映画「マネキン」あらすじと感想【ネタバレあり】80年代のピグマリオン
「SATC」のキム・キャトラルがキュートなヒロインを演じたファンタジックなロマンティック・コメディです。
主人公は「セント・エルモス・ファイヤー」「プリティ・イン・ピンク」などの青春映画で人気だったアンドリュー・マッカーシー。
スターシップが歌う主題歌「愛は止まらない」もヒットしました。
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あらすじ
彫刻家を夢見ている芸術家肌で物事にじっくり取り組むタイプのジョナサン。
そのせいで仕事が遅く、量産が求められる仕事はすぐクビになってしまう。
おかげで恋人のロキシーからも呆れられてしまった。
雨の中トボトボとバイクを押して帰る途中、マネキン製造工場で働いていた時に、6日間かけて作り上げた渾身の一体がプリンス・デパートのショーウィンドウに飾られているのを見つけてジョナサンは駆け寄った。
自分が作ったマネキンに恋焦がれ、話しかける。
そばにいたい、と願った。
翌朝、デパートに大看板が正面玄関前に設置されようとしていた。
このプリンス・デパートは創業100周年になるのだ。
マネキンを見に来ていたジョナサンに、社長は誇らしげに話しかける。
感じのいい老婦人である社長の話に、ジョナサンも笑顔で合わせた。
そのとき看板に掛けていたワイヤーの1本が外れ、ジョナサンは咄嗟に社長を庇う。
そして看板を止めようとタックルするが逆に翻弄される。
社長は申し訳なさとお礼に、職がなくて困っているジョナサンを雇うことにした。
雑用係として雇ってもらえたが、デパートは閑古鳥が鳴いていた。
ライバルのイルストラ・デパートに買収されそうになっている。
イルストラはロキシーが運営側として働いているところだった。
そしてプリンス・デパート内にもイルストラと組んでいる裏切り者がいた。
部長のリチャーズと、彼に忠実な警備員フェリックスだ。
ディスプレイ担当のハリウッドと仲良くなったジョナサンは、ショーウィンドウ内に入らせてもらう。
マネキンと二人きりになると、急にマネキンは人間になってジョナサンに話しかけてきた。
腰を抜かすほど仰天するジョナサンに、元マネキンはエミーと名乗り、こうなった経緯を説明する。
目を丸くするジョナサンだが、人間になった彼女は正に理想の女性だった。
ふたりでデパート内を見て回るうち、ジョナサンはディスプレイのアイディアが浮かんだ。
ジョナサンの前でしか人間になれないエミーは翌朝またマネキンに戻る。
スポーツカジュアルをテーマにした明るくポップなディスプレイは評判になり、ショーウィンドウ前には人だかりができた。
社長はジョナサンをディスプレイ担当に変え、次々と斬新なディスプレイでプリンス・デパートの売り上げに貢献していく。
毎晩エミーと一緒にデパート内を遊び回っているから出るアイディアで、エミーは彼のミューズだった。
しかしイルストラ側は売り上げが大幅に下がり、買収どころではなくなってきたことに焦り始める。
イルストラの社長はロキシーを使ってジョナサンを引き抜こうとし、リチャーズとフェリックスもジョナサンの弱みを握ろうと目を光らせる。
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感想
1987年の作品で、すごく80年代らしい映画です。
肩パット入り過ぎのファッション、シンセサイザーめっちゃ使ってるBGM。
ダサいけどオサレな陽気さ溢れる雰囲気が、ワクワクさせる空気に満ちています。
トントン出世していくサクセス・コメディであり、ありえない設定でも気にならない底抜けに明るいハッピーエンドのロマンティック・コメディ。
悪役もコミカルで、すぐ失敗するから「あ~、コイツ早くやっつけられてくれぇ~(イライラ)」となるようなカタルシスもなく素直に楽しめます。
ちなみに悪役のリチャーズを演じているのはジェームズ・スペイダー。
イヤミったらしい役は得意な人ですが、コメディ演技でそういう役に取り組んでいるのはこの作品ぐらいです。
素顔は物凄い美形なのに、なかなかの顔芸&小物丸出しの動きで愉快な人になっています。
昔すごく好きだった俳優さんで、このリチャーズ役も良かったと思うんだけど、評論家みたいな人たちからは「演技が大げさ、やりすぎ」とウケが悪かったです。
おバカ系のコメディで抑えた演技なんて必要ないじゃんか、と当時思いましたね。
リチャーズと悪役コンビになっているフェリックス役は、「ポリスアカデミー」シリーズで有名なG.W.ベイリーです。
近年もドラマ「クローザー」「メジャー・クライムス」のレギュラーで活躍し、日本でも人気があるコメディ俳優ですよね。
この映画でもやっぱり面白いです。
ギリシャ神話のピグマリオンがモチーフになっていると思いますが、自分が作ったマネキンに本気で恋するジョナサンも、ピグマリオンと同様に変態です。
でもこの映画、まともな人がほとんどいないんですよね(;^ω^)
だからジョナサンの変態があまり気にならない。
むしろピュアな恋に昇華されている。
世の二次元好きに希望を与えて… そんなわけないだろ!
いやでも、AIとかVRとかがもっと発展&普及したらもしかして…ゴニョゴニョ(._.)
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