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「危険なプロット」あらすじと感想【ネタバレあり】他人の家リポート

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

フランソワ・オゾン監督のサスペンス作品です。

主演はファブリス・ルキーニ

クリスティン・スコット・トーマスエマニュエル・セニエなどが脇を固め、ヨランド・モローが1人2役の双子役で出演しています。

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あらすじ

高校の国語教師ジェルマンは、生徒たちの作文の出来に嘆いていた。

週末の出来事を書くだけなのに2行程度で終わっているやる気のなさ。

溜息をついて次の作文を読むと、他の生徒たちとは明らかに違う、読み応えのある文章が綴られていた。

提出した生徒はクロード・ガルシア

彼はこの週末、クラスメイトのラファ・アルトールに数学を教えに彼の家に行っていたのだ。

以前から公園で見つめるこの家に憧れていたことや、父母が迎えに来て嬉しそうにしていたラファに興味を持っていたことなどから始まった。

ついにラファの家に入れたクロードは、彼の母エステルを「中産階級特有の匂いを持つ女」と書いて、官能的に描写する。

そして家の中の様子を、的確に書いていた。

この作文を一緒に読んだジェルマンの妻ジャンヌは嫌悪感を持つが、ジェルマンは感銘を受ける。

その日からジェルマンはクロードを放課後に残し、作文の指導に当たった。

クロードが書くアルトール家の物語に、ジェルマンとジャンヌも夢中になっていく。

しかしクロードはエステルに疎まれ始め、ラファの家に行きづらくなっていった。

次の数学のテストでラファが高得点を取れば、クロードはまた歓迎されるだろうとジェルマンに相談した。

クロードの意図を知りジェルマンは怒り出すが、彼の才能を潰したくない。

いけないことだと知りながら、ジェルマンは数学教師のロッカーから試験問題を盗みだす。

 

感想

製作費にチャイナ・マネーがたくさん投入されたのかな… と思ってしまうくらい何度も「中国」という言葉が出てきます。

ラファ父が「一週間滞在しただけで中国通ぶってる」設定から、ジャンヌが経営する画廊で中国人画家の作品をラファ両親が見に来る、という流れは「なるほど」と思いましたが。

職場の中国人に文句を言いながらも最後は中国に一家で引っ越す、というラファ父および脚本の中国への愛憎の気持ちを感じます。

ジャンヌの画廊に常設展示されている作品が「複数ペニスで形作られているハーケンクロイツの絵」とか「独裁者の頭をつけたダッチワイフ」とか、気持ち悪いものばかりなんですが、ムッソリーニやヒトラーに交じって毛沢東のダッチワイフもおりました。

監督… 何か思うところがありましたかね?

それにしてもこの風刺は勇気があるというか、病気というか… とにかく気持ち悪かった (;一_一)

 

他人の家には、そこで暮らす者にしか生みだせないドラマがある。

そこに興味を惹かれて覗き込む・入り込む、というのは昔からあるモチーフですね。

ヒッチコックの「裏窓」や、筒井康隆さんの「家族八景」など、面白い作品が多くあります。

「裏窓」あらすじと感想【ネタバレあり】窓から見えるさまざまな人間模様

 

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この映画では、悪魔的な美少年が入り込むことで幸せな家庭に不穏な空気が流れ込む様子が、虚構も混ぜて描かれています。

ただの傍観者であったはずのジェルマン夫婦も、気づくとクロードの魔性にハマり込み、ジェルマンはすべてを失うエンドを迎えます。

それでも近づくクロードを拒絶できず、むしろ次のターゲットに狙いをつけるクロードから新たなストーリーが読めることを喜んでいました。

ダメ出しを重ねながらもクロードの一番のファンであり、いつまでも最後が「続く」で締められる彼の小説を読み続けたがるジェルマンは、悪魔に魅入られた人間のようです。

試験問題を盗んだことなど、もう彼の中では大したことではなく、クロードの小説のためならもっと悪いこともしかねない哀しい老人です。

胸にザワつく印象を残すブラックな作品ですが、最後まで引き付けられて面白かったです。

ジェルマンの講義には創作のヒント、特に人物造形について有益な助言がたくさんあるので、小説などを書きたい人にもオススメの映画でした。

「主人公とは必ず何かを欲していて、そこには障害が必ずある」

あ~、たしかに~ ( ゚Д゚)

 

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