映画「プリティ・リーグ」あらすじと感想【ネタバレあり】華やかに泥まみれ
戦時中、選手たちの徴兵によりプロ野球リーグの存続が危ぶまれていた間、全米女子プロ野球を立ち上げて危機を乗り越えた史実があります。
この史実にフィクションを織り交ぜて描いたヒューマンドラマです。
監督はペニー・マーシャル。
ストーリーの中心となる姉妹をジーナ・デイビスとロリ・ペティが演じ、トム・ハンクス、マドンナらが助演に回っています。
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あらすじ
1943年。
オレゴン州で酪農を営んでいるドティとキットの姉妹は、アマチュア野球チームでバッテリーを組んでいる。
しかしドティの判断にキットが従わなかったり、ドティのほうが上手いこともあって姉妹仲は良くない。
そしてキットは独身だが、ドティの夫は徴兵されて戦地に行っていた。
ある日、ドティのところにスカウトマンがやってきた。
女子プロ野球リーグが発足することになり、有望な選手になりえる女性たちがシカゴに集められるのだ。
夫の帰りを待つドティは断るが、その場にいたキットはこのチャンスを掴もうと必死に食い下がる。
しかしスカウトマンが欲しいのはドティだけ。
彼女と一緒ならキットも入団させる、という条件をスカウトマンはつけた。
気乗りしないドティだったが、キットのために一緒にシカゴに行く。
途中で、目を見張るほどの野球センスを持っているマーラという女性とも合流して野球場にやってきた。
すでに大勢の女性たちが肩慣らしをしている。
入団テストを経て篩に掛けられた合格者たちは、4チームに別れることになった。
ドティとキットは、揃ってロックフォード・ピーチズに入団となる。
ユニフォームがヒラヒラのミニスカなことに大勢が拒否反応を示すが、女子プロを人気コンテンツにするためには仕方がなかった。
彼女たちには野球だけではなく女性らしさも求められ、マナー教室でエレガントさも学ばせられる。
そしてピーチズに監督が就任してきた。
かつて大リーグで活躍した名選手だったが、ケガで引退した今はアル中でやる気のない中年になっているジム・ドゥーガンだ。
ベンチにいても役に立たない飲んだくれのジムに見切りをつけ、選手たちはドティの指示を頼りにする。
個性あふれるチームメイトたちは、女子プロ存続のために身体を張ってプレイし、人気のために魅力も振りまいた。
そんな彼女たちの一生懸命さにジムは監督として真剣に向き合うようになる。
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感想
キャスト陣の(個人的)豪華さに目を奪われます。
中心となるジーナ・デイビスもロリ・ペティも感情の出し方が上手いし、トム・ハンクスはアカデミー賞常連になる前ですが、すでに演技上手いです。
スーパースター・マドンナは脇役ながら、やはり目を惹く人ですね。
特にこの映画では持ち味のエロティシズムを抑えているにも関わらず、爽やかな色気があって可愛いです。
そのマドンナの、一番の見せ場となるダンスシーン。
一緒に踊る男性のうちの一人が、マーシャル監督が主演したドラマ「ラバーン&シャーリー」で準レギュラーのカーマイン役だったエディ・メッカです。
同ドラマからは、レギュラーのスクイギー役デヴィッド・ランダーも、実況アナ役で出演しています。
海外ドラマを利用して英語学習をやり始めた最初のドラマなので、個人的にすごく思い入れがあります。
録画して、本当に繰り返し繰り返し何度も視聴したドラマなものだから…(;´∀`)
なのでこの二人の出演に色めき立ってしまいました。
(そして、ランダーはつい先日の12月4日に亡くなられたとのことでした。ご冥福をお祈りいたします)
その他にも、悪ガキの息子を連れてきてしまうエブリン役が、後に「名探偵モンク」の初期レギュラー・シャローナ役のビティ・シュラム。
ジムをピーチズ監督に就任させるハーヴェイ役を、監督の兄で自身も著名な監督・プロデューサーであるゲイリー・マーシャル。
夫の戦死報告を受けるベティ役が監督の娘トレイシー・ライナー…… などなど、キャストたちの繋がりや活躍などが脳裏に浮かんで注目してしまい、何気にそういう部分を楽しめました。
ストーリーは、ドティとキット姉妹の確執から、キットがライバルチームに移籍となり、互いに全力で戦ってわだかまりが無くなり仲直りする、という王道の流れです。
移籍騒動になるまでキットがチーム内で目立っていないのが気になりましたが、ドティばかりが目立つことが強調され、それがキットの嫉妬心をさらに煽った、という演出のためにわざとキットを埋もれさせていたのかもしれません。
そう考えると上手いやり方ですね。
泥まみれになる“野球”というテーマだけど、画面が華やかで賑やかな女性たちの一挙一動が楽しい雰囲気を作り、それを前面に出してキットの嫉妬心をうまく隠していました。
そのおかげで暗くなることはなく、ふたりの大ゲンカのシーンも短い時間で済ませているので、観ている側が胸を痛めることもありません。
華奢な体躯で全員、滑り込みで塁を取るし、転がって球を取るし、男性顔負けの根性見せる熱血ぶりに、胸はむしろ熱くなります。
スポーツ精神とハートウォーミングが混在した良作です。
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