映画「ブーリン家の姉妹」あらすじと感想【ネタバレあり】処刑された王妃アン・ブーリンの悲劇
ヘンリー8世の2番目の妻となったアン・ブーリンと妹メアリーの姉妹を中心に描いた歴史劇です。
ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンがW主演で、姉妹の確執を浮き彫りにしています。
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あらすじ
ケント州で暮らす貴族トマス・ブーリンには、宮廷からの信頼も篤いハワード家出身の妻との間にアン、メアリー、ジョージの三人の子供がいる。
野心的な妻の兄ノーフォーク公から、王妃のキャサリン・オブ・アラゴンが男児を産めずに国王ヘンリー8世の寵愛がなくなってきている、という話を聞き、トマスは長女のアンを国王に召し出そうと考えた。
次女のメアリーは気立てが良く従順だが、こういった気質は宮廷には向かない。
そのためトマスはメアリーを長女アンより先に、地元の貴族と結婚させた。
アンはメアリーとは対極で、野心的で気が強い。
そのため国王の愛人にはうってつけだと考えてのことだった。
話を聞いて、アン自身も乗り気だった。
さっそくトマスたちは王を居城に招待する。
王もアンのことが気に入り、一緒に鹿狩りに出かけることにした。
しかしアンのせいで国王は落馬。
肉体的な痛みだけではなく、精神的にも恥を掻いて傷ついた。
慌てたトマスは、粗相をしたアンを退け、メアリーに王の看病をするように言いつけた。
献身的で優しい介護をするメアリーに心惹かれた王は、彼女を宮廷に召し出した。
すでに人妻となり、田舎でずっと暮らしていたいメアリーは断ろうとするが、父と叔父に強要され、一家そろって宮廷で暮らすことになった。
メアリーとアンは共に王妃の侍女となるが、メアリーは王の妾にもなる。
王のメアリーへの寵愛によりブーリン家は引き立てられた。
位が上がり、王から賜った家は元側近が住んでいた豪奢なものだ。
ジョージは不本意だったが、やはり父たちの強要により侍女のジェーンと結婚させられてロッチフォード卿の名を賜った。
アンのほうは、すでに婚約者がいるヘンリー・パーシー伯爵と恋仲になり、二人だけの結婚の誓いを立てた。
この報告を受けた父は激怒。
二人の仲を引き裂き、アンをフランスに追放した。
しばらくするとメアリーが妊娠した。
臥せっていることが多くなり、王の愛情もだいぶ薄れてきてしまっている。
なんとか王を繋ぎ止めようと、トマスたちはアンをフランスから呼び戻した。
ある日、晩餐の席で会話が盛り上がっている一角がある。
何の話をしているのか尋ねる王の前に、アンがスッと立ち上がった。
フランスで洗練された手練手管を身に着けたアンは、たちまちのうちに王の心を虜にする。
感想
歴史ものなので、結末は当然分かっているのですが、そこに至るまでの人間ドラマが面白いものなんですよね。
この作品もそれで、驕慢なアンが男児を産めないことで追い詰められていくの姿に昼メロ的な引きの強さがあります。
歴史上の嫌われ者ヘンリー8世の身勝手ぶりもさることながら、閨閥に頼る父や叔父の情けなさも際立っているところも昼メロ。
時代考証がきちんとされていて、衣装や小物類も豪華なのですが、ストーリーの暗さのためか (それとも電気のない時代のせいか) 宮廷でありながら華やかさはなく、陰鬱とした画面になっています。
それがあの悲劇のラストに繋がる下地になっていて、アンを演じるポートマンが、最期をどんな演技で見せるのかに、より興味を持たせていました。
恐怖と絶望が伝わる、いい演技です。
映画のいいところのひとつって、肖像画でしか見たことがなかった当時のファッションを、実際に着て動いてみせるところにあるんですよね。
絵を見ているとき「本当にこんな動きにくそうな服で生活していたの?」といつも疑問に思っていたチューダー朝時代のドレスや貴族たちの服。
髪型や仕草なんかも含めて、あの時代にトリップしたようなリアリティがありました。
こういう点も、この作品面白かったです。
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