」
拳を握りしめ力強く宣言するのだった。
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感想
スカーレットは正直、性格は悪いです。
男性と女性とであからさまに態度を変え、人の彼氏でも平気で奪い取ります。
たとえ身内からでも。
当然女性からは嫌われていますし、男性も徐々に彼女についていけなくなって不満を持つようになります。
物語の主人公としては、ちょっと珍しいタイプですよね (;・∀・) マウンティング女子…
普通は「不遇だけどいい子」が、観客の共感を呼んで応援されやすいため主人公になりやすいですが…
こんなにイヤな女のタイプのスカーレットですが、前半の最後に雄々しく立ち上がって神に誓う姿に、観ているこちらは心を打たれて応援したくなります。
「強い人」は人を惹きつける魅力があるんです。
どん底の中でメゲない人間。
それがスカーレットの魅力となり、この作品に多くの人が魅了される所以だと思います。
だけどスカーレットは、あまりにも大勢の人たちを傷つけてきました。
自分本位で他人を軽視してきた結果が、ひとりぼっちのラストに繋がります。
まあ、レットも酷いとは思いますけどね ( ̄▽ ̄)
特にアトランタからタラに向かうときに、ひとりだけ途中で降りてスカーレットたちを見捨てたくせに、スカーレットが勝ち組未亡人になった途端にプロポーズしてくるんだもんなぁ。
そりゃ上手くいくはずない。
古くから仕えているマミーとビッグ・サム以外では唯一、メラニーだけがスカーレットの傍にずっといてくれたのですが、彼女は先に逝ってしまいました。
アシュレーの頼みだったとはいえ、戦火のアトランタの中で出産・看病、そしてタラへの逃亡、とメラニーを命がけで守り助けたことにずっと恩義を感じていたからでしょう。
他の人たちにも、ここまでじゃなくても親切を分け与えていたら、スカーレットは孤独にならなかったかもしれません。
メラニーが逝き、レットが去り、階段に突っ伏して泣くスカーレットだけど、また立ち上がります。
物事を「明日考えよう」と先延ばしするクセは治りませんが…
タラに戻る決意をし、また一から出直す闘志に満ちています。
最後まで強さを見せつける彼女の姿は、人生でどんな困難が待ち受けていても戦う勇気をもらえますね。
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