映画「勝負 (かた) をつけろ」あらすじと感想【ネタバレあり】ふわふわノワール
ジャン・ベッケル監督、ジャン = ポール・ベルモンド主演のフィルム・ノワールです。
原作はジョゼ・ジョヴァンニ。
「わが青春のマリアンヌ」のピエール・ヴァネック、トニー・カーティスの元妻クリスティーネ・カウフマンらが共演しています。
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あらすじ
親友グザヴィエが無実の罪で逮捕されたと聞き、彼を救うためにマルセイユにやってきたロベルト。
グザヴィエは、暗黒街の賭場経営者ヴィラノヴァに嵌められたのだ。
街を出て姿を隠しているヴィラノヴァを引きずり出すため、彼の情婦モードを誘惑。
ロベルトの狙い通りヴィラノヴァはすぐに戻り、ロベルトを呼びつけた。
そしてロベルトを殺そうとしたヴィラノヴァを返り討ちにする。
遺体を隠し、店の経営はモードに任せて、ロベルトはグザヴィエの妹ジュヌヴィエーヴに会った。
ジュヌヴィエーヴはロベルトの来訪を歓迎するが、グザヴィエは帰るように伝えてきた。
そして裁判となり、グザヴィエは10年の懲役刑になる。
その夜、アメリカ人のギャンググループがモードに店にやってきた。
用心棒になるから金をよこせと要求してくる。
彼らは他のバーにも出向いて、みかじめ料を請求して回っていた。
ロベルトは彼らを殺して懲役7年を言い渡される。
上手くグザヴィエと同じ刑務所に入ることが出来た。
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感想
わりと状況がコロコロ変わっていくので、なんというか、芯が通っていないフワフワした感じの作品に思えました。
グザヴィエを助けたいのか? と思わせつつ一緒の刑務所に入ることくらいしか出来ていないし、巨悪を倒すのか? と思えばそういうわけでもない。
何がこの作品のテーマなのかが分かりにくかったです。
でも演出や俳優の演技などは何気に良く、軽く笑うだけで相手をからかっているのが伝わったり、鏡越しの表情で後ろの人物の感情を読ませたり、といった部分は上手いと思います。
撮影監督は「穴」のギスラン・クロケが担当し、この作品でも “手“ の動きに注目させていました。
刑務所の作業で、ロベルトとグザヴィエは一緒に地雷撤去作業をするんです。
少しでも信管に刺激を与える動きをすれば爆発をモロに受ける危険な作業。
この緊張感の中、発見した地雷の上や周囲の土を取り除いていく、その手。
ドキドキしながら見入ってしまいます。
そしてこの撤去作業で、どういうわけかグザヴィエは休憩中にひとりフラフラと地雷に近づき、片腕を失くしました。
それもあり、元々この作業に従事した人たちは刑期の短縮が約束されています。
ふたりは一緒に出所しましたが、グザヴィエの落ち度によってジュヌヴィエーヴがマフィアに殺されました。
彼女のお墓の前で、グザヴィエが疫病神だと気づいたロベルトは、友情の終わりを告げて去って行きます。
テーマは「友情の崩壊」だったのでしょうか?
ちょっと唐突な印象を受けて、置いてきぼりを食らった気分です。
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