映画「名探偵ポアロ: ベネチアの亡霊」あらすじと感想【ネタバレあり】
ケネス・ブラナーが探偵エルキュール・ポアロを演じる第三弾です。
原作の「ハロウィーン・パーティー」のタイトルで、当然作者はアガサ・クリスティー。
脚本家としても活躍しているティナ・フェイや、「シャーロック・ホームズ」シリーズのケリー・ライリー、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のミシェル・ヨー、「フィフティー・シェイズ」シリーズのジェイミー・ドーナンらが出演しています。
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あらすじ
1947年.ベネチア。
探偵を引退し、この地で悠々自適の生活を送るエルキュール・ポアロだったが、捜査を依頼する人たちが絶たなかった。
しかし元警部でボディーガードをしてくれているポルトフォリオが彼らをブロックしてくれているおかげで、平穏無事に過ごせている。
そこへ、友人の女流作家アリアドニ・オリヴァが訪ねてきた。
有名な霊媒師レイノルズ夫人のインチキを見破ってほしいのだという。
今日はハロウィーンで、歌姫ロウィーナ・ドレイクが住む古い屋敷では、夜に子供たちを集めたパーティーを催し、その後にレイノルズによる降霊会が予定されていた。
去年ロウィーナの娘アリシアが運河に身投げして亡くなっており、彼女の霊を呼ぶことが目的だ。
それにポアロとアリアドニも参加。ポルトフォリオもついてきている。
他の参加者は、家政婦のセミノフ夫人、医師のフェリエとその幼い息子レオポルド、アリシアの元恋人マキシム、そしてレイノルズの助手デズデモーナ。
降霊会が始まり、誰も触っていないタイプライターが動いて、それをアリシアの言葉だとみんなが信じる中、ポアロは暖炉内に第二の助手ニコラスが潜んで遠隔操作をしているのだと見抜く。
インチキを指摘されたレイノルズは、トランス状態に陥ってアリシアの口調でロウィーナに話しかけた。
そして自分を殺したのは誰か、と参加者たちに問い詰める。
降霊会が終わり、帰宅のためゴンドラを待っている間、レイノルズと話す機会があったが、詐欺を指摘するポアロと、霊媒の必要性を説くレイノルズでは話が平行線だった。
戯れにレイノルズから仮面とローブを着けられたポアロは、その恰好のまま屋敷を探索。
りんごが浮かぶ水槽の前に来たところで、ハロウィーンの伝統行事アップル・ボビングをしてみようと水に顔をつけてところで、後ろから来た何者かによって頭を押さえつけられて溺死しそうになる。
意識が飛びそうなところでポルトフォリオが駆けつけて助かった。
その直後、悲鳴が聞こえて全員がそちらに向かうと、レイノルズが女神像の持つ錫杖に突き刺さって死んでいた。
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感想
容疑者の区別が付きづらくて、人物紹介が少々不親切に感じました。
特に女性なのですが、似たような年齢の人たちが集まっていて、髪型や服装なども似ているし、屋敷内の画面が暗いこともあって分かりづらかったです。
名前や立場が分かるタイミングもあまり良くなかったし。
推理モノならばもう少し何とかしてほしかったと思いました。
さて、帰りのゴンドラを待っていたポアロでしたが、殺人事件が起きた上、クローズドサークルの鉄板として、嵐でゴンドラは来られず屋敷内に閉じ込められてしまいました。
いや、ポアロが全員を閉じ込めました。
犯人が出ていく機会を防ぐためです。
出ていくのに運河ルートもあれば地面ルートもあるんですよね、ベネチアって。
帰ろうと思えば帰れなくもないけど、それではドラマとして成り立ちません。
互いの疑心暗鬼も募る中、ポアロはこの不可思議な殺人事件に向き合います。
何しろ自分も殺されかけてますから。
怒りメラメラで復帰宣言してあちこち調べ回りました。
それでも起こる第二の殺人。
フェリエが殺されました。
彼はアリシアの元主治医で、元カレのマキシムと殴り合いのケンカをしています。
当然マキシムに容疑がかかりますが、フェリエは鍵のかかった部屋で亡くなっていたため、ハウダニット?
鍵はポアロが預かっていたので一番怪しいのはポアロということになりますが、彼の行動は観客がずっと観ているのでありえません。
そしてポアロは例外なく全員を容疑者と考えているので、アリアドニからは「アンタなんか最初から友達じゃないわよ!」と辛らつに言われてしまいました。
執筆のために近づいたんだからーっと、相手を傷つける言葉でマウントを取ったつもりが、元々友達がいなくても平気なポアロには効いていませんでした。
ケネス・ブラナーのシリーズでは出てきていないけど、元々ポアロにはヘイスティングスという真のモナミがいますしね。
クッソしょうもない人だけど、嘘がつけないお人よしなところがポアロのお気に入り
↓ ヘイスティングスのしょうもなさはこちらの記事でどうぞ
【洋書】クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」あらすじと感想・英語メモ
ポルトフォリオにも疑っていることを堂々と示しているため、正直四面楚歌のような状態ですが、謎解きのためなら孤立なんてどうでも良くなる強いポアロが頼もしい。
一人でシャキシャキ動けるため、今回の殺人事件二件に、そこに繋がる昨年のアリシアの事件もまとめて解決してスッキリです。
面白かったけど、ほとんどが古くて暗い屋敷の中での話なので、ベネチアの風景を堪能できるのは最初と最後だけなのも、ちょっと残念なポイントでした。
タイトルから、夜のベネチアを駆け回るのかな、と思っていて「綺麗なんだろうな~」と期待していたので…
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