アントニオーニ監督作品「夜」あらすじと感想【ネタバレあり】
マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モローが倦怠期の夫婦を演じるミケランジェロ・アントニオーニ監督作品です。
監督のミューズであるモニカ・ヴィッティも小悪魔的な役割で関わってきます。
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あらすじ
死の床についている友人トーマゾの見舞いにやってきた作家ジョヴァンニと、その妻リディア。
弱々しくなっていながら、自分たちにシャンパンを振舞い、生への執着を見せる彼の姿に居たたまれなくなったリディアは、先に病室を出る。
彼女は昔トーマゾと恋人同士だった。
残されたジョヴァンニも、シャンパンを飲み干してからトーマゾに別れを告げる。
エレベーターに乗り込む前に、ニンフォマニアの女性入院患者に誘惑されて困惑するが、駆けつけた看護師たちのおかげで事なきを得た。
その頃リディアは建物の影に隠れて、死にゆくトーマゾを哀しみ泣いていたが、それをジョヴァンニが知ることはない。
これからサイン会である。
ふたりはそのまま大型書店に行くが、あいさつ回りをしているジョヴァンニに、手持ち無沙汰になったリディアは外に出た。
特に目的もなく街を散策し、裏通りにも足を踏み入れる。
迷子に声をかけたり、若者たちのケンカを止めたり…
時間はあっという間に経ち、ジョヴァンニのほうが先に帰宅している始末だ。
リディアはミニチュアロケットを打ち上げているイベントを見つけ、ジョヴァンニに電話する。
迎えに来たジョヴァンニは、サイン会に来た大富豪ゲラルディーニからパーティーに招待されたことをリディアに告げる。
ふたりは帰宅して身支度をし、パーティーに行く前にキャバレーに寄った。
ジョヴァンニはリディアとの会話はそこそこに、ダンサーに注目する。
そしてゲラルディーニの邸宅に行き、一通りの挨拶を済ませると、騒がしい会場から離れた場所でひとり遊びをしているゲラルディーニの娘ヴァレンティーナがジョヴァンニの興味を惹いた。
リディアもすでに別行動をとっている。
彼女は病院に電話してトーマゾの容態を聞くと、彼は10分前に息を引き取ったと言われてショックを受けた。
ジョヴァンニがヴァレンティーナと浮気しているところを見ても、もう何も感じなかった。
リディアは、すでにジョヴァンニに対して欠片も愛情を持っていないことを自覚する。
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感想
アントニオーニ監督の映画を観たのは今回初めてです。
「愛の不毛」を描くのを得意としていると聞いていましたが、本当心に不毛感が残る作品でした。
歩き回るリディアや、曲芸並みの凄技を出すダンサーのシーンなど、正直本筋とは関係ないところにものすごく尺を取っているので、2時間ある映画だけど、1時間半くらいにまとめられたんじゃないか、と思いました。
実は睡魔に負けてしまい、一旦途中で止めて仮眠を取ってから続きを観たもので…
夫をもう愛せなくなったリディアの心情を伝えるのに必要な演出だったとは理解できますが、途中で退屈になってしまったのも事実です。
ダンサーの動きには驚嘆しましたけどね (゚д゚) あれはすごいわ。
モローも相変わらず演技上手いし。
全編ミラノでロケされています。
1961年当時のミラノ。
すっごい都会でオシャレです。
並み居る高層ビルやデザイン建築に、当時の流行のヘアスタイルやワンピース姿の通行人たち。
日本もそうだったけど、イタリアもこの時期は高度成長期。
「愛の不毛」という内容にも関わらず、画面から時代の活気がムンムン漂っています。
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