映画「テレーズの罪」あらすじと感想【ネタバレあり】欲しいものは全部手に入れたい
「なまいきシャルロット」のクロード・ミレール監督の遺作になります。
主演は「アメリ」のオドレィ・トトゥ。
魅力的なスマイルを封印し、一世を風靡したアメリとは真逆のキャラクターを演じきっています。
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あらすじ
1928年。
フランス南西部ボルドーに近い田舎町で、共に広大な松林を所有している家同士が結婚により領地を広げることになった。
花嫁のテレーズは、夫となるベルナールを愛していないが、家同士の結婚に納得している。
所有地が広がることは彼女にとっても楽しみなのだ。
ベルナールの妹アンヌは、幼い頃からテレーズと親友であるが、恋愛感情のない結婚に疑問を持っていた。
新婚旅行中に届いたアンヌからの手紙に、彼女がジャンという青年と恋仲になったことが書かれていた。
アンヌはテレーズと同様、家柄の釣り合いが取れた男性との結婚が決まっている。
当然ジャンとの交際は家族から反対された。
ジャンにのめり込むアンヌの説得を義母に頼まれ、テレーズたちは新婚旅行を予定より早く切り上げる。
親友ということもありテレーズがアンヌと話をするが、ジャンのことを楽しそうに話すアンヌに、彼と別れる方向で説得することはできなかった。
しかしベルナールと義母は、ジャンからの手紙は受け取れないようにし、アンヌを軟禁状態にする。
日に日におかしくなっていくアンヌを心配したテレーズは、両親としばらく旅行に行くように進言した。
その間にテレーズがジャンに手紙を書くように伝える、と請け負った。
アンヌはテレーズに感謝し、さっそく両親と一緒に出ていった。
そしてテレーズがジャンに会うと、彼はアンヌとは結婚する意志はなく、ただの遊びだと言い切った。
テレーズの勧めで別れの手紙を書き、それをアンヌに送るのだった。
手紙を読んだアンヌは、ひとり屋敷に戻りテレーズを罵った。
自分の恋を応援してくれていると思っていたのに裏切られた、と思ったのだ。
アンヌとのわだかまりを残したまま、テレーズは出産を迎えた。
義実家で産むことになり、ベルナールの家族や使用人たちに囲まれて暮らす生活は徐々にテレーズの心を蝕んでいく。
ある日、松林で火災が起こり、連日の消火作業にも関わらずなかなか鎮火しなかった。
消火活動にあたっていたベルナールも疲弊し、以前から時折起こっていた狭心症発作が頻発するようになっている。
ベルナールは医師から処方されたヒ素を4滴、水に入れて飲んでいた。
それを見たテレーズは、ベルナールを殺害する方法を思いつく。
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感想
テレーズ、欲張りな女性ですねぇ……
互いに「広大な土地が欲しい」という利害が一致して結婚したわけだけど、アンヌが真剣な恋をすればそれを羨ましく思うし。
アンヌの恋に反対して家名第一で古風な考えのベルナールに嫌気がさせば殺したくなるし。
子供はアンヌの方に懐いているから世話を任せるけど、取り上げられるとショックを受けるし。
なんというか…
あれも欲しい。 これも欲しい。 全部欲しい。 だからくれ! (・∀・)プリーズ
という感じで、何かを得るために何かを手放す、という考えを持っていない人っぽいんですよね。
それに笑顔もなく、喋り方もキツくて… あまりお近づきになりたくないタイプです。
結局、殺害は失敗し、ベルナールから自由を奪われ、そして最後には見捨てられる形で自由を得ます。
ベルナールから「なぜ自分を殺そうとしたのか」を問われますが、テレーズの答えは「わからない」。
うん、本当に分からない。
本人が分かっていないんじゃ、こっちに分かるはずないわな ( ̄▽ ̄)
欲しいものをすべて手に入れた上で自由を欲した、ということだったのかもしれません。
1920年代より女性の自由がある現代でも、この考え方はさすがに「ないわ~」と思いました。
自業自得の物語で、個人的にはあまり大した感想を持たなかったです。
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