映画「映画に愛をこめて アメリカの夜」あらすじと感想【ネタバレあり】
映画制作の舞台裏をコミカルに綴るフランソワ・トリュフォー監督・出演作品です。
監督のラブコールでジャクリーン・ビセットが主演女優を務めます。
また、監督自身を投影しているお気に入り俳優ジャン = ピエール・レオがワガママな若手俳優を演じました。
タイトルの「アメリカの夜」とは、昼間の撮影でレンズにフィルターをかけて夜のシーンに見せる撮影技法のことをいいます。
あらすじ
南仏リビエラにある撮影所で、フェラン監督の最新作「パメラを紹介します」の撮影が始まった。
息子の妻パメラと恋に落ちる父、という悲劇作品だが、まだパメラ役のイギリス人女優ジュリーが到着していない。
フェラン監督は、プロデューサーから小道具係まで、絶え間なく続く質問に答えていき「映画監督とは質問に答える仕事なのだ」と製作の大変さに嘆息する。
息子役の若手俳優アルフォンスは、自分の彼女リリアンをスクリプトガールにねじ込んでいて、これで撮影中もふたりは一緒にいられる。
そして父役の俳優アレクサンドルと、母役の女優セヴリーヌは昔つきあっていた仲。
ケンカ別れをして以来共演NGだったのだが、この映画でようやく再共演となった間柄だ。
そんな恋愛模様や人間ドラマが、キャストのみならずスタッフ間でも交わされ、撮影は数々のトラブルに見舞われながら撮了まで突っ走っていく。
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感想
映画を夢中で観ている最中、こんなに大勢のスタッフがいるとは思いません。
足元にケーブルやらカメラ移動用のレールがあることも考えません。
そんな夢の世界の現実を容赦なく見せる作品です。
少年時代から映画館に通って、映画を愛してやまなかったトリュフォーも、作る側に回るとあまりの大変さに「ひたすらこの映画を撮り終わるのを願うのみ」と心に虚無感を抱えるリアルの厳しさよ…
実体験に基づいている苦労話が随所に出ています。
セリフを覚えられない、開ける扉を何度も間違えるベテラン女優のケア。
脇役女優が人知れず妊娠していて、次の登場は5週間後でピンチ。
失恋した俳優が仕事投げだしそうになるし、夫婦の危機に動揺して楽屋から出て来なくなる主演女優。
思った通りに動いてくれない猫。
てか、2日絶食させたとか、動物虐待すんなアホ
そしてスケジュールが遅れればお金の問題も出てくるし…
とどめに父役の俳優が急死!
それに伴って撮影も休止!
(くだらないダジャレ飛ばしてんじゃないよ)
監督の立場だったら泣きたくなるようなトラブルの数々。
だけど、どんなに苦労してもまた撮影したくなる。
天職ってそういうものなのでしょう。
すべてが終わって、親密な時間を過ごした人たちともお別れです。
肩の荷が下りて、みんなホッとした表情で帰っていきます。
そのままエンドロールに入り
あえてハリボテの裏側を見せて終わらせるセンスwww
やっぱ面白いわ、トリュフォー(≧▽≦)
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