映画「特捜部Q 檻の中の女」あらすじと感想【ネタバレあり】恐怖の加圧室
北欧発の人気ミステリー小説「特捜部Q」シリーズの映画化作品第一弾です。
解決済にされた事件の書類整理が仕事だという閑職部署に回された二人の刑事が、過去の事件を追いかける骨太なハードボイルド作品になっています。
あらすじ
デンマーク警察の殺人課刑事カールは、部下の忠告も聞かずに容疑者宅に突入した。
その先走った行動のせいで犯人に撃たれて重傷を負い、部下たちも一人は殉職・一人は寝たきりになってしまう。
三ヶ月後カールは復職を願い出るが、もう殺人課に籍はなかった。
部長はカールに新部署「特捜部Q」への異動を命じる。
地下にあるその部署で、解決済みとなった事件の資料や報告書の類をまとめて整理する、というのがカールに与えられた仕事だった。
あからさまな「追い出し部屋」にカールは気落ちした。
翌朝出社すると、殺風景な地下の部屋に新しい部下アサドが明るく挨拶してくる。
そして壁には彼によって、いくつかの事件の写真や書類が貼りだされていた。
「どれから始めます?」
ニコニコ顔で訊いてくるアサド。
カールは殺人課に戻してもらおうと部長に電話するが、ふと目についた写真が気になり取次ぎを中止した。
5年前に失踪した女性議員ミレーデの写真だった。
ろくに調査もされず “自殺” として片付けられていた事件だ。
若くて美人でスピーチにも力がある彼女は大衆の人気を掴んでいる政治家だった。
そんな彼女は幼い頃に両親を失い、それが発端で解離性障害となった弟ウフェと二人暮らしをしていた。
失踪したとき、ミレーデはウフェと一緒にフェリーに乗っていた。
自殺するときに弟を連れていくか――?
ましてや彼女には自殺に結びつくような悩みなども見当たらない。
カールはこれらのことが引っ掛かり、アサドと一緒にこの事件の再調査に乗り出した。
前回“自殺”と報告した担当捜査官や部長の横やりで何度も捜査を中断させられそうになりながら、カールたちはフェリーでの聞き込みや失踪前夜の政治資金パーティーなどミレーデの足取りを追う。
そしてサナトリウムに入所しているウフェに、アサドが根気強くコミュニケーションを取って信頼を得ていった。
一方、失踪当日ミレーデはフェリー内ではぐれたウフェを探し回り、駐車スペースに来たところを背後から襲われて拉致されていた。
目覚めると加圧室の中に閉じ込められており、鼓膜が破れそうなほどに気圧を上げられる。
1年ごとに1バール上げられて5年。
ミレーデは強靭な意志の力で正気を保って生き続けていた。
感想
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」と同じ脚本家の方と聞いて、ミレニアム三部作が面白かったからこちらも見ることにしました。
同じ北欧のためか、少々画面が暗いところは同じですね。
やっぱりあまり天気が良くない地域のようです (行ったことない)
この作品も目を背けたくなるシーンがありますが、グイグイ引っ張る力強さがあります。
観ているこちら側はミレーデがまだ生きていると分かっているから、捜査の邪魔をする元同僚や上司に「邪魔すんなアホー!」とヤジりたくなるし、カールたちにも「はよ助けてやってー!」と画面に向かってシャウト。
テレビに向かって喋る人になってしまった…
そのうち「こんばんは」とテレビ画面の向こうから挨拶するニュースキャスターに「こんばんは」と返事する域にいってしまいそうです (; ̄▽ ̄) アブナイ人まっしぐら
これだけ興奮しておいてアレですが、犯人の動機としては弱いな、と冷静に考えていた部分もあります。
子供の頃の事故。
互いにこれで失った家族がいて、犯人は孤児院や里親から虐待されてミレーデは政治家に登り詰めていた。
自分の人生が上手くいっていないことの不公平感からきているもので、恨みとは違いますよね。
何年も監禁して苦しめるほどのことかな、と。
しかも大掛かりな加圧室まで用意して。
とまあ、ちょっと納得いかない部分はありましたが全般的には面白かったです。
短気なカールにはあまり魅力を感じませんでしたが、アサドのキャラは悪くないと思います。
もう少しユーモアがあっても良さそうだけど。
他シリーズはこちら
映画「特捜部Q Pからのメッセージ」あらすじと感想【ネタバレあり】猟奇とお笑いの紙一重
映画「特捜部Q カルテ番号64」あらすじと感想【ネタバレあり】カールの成長物語
映画「特捜部Q 知りすぎたマルコ」あらすじと感想【ネタバレあり】
こちらもよろしくお願いします
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」あらすじと感想【ネタバレあり】
「ミレニアム2 火と戯れる女」あらすじと感想【ネタバレあり】
「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」あらすじと感想【ネタバレあり】
新品価格 |