映画「雨の午後の降霊祭」あらすじと感想【ネタバレあり】メンヘラにしか分からない誘拐目的
リチャード・アッテンボローが製作と主演を兼ねたサイコ・サスペンスです。
もう一人の主演キム・スタンレーの演技は、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。
ブライアン・フォーブスが監督と脚本を担当しています。
1999年に黒沢清監督が「降霊 KOUREI」のタイトルでリメイクした作品です。
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あらすじ
毎週水曜日の定例降霊会を終えた霊媒師のマイラと、その夫のビリー。
マイラの主導で、この後ある少女を誘拐することにしている。
その子を監禁するため、亡くなった息子アーサーの部屋を整えるふたり。
誘拐の実行はビリーがひとりで行なう。
サイドカーつきのバイクで廃工場の敷地まで行き、そこからバスに乗って少女が通う学校に着いた。
運転手付きの車で送迎されている少女は、富豪クレイトン氏の娘アマンダである。
ビリーは運転手に「校長が呼んでいる」と嘘をつき、校舎に向かう彼の姿が見えなくなったところですかさず車に乗り込んで走り去る。
後部座席のアマンダはアクリル板の仕切りを叩いて抗議するが、ビリーは完全に無視して廃工場まで車を走らせた。
そしてアマンダに薬品を嗅がせて気絶させ、サイドカーの中に彼女を入れて自宅までバイクで向かう。
車のそのまま乗り捨てて行った。
計画通りアーサーの部屋に閉じ込めたアマンダに、マイラは看護師のふりをして接触する。
その裏でクレイトン夫妻に送る脅迫文を作成していた。
アマンダ誘拐はすぐに新聞で報じられる。
マイラはクレイトン宅に出向き、この事件に関連がある夢を見た、と夫妻に告げる。
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感想
誘拐の目的が途中で分からなくなりました。
最初は「マイラはインチキ霊媒師で、自分たちで誘拐した子を自分が見つけた、という体にして世間の関心を得ようとしている」と思っていました。
しかしいつまでたっても霊媒を披露しない。
それどころか本当に身代金を奪ってふたりでどこか遠くに行きましょう、と言ってのけます。
元々ビビりのビリーは (なんかダジャレっぽくなった…) 終始うろたえているのですが、マイラはメンヘラ特有の万能感が宿っちゃったような強気姿勢を崩しません。
元々いろんなことが雑でザルな計画なんで、とっくに破綻しているのですがマイラは常に「大丈夫」と言ってニッカーといい笑顔を向けます。
どこに大丈夫な根拠があるのよ…
とはいえザル計画なんだけど、危ういながらもビリーはいい働きして、なかなか警察に捕まりません。
キワキワのところで身代金もちゃんと強奪しております。
逆探知に気づかず変声器も使わずに長々と電話で喋っちゃったり、運転手に顔見られたりと素人丸出しにもかかわらず。
そして指示役マイラは、クレイトン氏からは胡散臭がられたけど、奥さんの取り込みに成功。
定例降霊会に現れた彼女を見て大満足ですが、その隣の部屋にアマンダがいます。
寝言で何度も「マミー」と口にするアマンダにビビリビリーはヒヤヒヤしますが、マイラはこのスリルを楽しんでいるよう。
「ロープ」の主人公たちを思い出しました…
「ロープ」あらすじと感想【ネタバレあり】優秀な人間と自分で言う人って…
降霊会主催者として意気揚々と降霊を行います。
呼び出すのは亡き息子アーサー。
いつも通り輪になってマイラが言葉を発し、そして「死ぬ!」と言ったとたんにマイラは昏倒します。
アマンダを殺す気だとビリーも悟ります。
参加者を帰らせた後、ビリーは初めてマイラにハッキリと抗議の声を上げました。
アーサーは実は死産だった子で、マイラのいうように雄弁に語りかけてくるはずがない。
すべてマイラの頭の中で考えた言葉を言っているだけ。
そう言いますが、マイラは受け入れず、寂しがっているアーサーがアマンダを欲しがっている、と言い張って平行線です。
で、この言い合いの末、結局またビリーが「どうすればいいんだ」と折れてしまって… 残念。このヘタレめ~ (# ̄皿 ̄)
もっとしっかり止めなきゃダメでしょ! とイライラしました。
だけどこの言い合いのシーンからラストまでが一番面白いです、この映画。
マイラに逆らいきれず、眠るアマンダを森に置き去りにしてきたビリー。
近くのキャンパーがすぐに気づいて、警察が来るのも時間の問題。
想像通り警察はすぐにやってきて、マイラに霊媒による事件解決をお願いしてきました。
珍しく緊張するマイラに、意外と落ち着いているビリー。
マイラに本当に霊能力があったのかは最後まで分かりませんでしたが、キム・スタンレーってパントマイム上手いな、と思いました。
そして最後まで誘拐の目的がよく分かりませんでした。
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