映画「天河伝説殺人事件」あらすじと感想【ネタバレあり】シリーズ化には無理だった
内田康夫さんの「浅見光彦シリーズ」のひとつを、「金田一耕助シリーズ」の市川崑監督で映画化しました。
主演は榎木孝明さんで、ヒロインを財前直見さんが演じます。
市川版金田一でお馴染みの石坂浩二さんと加藤武さんコンビも顔を出し、岸恵子さんや岸田今日子さんなどベテラン女優も登場です。
新品価格 |
あらすじ
高層ビルが立ち並ぶ新宿の雑踏の中で、会社員の川崎は突然苦しみだして絶命した。
崩れ落ちる際、懐から転がり出たのは、奈良県吉野にある天河神社の五十鈴である。
その頃、ルポライターの浅見光彦は、取材で訪れた吉野山中で密猟を疑われて交番で足止めをされていた。
それを助けてくれたのは、地元旅館の女将をしている長原敏子だった。
東京・田園調布では、能の宗家・水上流本家で、他界した前宗家の追善能を催すことについての最終協議が行われていた。
現宗家の和憲と、分家の長老である高崎義則がそれぞれの演目を舞い、その後で孫の和鷹と秀美が「二人静」を舞うことになる。
しかし孫二人のうちどちらが主役を演じるかは、稽古の出来次第で和憲が決めるということだった。
実質的な後継者争いである。
和鷹が外の女の子供であるため、前宗家の本妻であり秀美の母・菜津は協議後、和憲に猛抗議をした。
一方、一度東京に戻った浅見は、家族ぐるみで付き合いのある国語学研究所所長の剣持からの依頼で、能についての取材のため再び吉野を訪れる。
敏子の宿に泊まることにし、能楽の面や文書が収められている天河神社に取材のため向かう途中、山道で高崎を見かけた浅見は声を掛けてみた。
東京の警部たちも、川崎の死因が毒殺だと分かり、五十鈴の手がかりから吉野にやってきていた。
翌朝、山中で高崎の遺体が見つかり、浅見に容疑がかかる。
新品価格 |
感想
配給元の角川としては市川版金田一のようにシリーズ化したかったようですが、あれほどの爆発力はない作品でした。
まとまってはいるんですけどね…
変な話になりますが、死体にショッキングな要素がないんです。
犬神家のあの強烈な猟奇に慣れてしまうと、血糊は少ないし、ポーズも大したことない。
スケキヨとか菊人形に紛れ込んだ生首とか、やっぱそういうのをやってのけた監督の作品だから、つい期待しちゃったんですよね。
どうにも大人しくて、物足りない。
日本の伝統芸能である能楽をモチーフに持ってきて、雰囲気はそれらしくしているけれど、映画というよりテレビドラマのようなチープ感が漂います。
辛口になりましたが、全然面白くなかったわけではないです。
加藤武さん演じる警部が、お馴染みの「よしっ! わかった!」を披露したときは歓喜しましたし、犯人が金田一でも犯人を演じた方なのを見てニヨニヨしました (∩´∀`)∩
刺激は少ないけど、そこそこ楽しめる作品です。
中古価格 |
他 市川崑 監督作品
映画「犬神家の一族」(1976年版) あらすじと感想【ネタバレあり】
映画「悪魔の手毬唄」あらすじと感想【ネタバレあり】猟奇美を楽しもう
映画「獄門島」あらすじと感想【ネタバレあり】依頼を果たしてないぞ金田一
映画「女王蜂」あらすじと感想【ネタバレあり】いじめられっこ金田一の功績
映画「病院坂の首縊りの家」あらすじと感想【ネタバレあり】金田一最後の事件
他 岸田今日子 出演作品
映画「この子の七つのお祝いに」あらすじと感想【ネタバレあり】
他 岸部一徳 出演作品
映画「女殺油地獄」 (1992年) あらすじと感想【ネタバレあり】
他 内田康夫 関連作品
内田康夫「箱庭」あらすじと感想【ネタバレあり】浅見光彦シリーズ61作目…でも初めて読む
新品価格 |