映画「8人の女たち」あらすじと感想【ネタバレあり】華やかで醜い女たちの争い
大御所から若手まで、フランス映画界の第一線で活躍している女優たちが集まった、ミュージカル仕立てのサスペンス・コメディです。
監督はフランソワ・オゾン。
ベルリン国際映画祭で、8人全員に銀熊賞が授与されました。
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あらすじ
1950年代。
大雪に見舞われたクリスマス・イヴに、ロンドンの寄宿学校にいたシュゾンが実家に帰省した。
この家に暮らすのは、当主であるシュゾンの父マルセルと、母のギャビー、そして妹のカトリーヌ。
ギャビーの母マミーと妹のオーギュスティーヌも住まわせてもらっており、昔からいるメイドのシャネルの他、シュゾンが不在の間に雇われた新しいメイド・ルイーズ、といった顔触れだ。
全員がシュゾンを出迎えるなか、マルセルだけ姿を見せない。
ルイーズがマルセルの部屋に朝食を運んでいくと、彼は背中にナイフを突き立てられた状態で死んでいた。
部屋から出てきたルイーズの報告を聞いて、探偵小説好きのカトリーヌがマルセルの部屋に真っ先に駆け込んだ。
他の面々も恐る恐る顔を覗かせ、マルセルの死体を確認する。
現場の保存のため、カトリーヌが彼の部屋に鍵をかけた。
そして警察に電話をしようとするが、電話線が切られている。
外部からの侵入者を疑うが、この大雪の状況で考えにくい。
犯人はこの家の誰かだと互いが疑心暗鬼になる。
そこへ、近くに住んでいるマルセルの妹ピエレットが現れ、容疑者が増えた。
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感想
フランス映画好きにはたまらないキャストですねー。
シャネル役の女優さんだけ知りませんでしたし、当時はまだ若手だったヴィルジニー・ルドワイヤンとリュディヴィーヌ・サニエは出演作が少ないですが、それ以外は全員主演作が複数本ある大ベテランばかり!
「ロシュフォールの恋人たち」でも親子だったダニエル・ダリューとカトリーヌ・ドヌーヴが、約40年ぶりに再び親子役になるのも感慨深い。
二人とも相変わらず華があってゴージャス(∩´∀`)∩
イザベル・ユペールは「ピアニスト」(生涯で一番衝撃を受けた映画)での役と同様、お堅い性格で高齢独身のこじらせ中年女性の役なんですが、向こうはシリアス、こちらではコミカル、としっかり演じ分けていて、相変わらずの演技派ぶりを見せつけます。
そしてトリュフォーのミューズ、ファニー・アルダンはやっぱり「姐さん」と呼びたくなるような気っ風のいい女性役がハマりますね。
脚フェチのトリュフォーを魅了した美脚も健在でした。
エマニュエル・ベアールも、天然アヒル口が色っぽいやら可愛いやらで、セクシーで勝気なメイド役がすごく似合っています。
個人的に一番目を惹きました。 ああぁ美しすぎる…(*´Д`)
そんな彼女たちが、カラフルでゴージャスな豪邸内でのミステリー、というアガサ・クリスティー的世界に降臨。
クリスティー作品のように格調高い中に、人間のエゴを映し出すような感じになるかと思いきや、何度か取っ組み合いのけんかをするので格調は高くないです。醜いwww
ミステリーの王道で、みんな何かしら秘密を抱えていますが、必ず別の誰かがその秘密をバラして疑惑はどんどん広がり、全員化けの皮をはがされて本性を露呈させていきます。
女たちの醜い争いは止めどなく、これが結局事件の原因、そして最後のオチに繋がります。
こんな女性たちばかりの状況で男性はマルセルただ一人。
これは… やるせなくなるの分かる気がする ( ̄▽ ̄)
女優達ひとりひとりに、歌って踊る見せ場があります。
衣装や内装のカラフルさもあって、雰囲気だけでも楽しい。
何よりも、これだけのスター女優たちが集まったのがすごい。
ずっと見続けたい、好きな映画です。
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