映画「荒野の七人」あらすじと感想【ネタバレあり】名作のリメイクだけど名作
黒澤明監督の名作「七人の侍」を、西部劇にリメイクしたオールスターキャスト映画です。
勘兵衛に当たる役をユル・ブリンナーが演じました。
監督は「大脱走」のジョン・スタージェス。
「大脱走」でも起用するスティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンも揃い、音楽も同様にエルマー・バーンスタインが手掛けています。
あらすじ
メキシコの田舎に、カルベラをリーダーとする40人の山賊が荒らしにやってくるようになってしばらく経っていた。
作物や食料、いろんな品を強奪され、抵抗して殺される村人も出てきた。
こんな生活に嫌気が差した村人ミゲルたちは長老に相談。
長老からは、国境の町で銃を調達し戦うことを提案される。
ミゲルと他二人の村人が町に辿り着くと、葬儀を出す・出さないで揉めていた。
多くの野次馬の中から、黒ずくめの服装の男が「自分が遺体を埋葬地に送る」と言って馬車の御者台に飛び乗った。
クリスというその男の行動に触発されたヴィンという男も彼の隣に腰掛ける。
彼らについていく集団の中にミゲルたちも混ざり、妨害者たちの銃撃を躱してやり返すクリスたちの姿に感銘を受けた。
ヴィンはすぐに去ってしまったが、残ったクリスにミゲルは自分たちの窮状を訴えた。
クリスは、用心棒を集める手助けをする、と請け負ってくれた。
クリスの人脈でハリー、ブリット、リー、オライリーらが集まり、ヴィンも合流。
そして無鉄砲そうな若者チコがついてくる。
彼らと共に村に戻ったミゲルたちは彼らから銃の扱いを教わり、カルベラの襲撃を待ち構える。
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感想
ほとんど「七人の侍」と変わらないストーリー展開です。
ですが、チコが勝四郎と菊千代を足したキャラで、リーは完全にオリジナルのキャラクター。
少し変えてあるだけでオリジナルとは違う味わいになっています。
そもそも銃と日本刀とで、戦う武器が全然違うわけですが (;^ω^)
カラーなこともあって、とても観やすいです。
走る馬と並走するカメラワークや、本当に抜くところが見えないくらいの早撃ちに息を呑みました。
人間ドラマにもオリジナリティがあって、教訓めいたセリフも出てきます。
強面なのに子供たちに懐かれているオライリー。
カルベラ一家を恐れて、7人に村から出ていってもらおうとする大人たちが情けなくて「父ちゃんたちは弱虫だ」と訴えた子を、オライリーは叱ります。
お尻ペンペンの早打ち。
銃の才能がこんなところでも発揮されたわけですが、オライリーは家族の安全のためにカルベラたちに従う、という大人の判断を擁護しました。
そうよね、大人ってどんなに理不尽でもムカついても頭下げなきゃいけないときがあるものなのよね…
映画を作っている人たちにもそういう人、大勢いるのよね。
でも子供たちは分かってくれないから、こうしてキャラに代弁させてんのよね。
働いて家族を支えている皆さん、お疲れ様です。
それから7人の中でも一番銃の腕が立つリーが、過去のトラウマから戦いの場で足がすくんでしまい、そのことに悩むところなんかも「あ~、そういうのあるかもな~」と共感できる人物像に仕上がっています。
名作のリメイクで名作、という稀有な作品です。
オリジナルをただなぞるだけではない、リメイク版ならではのオリジナリティの出し方が上手いからだと思いました。
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