シンデレラストーリー&時代劇的勧善懲悪は無敵 クレハ「鬼の花嫁」
最近ちょくちょくコミックシーモア配信の漫画「鬼の花嫁」の広告を目にするようになりました。
何やら「家族内でイジメられている女の子が、鬼の花嫁になったことで辛い境遇から抜け出せる」というシンデレラストーリーのよう。
と、興味を持って無料分を読んでみると、絵も綺麗だし、いい感じにドロドロしていてその後スッキリ勧善懲悪っぽい。
続きが気になっていると、原作ノベルが無料で全部読めると知ってサイトに行って見ました。
コミカライズで人気の『鬼の花嫁』、原作小説1~5巻を無料でまとめ読み! | 小説サイト ノベマ! (novema.jp)
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あらすじ
あやかしと人間が共存する世界。
人間の女性があやかしに見初められて花嫁に選ばれることは、人間とあやかし双方の家の繁栄を意味していた。
このカップルの間では霊力の強いあやかしが生まれるため、花嫁は一族からとても大事にされる。
高校生の柚子は、幼少の頃から妹の花梨ばかり可愛がる両親からの愛情に飢えていた。
花梨が妖狐の一族・瑶太の花嫁になったことで、ますます柚子は家族内で孤立する。
ある日、花梨のワガママのせいで大切な祖父がプレゼントしてくれたワンピースが引き裂かれてしまい、柚子は激昂。
誰ひとり柚子の味方をせず、挙句瑶太は柚子の腕を妖力で焼いて火傷を負わせた。
家を飛び出した柚子は歩道橋の上でうずくまり、とめどなく涙を流す。
その背後から優しく呼び掛ける声がした。
人間ではないと一目でわかる眉目秀麗な男性が、柚子に近づく。
彼は鬼龍院玲夜と名乗り、柚子を「俺の花嫁」と呼んだ。
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感想
今のところ5巻まで配信されています。
どの巻にも、必ず柚子の敵となる者が現れ、その度に玲夜や周りの助けで危機を乗り越えて敵対者にはキツい結末が待っています。
玲夜はあやかしの頂点である鬼の一族。
しかも現当主の息子で次の当主となることが決まっています。
もうね、王子様と鬼当主の違いがあるだけでシンデレラと同じ構図です。
(次期当主だから王子様ともいえますね)
そして必ず勧善懲悪。
多くの人が好むストーリー展開のツボを心得ていますね、作者さん。
1巻目は柚子の両親と妹が敵対者ですが、それ以降は毎回敵対者たちが謎めいていて「いったいコイツにはどんな秘密が?」と興味を惹くので、どの巻も没頭して読めます。
文章もくだけているので、そのへんもサクサク読み進められる要素になっていますね。
誤字脱字の多さは気になりましたが… (人のこと言えないけど)
特に3巻で玲夜のお父さんが玲夜に最初の花嫁の話をしたときのセリフが
「鬼の伴侶となった最初の花嫁は兄との間にひとりの男児を産んだ」
!?
えっ、花嫁、夫の兄と浮気してたの!?
仲睦まじいとか言ってて、不倫ーーー?
と軽く脳内パニックになりましたが、その後、兄なんて描写まったく出てきてないので間違いだったようで…あぁ、びっくりした。
せめてここだけは直してほしかった。
でないと最初の花嫁さん、ビッチのまんまだよー (;´Д`)
サイト側の方で校正とかやってないのかな、と出版社とネットサイトの違いを感じてしまいました。
たぶん書籍版では直されていると思いますけどね…
※追記・久々に3巻読み返したら「兄」→「鬼」に直ってました。
やっぱここは気になっていた方が多かったのでしょうね (;´∀`)かなりデカいミスだから…
しかし、キャラクターの造形も上手くて、柚子の敵も味方も人物像がハッキリしていてわかりやすいです。
味方側のどのキャラにも好感が持てるし、敵側は本当に憎々しい。
1巻の敵・花梨と瑶太がその後反省したような記述がありましたが (瑶太は3巻で再登場、花梨は登場はしないけど5巻で言及されています) 矯正の余地があったことが信じられませんでした (;^ω^)
ちなみに再会した瑶太を柚子は「精神的に成長したな」と思うのですが、いやいやいや……
1巻で「花梨にはよく言い聞かせておいた」はずなのに花梨は結局柚子を攻撃 → 取り返しのつかないことに。
3巻でも従姉妹の菖蒲とかいう女に「よく言っておくから」と言っといて結局菖蒲も柚子を攻撃。
まったく同じ失敗を繰り返していて、全然成長の兆しを感じませんでしたが…
どんだけ人を説得する能力に欠けてるんだよ、としか。
この学ばないヘタレを「成長した」と感心する柚子さん甘いです ( ̄▽ ̄)
こんな感じで感情移入できるくらいキャラが魅力的に書けていて、そこへ抜群のストーリー構成力が重なるので、どの巻も全部面白かったです。
もう結婚までいったから続きが出るか分かりませんが、たぶんこれまで同様クオリティの高いものになると思いますので、楽しみにしています。
こちらもよろしくお願いします
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