映画「デッドゾーン」あらすじと感想【ネタバレあり】超能力を手にした善良な男の悲劇
ベストセラー作家スティーブン・キングの原作を、「ヴィデオドローム」の鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督で映像化したSFサスペンスの傑作です。
主演はクリストファー・ウォーケン。
キングが創造した架空の田舎町キャッスルロックを舞台に、超能力に目覚めた平凡で善良な男性の悲哀を描きます。
あらすじ
キャッスルロックで教師をしているジョニー・スミスの人生は穏やかで平和なものだ。
同僚教師のサラと婚約していて公私ともに順調。
日曜日のデートで遊園地に行き、ジェットコースターに揺られている最中、頭に何か違和感を覚えるがすぐに収まった。
デートが終わり、サラを家に送る。
家に招き入れようとするサラの誘いを断って、ジョニーは車で家に向かった。
そして交通事故に遭う。
ジョニーが目覚めたのは5年後だった。
その間、目に見える外傷は無くなっていたが、足に後遺症が残り歩行が困難になっていた。
そしてサラは別の男性と結婚したと聞かされる。
仕事も恋人も失いジョニーは絶望するが、それでも両親が待っていてくれたことが救いだった。
ある日、寝ているジョニーの病室に看護師がリネンの替えを持って入ってきた。
彼女はジョニーが寝汗を掻いているのを見てタオルで拭き取ってやる。
すると目覚めたジョニーが彼女の腕を強く掴んだ。
彼の目に映るのは、燃え盛る子供部屋の隅で泣き叫ぶ少女の姿。
エイミーという名前が直感で分かると、看護師の娘だという。
いま現在のエイミーの状況がジョニーには見えたのだ。
ジョニーは看護師に、急いでエイミーを助けに行くように言う。
弾かれたように走り出した看護師が自宅に着くと、消防隊によって火事は鎮火しており、エイミーがちょうど助け出されたところだった。
この話を聞いた入院先の病院長ウイザックは、超能力について懐疑的だった。
しかしジョニーが、戦禍の中で母と別れ別れになった子供の頃のウイザックを見、そして母の無事を伝えるとウイザックは否定しつつも気になった。
ジョニーから教えてもらった住所を元に番号を調べて、ウイザックは母に連絡を取った。
そして懐かしい母の声を聞いてウイザックは目頭を押さえる。
この一件でウイザックは、昏睡中にジョニーに超能力が目覚めたのだと指摘する。
ジョニーが目覚めたことを聞いたサラも見舞いにやってきた。
すでに10ヵ月の子供がいるという。
5年も昏睡していたことをジョニーは悔いた。
ジョニーの超能力はすでに世間では話題になっており、記者会見をすることにした。
集まった記者たちは当然意地の悪い態度だ。
ジョニーは一人の記者の手を取り、彼の妹の自殺原因を突きつけようとする。
青ざめた記者は手を振りほどき、ジョニーを「化け物!」と詰った。
会見をテレビで見ていたジョニーの母は、ショックから心臓発作を起こし、しばらくして亡くなった。
退院し、父と二人暮らしとなったジョニー宅に保安官のバナーマンが訪ねてくる。
このキャッスルロックで起きている連続殺人事件の解決をジョニーに手伝ってほしい、と頼んできた。
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感想
この映画の本筋はラスト20分前から始まります。
それまでは連続殺人を解決したり、家庭教師についた少年の危機を救ったり…
そんな小さなエピソードを重ねていき、その過程で大統領候補スティルソンが登場。
この男との握手でストーリーがようやく大きく動き出しました。
もちろんそれまでの細かなエピソードは無駄なのではなく、ここに至るまででの役割は大きいです。
……長い前置きではあるけれど (;´∀`)
でも各エピソードだけでも面白いから後にドラマにもなったんですよね~。
(ちょっと機会を逃して観てないんですけど)
握手したことでスティルソンが核弾頭ミサイルを発射する未来を見てしまったジョニー。
知ってしまったらほっとけないです。
善良な元教師ですから。
で、スティルソンを殺そうとしますが失敗。
だけど銃口を向けるジョニーに対抗するためスティルソンがとった行動が…
最低の極み!!
近くにいたサラの子ども (赤ちゃん) を自分の盾にする暴挙。
この行動が写真に撮られて破滅します。
ジョニーは結局用心棒に撃たれたことで死んでしまうのですが、スティルソンの未来が変わったことが見えて、安堵してから旅立ったのでスッキリします。
彼が戦争を回避させたという英雄的行動を取ったことは誰にも気づかれず、そこが超能力を持ってしまった人の哀しさだと思うのですが、スティルソンの本性を暴露させたことの意義は、遺された人たちが後に称えたんじゃないかなと思います。
哀しいラストなのですが、勧善懲悪で胸がすくストーリーです。
だから観終わった後「ああ面白かった」と満足します。
で、すごく面白かったものだから、初めて見た数年前、つい魔が差して原作を原書で購入したのですが、まだ最初の数ページしか読んでません…
い、いつかちゃんと… ら、来年には…… (震え声)
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