映画「バルカン超特急」あらすじと感想【ネタバレあり】消えた老婦人は何者?
ヒッチコック監督がイギリスで活躍していた頃に撮った1938年の作品です。
ヒロインを手助けする男性を、ヴァネッサ・レッドグレイヴのお父さんマイケル・レッドグレイヴが演じます。
そしてキーパーソンとなる老婦人の役を、女優で初めて “デイム” の称号を得たメイ・ウィッティが演じました。
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あらすじ
結婚を控えている金持ちの若い女性アイリスは、独身最後の旅行を兼ねて女友達たちが住んでいるパンドリカにやってきていた。
帰国日となりロンドン行きの列車に乗る予定だったが雪崩のため列車は運休。
仕方なくホテルでもう一泊することになった。
金払いのいい彼女は上客のため良い部屋をあてがわれるが、真上の部屋の客が音楽を掻き鳴らし複数人でダンスをしているためにうるさくて眠れない。
隣室の老婦人と一緒にボヤくが、騒音が止まないのでアイリスは支配人にお金を渡して静かにさせるように頼んだ。
その結果部屋を追い出された真上の客だった男性・ギルバートは、アイリスの部屋にやってきた。
自分の荷物を置いて彼女の部屋で夜を過ごそうとする。
追い出そうとしても「君に誘われた、と周りに言う」と脅され、アイリスはシブシブ支配人に電話してギルバートを元の部屋に戻れるよう便宜を図った。
翌朝、列車は動くようになり、アイリスは見送りの友人たちと駅で列車を待つ。
昨夜隣室だった老婦人の探し物を手伝った際、上から何者かが落とした植木鉢がアイリスの頭に直撃。
ヨロヨロと列車に乗り込むが、ドアが閉じた途端アイリスは気を失った。
気づくとコンパートメントの中。
老婦人が連れてきてくれたのだ。
アイリスを心配する彼女はお茶を飲むように勧めてくれ、食堂車に一緒についてきてくれる。
互いに自己紹介をするが、老婦人が名前を言うと同時にトンネルに入ったため聞こえない。
婦人は自身の名前 “FROY” (フロイ) を窓ガラスに指で書いてアイリスに教えた。
コンパートメントに戻ってもまだ打撲の影響があるアイリスは再び眠りに落ちる。
そして目を覚ますとフロイがいなくなっていた。
周りにフロイの行方を聞くが、どの人も「そんな婦人は見ていない」と口々に言う。
フロイはアイリスの幻覚だったのか?
しかし食堂車の窓ガラスに、彼女が実在した証拠がある。
フロイは誘拐されたが、まだ列車内にいる、とアイリスは確信した。
別の車両にいたギルバートがアイリスの味方になってくれ、ふたりで消えたフロイを探し回る。
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感想
ミステリー・サスペンスなんですけどコメディ色が強い娯楽作品です。
後半にはガン・アクションもあって、ちょっとやりすぎ~ (;^ω^) な感じもあるし、謎解き的な部分も弱いのですが楽しめました。
あらすじでは割愛しましたが、ふたりの英国人がコメディリリーフとして作品に面白みを加えています。
ホテルでは満室のためメイド部屋をあてがわれて大の男ふたりで一緒のベッドで寝る羽目になる。
頭の中はクリケットの試合のことでいっぱい。
ロンドンでの試合観戦に遅れたくない、という理由でフロイを見てない、と証言しちゃうアホっぷり。
自分たちを英国紳士と言うのに紳士的な振る舞いがない! (;´∀`)
本筋とまったく関係ないところでウロチョロし、結局銃撃戦には巻き込まれるのですが、お笑い担当なので最後はちゃっかり生き残ります。
アイリスたちも、そこそこお笑い要素はあったけど、この二人がいたからより面白い作品になったと思います。
この二人組で何かスピンオフ映画が出来たんじゃないかと思えるくらい愉快なキャラクターでした。
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