ヒッチコック作品「サボタージュ」(1936年) あらすじと感想【ネタバレあり】
イギリス時代のヒッチコック監督作品です。
テロ行為を扱っており、戦争の足音が聞こえてくる暗い時代の世相を表しているような映画です。
主演は「ビートルジュース」など晩年まで活躍したシルヴィア・シドニー。
テロに走る夫を「七年目の浮気」などに出演したオスカー・ホモルカが演じます。
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あらすじ
水曜日、ロンドン市内で大規模停電が起こった。
人為的に起こった痕跡があり、ロンドン警察は「テロリストが暗躍している」と判断する。
この停電を引き起こした男・ヴァーロックが自宅で経営している映画館では、観客が返金を求めて受付に殺到していた。
対応にあたるヴァーロックの妻は困り果て、夫の寝室に向かった。
破壊工作を終えたヴァーロックは寝室に戻ってきており、返金に応じるように妻に指示した。
彼女が夫と話している間に、隣の青果店で働いているテッドが客たちを宥めていたのだが、結局返金となってテッドの演説は無駄に終わった。
木曜日。
ヴァーロックはひとり水族館へ行き、黒幕の男に会う。
生活に困窮しているためにヴァーロックはテロ行為を行い、それで報酬を得ていたのだ。
しかし昨日の停電は新聞で物笑いの種になっており、黒幕は怒りをぶつける。
ロンドンを恐怖に陥れるつもりが、ただユーモアを振りまいただけという結果にプライドを傷つけられたのだ。
そして新たな任務をヴァーロックに命じる。
土曜日に行われる市長の就任パレードを狙って、人が多いピカデリーサーカス駅に爆弾を置いてこい、というのだ。
その頃、テッドはロンドン警視庁に出向いていた。
彼はヴァーロックを監視している刑事だったのだ。
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感想
ヴァーロック夫婦は、妻の幼い弟スティービーとも同居しています。
悪ガキタイプの明るい気質の子で、ステーキおごってもらってテッドに懐きます。
そのおかげでテッドは、リビングで悪だくみを話しているヴァーロックたちの会話を盗み聞きすることが出来て、役に立つ子だったのですが…
ヴァーロックはこの子供に爆弾を持って行かせます。
もちろん中身なんか教えず、表向きは上映し終わったフィルムを返しにいく名目です。
爆発は13時45分。
13時半までに当該の場所に持って行くようにヴァーロックは言い聞かせたのですが、子供だから寄り道しちゃうんだなコレが。
しかも実演販売のデモンストレーターに引っ張り出されて、歯磨きさせられるし髪にポマードつけられるし、散々な目に遭わされます。
道を横切りたくてもパレードの邪魔になるんで遠回りさせられるし…
スティービーが家を出てから場面はずっと彼の道中です。
正直長いので、この子が主役に見えてきてしまいます。
が、唐突に退場。
大幅に遅れて爆破時間にバスに乗っていたスティービーは、他の乗客も巻き込んで命を落としました。
ワンコォォォーーー!!
あ… すみません
バスの中でスティービーの隣に座っていたマダムが抱っこしていた小型犬が可愛かったもので、つい (;´∀`)
このスティービーの犠牲により事態は大きく転換。
弟を殺した夫を許せず、妻は夫を刺し殺します。
……凶器がカトラリーのナイフなので、即死するほどの殺傷力あるかな? とちょっと疑問ですが (刺されたところが急所だったのかもしれない)
そして自首しようとしている妻を、なんとテッドが引き留めて「一緒に逃げよう」
(゚д゚)
刑事だろアンタ…
モラルがないし、唐突なロマンス。
ヒッチ作品の悪いところというか…
たとえ無理くりでも恋愛描写を入れねばならん! という信条があったのかなぁ。
そういう展開になるまでの心情描写が浅すぎて、なんというか、女は男を頼っていればいいのだ、と断言されてる感が否めない。
そもそもサスペンスなんだから、そこに徹してくれていいのよヒッチさん、と言いたくなりました。
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