映画「恐怖の岬」あらすじと感想【ネタバレあり】自衛手段がヌルい
1962年公開の、グレゴリー・ペック、ロバート・ミッチャム主演のサスペンス映画。
1991年にロバート・デ・ニーロ主演で話題になったリメイク作品「ケープ・フィアー」のオリジナルです。
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あらすじ
8年前。
弁護士のサム・ボーデンが仕事でボルティモアに行ったとき、ホテルに向かう途中の路上で女性が男から暴行を受けているところを目撃した。
加害者の男マックス・ケイディはすぐに逮捕され、サムの証言により8年の実刑を喰らった。
刑務所でサムへの逆恨みをケイディは募らせる。
裁判を済ませて車に乗り込んだサムに、出所したマックスは声をかける。
直接的な脅しの言葉はない。
しかし8年前の復讐をする気でこの街に来たことは分かった。
休日にサムは妻ペギーと娘ナンシーと一緒にボーリング場にやってくる。
そこでマックスがサム一家をストーキングしていることに気づき、すぐに友人の警察署長ダットンに連絡した。
マックスが近づかないようダットンに協力してもらい、家族にも事情を話して警戒するように伝えた。
飼い犬のマリリンは老犬だが、よく吠えて番犬としてまだまだ現役である。
だが元気よく吠えていたマリリンが突然うめき声を上げて死亡する。
ストリキニーネを混入した肉をどこかから与えられて毒殺されたのだ。
マックスの仕業に違いないが証拠がない。
ダットンに頼んでマックスを任意同行させ、街から出ていくようプレッシャーをかけるが、マックスは警察を嫌っている弁護士を雇ってダットンたちの動きを封じてきた。
サムはダットンの助言で探偵のシーバスを雇う。
そんな折、ダイアンという女性がマックスから暴行を受け、サムたちも駆けつける。
殴られた痕が痛々しく、ショックを受けている彼女は何を聞いても答えてくれなかった。
マックスの報復を恐れてダイアンは街を出ていく。
マックスの危険性を改めて認識するサム。
気を付けていたはずなのに、マックスが近づいてくるのを見てパニックを起こしたナンシーが事故に遭い、サムの家に電話をかけて応対したペギーが絡まれるのを聞いて、サムにも我慢の限界にくる。
マックスを殺そうと銃を手に取るが、ペギーの説得で断念。
代わりにマックスを呼び出し、金で解決を図ろうとする。
しかしマックスはそれを断り、サムの幸せをすべて奪うと言ってきた。
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感想
ストーカーの恐怖。
しかもサム本人だけではなく、家族を狙ってきているからタチが悪い。
なかなかいい筋肉しているマックスを、「あおり」の構図で映すことで悪を引き立てています。
とはいえ、演出に粗は多いです。 特に後半(;´∀`)
肝心要のサム側の防衛がヌルくて、そのせいでなんか「ここには大勢スタッフがいて、こういう演技をしろって言われてやってるんだな」という現実がどうしても見えちゃうんですよ。
特にペギーとナンシーの、女優ふたりの大根ぶりが酷いために興ざめしてしまうんですよね。
せっかく主演ふたりをはじめオジさんたちはいい演技してるんですけどね~(; ̄~ ̄)
マックスの不気味さを際立たせるためにも、サムたちの自衛手段も手抜きせず描いていたらクライマックスの戦いももっと緊迫していたはず。
「これだけやっても乗り越えるマックス」というのをもっと見せていれば、マックスの怖さは観客側にもシッコちびる勢いで伝わったと思うんですよね。
ターミネーターみたいになっちゃうけど… う~ん、でも惜しい。
ボートハウスまで逃げてきたのに安心してトラップのひとつも仕掛けてないんじゃなぁ。
マックスが現れても、ペギーは何もされてないうちからヒィヒィ言ってるし、ナンシーは棒切れをゆるく持って「さあ奪ってください」と言わんばかり。
サスペンスは追う側も追われる側も手抜きしちゃダメ。
ラストはセオリー通りにサムとマックスの一騎打ちになります。
で、当然サムが辛勝するわけですが、意外にもマックスを生かしたままにしておくんですね。
多分マックスは、サムが直接手を下さなくても過失とかで最後は死ぬと思ってました。
サスペンスのセオリーとして (・∀・)
残りの人生はずっと檻の中で過ごさせる。
確かにマックスに対しては一番効き目のある復讐です。
ああぁ、でもやっぱり演出が甘い~~ (汗
石で一撃した程度じゃこのムキムキマンはすぐ回復して襲ってくるって~。
銃口向けてるだけで言うこと聞くタマじゃないでしょぉ~。
しかも警察への電話もまだちゃんと繋がってないはずじゃない、もぉ~、と思って更なるバトルが来るかと思いました。
でもこのヌルい威嚇だけであっさり終了。
ちょっと肩透かしを食うラストでした。
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