映画「神経衰弱ぎりぎりの女たち」あらすじと感想【ネタバレあり】
ペドロ・アルモドバル監督の初期代表作のスペイン映画です。
賞レースの常連である演技派カルメン・マウラが主演を務めました。
まだ若手だった頃のアントニオ・バンデラスも出演しています。
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あらすじ
同棲中だった恋人イバンに捨てられたテレビ女優ペパ。
泣きつかれて眠っている彼女は、彼と一緒にするはずだった外国映画の吹き替えの仕事もブッチし、彼からの電話にも気づかない。
留守電に入っていたイバンからの言葉は、別れの謝罪と共に、今夜ストックホルムに旅行に出かけるから荷造りをしておいてほしい、というものだった。
起き上がったペパは大幅に遅れてスタジオに行き、吹き替えの仕事をこなす。
もう仕事を終えて帰っていったイバンに連絡を取ろうと、彼の元カノ・ルシアに電話したが怒鳴られて切られてしまった。
憔悴のペパは、手製のガスパチョ (トマトベースの冷製スープ) に睡眠剤を入れてみたり、ボヤを起こしたり、イバンの旅行カバンにいらないものばかり詰め込むなど、情緒が不安定である。
しつこく「話を聞いて」と言ってくる女友達カンデラからのメッセージに嫌気が差して電話機を外に投げ捨てたところで、本人登場。
自分のことで頭がいっぱいのペパは、カンデラの話に興味がなく、適当に躱していると別の来客がやってきた。
ペパは不動産屋にこのペントハウスを貸し出すことを申し出ており、その下見にやってきたカップルだった。
しかし偶然にも、そのカップルの男性はイバンとルシアの息子カルロスであった。
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感想
舞台劇になっても通用するようなドタバタした喜劇です。
ようやく耳を傾けたカンデラの話は、最近付き合い始めた男が、実はシーア派のテロリストで逮捕されてしまった、というものでした。
共犯者として自分も逮捕されてしまう、と怯える彼女を宥めるため、弁護士に依頼することに。
その弁護士は、イバンの現在の恋人のパウリナ。
これから旅行なのよ、と迷惑がる彼女がイバンの現恋人と分かり、ペパは思いっきりビンタしてスッキリします。
カンデラの弁護をさせるという目的は達成していない… (;￣▽￣)
ペパがパウリナの事務所に行っている間、眠剤入りガスパチョを飲んで眠りこんでしまった婚約者マリサを放って、カルロスとカンデラは急接近。
未だ鞄を受け取っていないイバンも外をウロチョロし、しまいにはルシアと警察までペントハウスまでやってきます。
事態をなんとか収めようとするペパはガスパチョを振舞って刑事たち、それから電話の修理にやってきた青年を眠らせました。
しかし狂気のルシアは刑事たちの拳銃を奪って、イバンを撃つべく空港に突進。
外に出たルシアの目の前に、同じアパートに住む女性のデート相手がバイクで待っている、という映画ミラクル…
思いっきり作為的だけど嫌いじゃないです、こういうノリ。
ペパと女性はタクシーで追いかけ… 同じタクシーに3回も遭遇するミラクルも発動w
ハチャメチャな展開が広がって、ルシア追跡劇はアクション映画のよう。
そして助けたことで改心したイバンに一発くらわすかと期待したのですが…
ペパは身勝手な浮気者イバンを許して、そのまま彼をパウリナと旅行に行かせるんですね～。
ずっと歯をむき出しにして怒っていたから、そのカタルシスを開放するかと思っていたのですが、ちょっと拍子抜け。
でもイバンの鞄の中は、必需品はまったく無く、むしろいらないものばかりなので、現地で困らせるのが目的だったのかもしれません。
ガッカリする顔が見られないのが残念だけど。
ペパはじめヒステリックな女性たちが多くて煩さを感じますが、途中から「これどうオチがつくんだろう」と気になって面白かったです。
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