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映画「ベネデッタ」あらすじと感想【ネタバレあり】思い込みの実現化、かもしれない

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

実在した修道女のノンフィクション小説を原作にしたポール・バーホーベン監督作品です。

監督の前作「ELLE」に出演したヴィルジニー・エフィラがタイトルロールの主人公を演じました。

若手のダフネ・パダキアも、大ベテランのシャーロット・ランプリングランベール・ウィルソン相手に体を張った演技を見せます。

 

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あらすじ

17世紀イタリア。

聖母マリアを敬う幼い少女ベネデッタは、ペシアの町にあるテアティーノ修道院に入会することになった。

入会には多額の寄付金が必要であるが、父は修道院長のフェリシタと交渉して多少負けてもらった。

到着したその日、ベネデッタは母からもらった小さなマリア像を引き出しにしまっておくように言い渡される。

これから先、祈りは修道院に元からある像にだけ捧げるようにということだった。

夜になり、ベネデッタはこっそり部屋を抜け出して、廊下にあるマリア像に祈りを捧げた。

するとマリア像はグラリと傾いてベネデッタの上に倒れてくる。

倒れた際の大きな音で皆が起き出して集まってくるが、下敷きになっていながらケガひとつないベネデッタを見て、神の奇蹟だと口々に彼女を讃えた。

しかしフェリシタと娘のクリスティナは懐疑的だった。

18年後。

夢の中でイエスの祝福を受け、彼の花嫁になったベネデッタは、修道女として申し分のない女性になっていた。

父親の暴力から命からがら逃げだしてきた羊飼いの娘バルトロメアが修道院に逃げ込んできた。

入会したいと言う彼女に、フェリシタはお金がないのでは無理だと断る。

それを見たベネデッタの父がバルトロメアの入会金を支払ってやると言って執り成し、ベネデッタが彼女の教育係に配された。

そして性的に成熟していたバルトロメアは、ベネデッタを妖しく誘う。

彼女との不謹慎な関係に耽溺するベネデッタだったが、日中に失敗したバルトロメアに、熱湯の中から絹糸を拾うように強制したことで、フェリシタからキツく叱責される。

その夜、ベネデッタはベッドの中で苦しみだし、一晩中苦悶の声を上げ続ける。

皆は心配するが、バルトロメアを看護につけて朝の礼拝を行っていると、ベネデッタが姿を見せた。

そして手のひらと足の甲についた傷跡を見せると、ベネデッタに聖痕が現れた、と騒ぎになった。

 

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感想

ベネデッタは

キリストから祝福を受けた真の聖女なのか

それとも、周囲を騙している大ペテン師なのか

思わせぶりに血の付いた陶器の破片が彼女の近くで見つかったり、「額に聖痕が付いていない」と指摘されたすぐ後に額に傷がついたり、怪しい部分が多くあります。

キリストに迎えられる夢を見ているけれど、悪魔に騙される夢も見ている。

バルトロメアとの不適切な関係も自分からのめり込むようになり、母からもらったマリア像の下半身部分を “大人のオモチャ” に改造されても、怒るどころか受け入れます。

映画ではどちらかというとペテン師寄りの解釈で進められているように見えましたが、ベネデッタ自身に人を騙している感じもないようにも見えます。

思い込みの力で自分も周囲もだましていた? とも解釈できるのです。

そうなると、聖痕を思わせるためにあんな痛そうな自傷行為が出来るというのも信じがたいですが (;^ω^)

当然、修道院内でも意見は二つに分かれます。

特にフェリシタとクリスティナはベネデッタを疑い、教皇にインチキだと訴えるのです。

しかしその行動は逆に彼女たちを破滅に導きます。

フェリシタは修道院長の座をベネデッタに奪われて一介の修道女となり、クリスティナは皆が見ている前で自分自身を鞭で打つようベネデッタに強要され、その屈辱を受けた夜に絶望感から自死しました。

鞭打ちの背中の傷がリアル… (;・∀・)

クリスティナの死でフェリシタはベネデッタへの復讐を敢行。

町を出て大教皇の元にベネデッタのペテンを訴えました。

そしてこのタイミングでペスト流行。

町の閉鎖を指示するベネデッタですが、前触れもなく急死しました。

しかし大教皇が近づいたと同時に復活!

奇蹟か死んだふりかゾンビか分からないけれど、またまた彼女の神秘性は高まります。

彼女は幾度かキリストが乗り移ったかのような声色で、疑いをかけた者への忠告を叫んで睨みを利かせていましたこともあって、民衆もベネデッタの味方でした。

そのため火刑を言い渡されて処刑場に連行されてきても、民衆は大教皇たちを詰り、ついには暴動にまで発展。

ベネデッタの、人を扇動する強さが炸裂しました。

バーホーベン作品は、ヌード多めのエロエロだけど、したたかでヘコたれない女性の強さも見せつける作風なので、やはり嫌いにはなれないです。

この作品も「氷の微笑」同様、犯人かそうではないのか、ペテン師なのかそうではないのか、という疑惑をはっきり見せないギリギリのラインで最後まで引っ張ります。

このミステリアスな展開に、テンポの良い流れ。面白かったです。

 

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