映画「砂の器」あらすじと感想【ネタバレあり】レトロ列車で旅行しよう♪
野村芳太郎監督が撮った松本清張作品のうちのひとつです。
主演は丹波哲郎さんと加藤剛さん。
いぶし銀のおふたりに、まだ若手だった森田健作さんが軽やかさを持ってきます。
ヒロインを島田陽子さんと山口果林さんが演じました。
その他にも重鎮の佐分利信さんや笠智衆さん、加藤嘉さん、いろんな作品で引っ張りだこの緒形拳さんも登場です。
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あらすじ
昭和46年6月。
東京の国鉄蒲田駅の操車場で、60代くらいの男性の他殺体が発見された。
身元を証明するものは何もなかったが、所持品の中からスナックの店名が入ったマッチがあった。
その店のママに話しを聞くと、被害者は東北訛り (ズーズー弁) があり、しきりに「カメダ」という固有名詞を、一緒にいた男との会話に出していたという。
他の捜査員たちが「カメダ」は人名だと思っているなか、捜査一課のベテラン刑事・今西は、地名かもしれないと考えて、秋田県の羽後亀田に部下の吉村と一緒に行く。
しかし大した情報は得られないまま、帰京することにした。
その帰りの電車で、食堂車のウエイトレスたちが一人の男に群がっているのを見て、吉村がその男の素性を聞く。
男は和賀英良という著名な音楽家だった。
東京に戻ってすぐ、吉村は新聞で気になるコラムを見つけた。
山梨県塩山付近で、列車の窓から紙吹雪を散らしていた女性がいた、というものだ。
吉村がコラムを書いた人物に連絡すると、その女性は高級クラブのホステスをしている高木理恵子だと教えられ、さっそく店に行ってみる。
するとそこに和賀が、婚約者で前大蔵大臣の娘・田所佐知子と共に入店してきたのを見かけた。
8月に、被害者の身元が判明した。
元警察官の三木謙一という60歳の男性だった。
岡山県出身で、家族には「お伊勢参りに行く」と言って旅行に出かけたのだが、連絡が途絶えたことで捜索願を出したところだったという。
そして三木のズーズー弁は、東北ではなく出雲地方・亀高のものだと知り、今西は三木の過去を知るために亀高に向かった。
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感想
今西があちこち捜査旅行にでかけているので、トラベルミステリーの要素もあって楽しいです♪
昭和40年代の懐かしい光景に、緑豊かな自然。
レトロ感満載な映像、もっとください。
というか、新幹線や列車に乗ってどこかに行きたくなりました~。
旅行最高☆
まあ、そんなところも楽しみつつ、面白いしストーリーもちゃんとしている映画なのですが、ツッコミどころもやっぱりあります。
まず新聞のコラムだけで証拠隠滅の目星をつけるのは無理があるでしょう…
理恵子が車窓から飛ばしていたのは、返り血がついた服を細かく刻んだものでした。
でも一見紙吹雪にしか見えないし、私はこのシーン見たとき「車窓からゴミ捨てるな。マナーの悪いぞ」としか思いませんでしたもの。
そして、犯人はすぐ分かります。
今西の捜査の合間合間に和賀のシーンが差し挟まれるので、間違いなく彼が犯人。
ただ、被害者の三木が清廉潔白な聖人みたいな善人だったので、なぜ殺したのか、というホワイダニットに焦点が当たります。
和賀は… 過去を捨てたかったのでしょうか。
ハンセン氏病に罹っていた父と二人、お遍路さんの格好をして放浪していた幼少時代。
この子供のときの和賀を演じていた子役が、キリッとした顔立ちのイケメンで「おおっ!」と思いましたが、今はいい年齢になっていることでしょう。
もう俳優は辞めたようで、やはり子役の芸能生命は短いことが多い… (最近はそうでもないようだけど)
三木さんの説得で父は隔離施設に入り、親子は離れ離れになりました。
そして和賀は三木夫婦が面倒を見ていましたが、なぜか夜逃げ。
放浪の果てに戸籍を買い、父を思いながら作った曲で人気の音楽家に。
この曲… いい曲なんですよ。
いい曲なんだけど、クドい。
幼年期の放浪時代にすごく尺をとっているんだけど (もう少し短くしても良かったと思う…) その間ずっと掛かっているんです。
ピアノソロならともかく、オーケストラだから音量がすごくて、ちょっと辟易しました。
音量を下げるとセリフが聞こえづらいので、まいった (;´Д`)
そんな難点もありますが、幾度もドラマ化もされている名作です。
違いを比べてみるのも面白いかもしれません。
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