映画「ダイヤルMを廻せ!」あらすじと感想【ネタバレあり】詰めの甘さ以外は完ぺきな犯人
ヒッチコック監督作品の中でも人気の高いサスペンス映画です。
ヒロインは監督お気に入りのグレース・ケリー。
彼女を殺そうと画策する夫役をレイ・ミランドが演じます。
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あらすじ
ロンドンで暮らすトニーとマーゴの夫婦。
ニューヨークから戻ってきた推理作家のマークと不倫関係にあるマーゴは、近況について彼に相談する。
トニーにバレないように、マークからの手紙はいつも燃やしているのだが、彼女は1通だけ大切に取っておいていた。
ある日、その手紙が入っているバッグを駅で盗まれ、その後脅迫状を受け取ったのだ。
資産家の出のマーゴは、その脅迫状のとおりの金額を支払ったという。
三人で芝居を観に行く予定だったが、直前でトニーがキャンセルした。
仕事が入ったから、と家に残り、マーゴたちを送り出す。
そしてトニーは、学生時代の知り合いで脛に傷を持っているスワンという男を家に呼んだ。
トニーはマーゴの不倫を知っており、バッグを盗んだのも脅迫状を出したのも彼だった。
この夫婦はマーゴのほうが金持ちで、彼女に捨てられたらトニーはこれまでの生活を維持できなくなる。
しかしマーゴが死ねば遺産は彼のもの。
トニーは彼女の殺害計画を立てていたが、アリバイが必要である。
そこで小悪党のスワンを脅し、金を握らせて半ば強制的にマーゴ殺害を命令する。
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感想
犯人として、なかなか強敵のトニー。
綿密に計画を立てるし、失敗しても臨機応変に対応できるしで、お嬢さんのマーゴは瞬く間に彼の罠に嵌っていってしまいます。
彼女が死刑宣告を受けるのはかなり意外な展開でした。
警察がトニーを疑い始めたのは、マーゴが逮捕されてからの金遣いの荒さ、というのだから、この詰めが甘くなければまんまと妻を死刑にさせて財産をせしめていたってことですよね~。
マークの追求も軽々と躱していたし、罠を張られていなければ尻尾を出すことはなかったと考えると、初犯とは思えないほど優秀な犯人。
言及されてないけど、きっと前にもやってる。
しかし本来だと、トニーの悪事はすべて暴かれ、死刑を逃れたマーゴに同情するところなんですが…
不倫女じゃな~( ̄皿 ̄)
良かったね~、と素直に言えない複雑な心境になりました。
マーゴが襲われるシーンの緊迫感はさすがのヒッチコックイズムです。
暗闇の中、無言電話に不審な顔をするマーゴと、背後で息を殺しながらストッキングを構えるスワン。
数回「さあ殺るぞ!」と身を乗り出して止める、を繰り返すタイミングとか、バッチリです。
観ているこちらも「ひうっ! …ほ~っ」の繰り返し。
そしてついにマーゴの首にストッキングが巻かれると、「サイコ」でのジャネット・リー殺害に匹敵する怖さです。
作中一番の見どころだと思います。
それにつけても、この映画、ずっと「鍵」が決め手なんだけど、入れ替わりが激しくなりすぎて、何がどの鍵なんだか途中からワケわかんなくなって頭プシュー。
なんでどの人もキーホルダーとかリボンとかつけてないのぉ?
(つけてたら最後のオチが台無しになるからです)
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